『黄金のアフガニスタン展』に行ってきました。
アフガニスタン情勢は、今でも十分不安定なので、
サブタイトルの“守りぬかれたシルクロードの秘宝”は、
最近の政情不安に関連した出来事だと思ったんですが、
そうではなくて(もちろん今の政情不安にも繋がりますが)、
ロシアがソ連と呼ばれていた頃の1970年代末期まで、
話は遡るんですねぇ。
その当時のタリバンによる文化財の破壊散逸を避けようとして、
そのころのアフガニスタン国立博物館の心ある職員たちが、
自らの命を賭してまで、貴重な文化財を秘匿して、
その後の暫定政権樹立を契機に、隠していた貴重な財宝の
存在と世界に明らかにして、この展覧会に至るという事の様です。
いやぁ、その名の知らない心ある博物館職員たち、
よくやってくれましたよ。
残されたのは、非常に見事で、興味深い品々。
アレクサンダー大王にまで遡ると考えられる、
ヘレニズム文化の影響の濃い彫刻類は、
非常に興味深いですね。
かの古代の英雄は、ここまで来たのかと思いました。
あとねぇ、ティリヤ・テペのお墓の副葬品類が何とも凄いです。
一体どこの誰だかはわからないんですが、
金の見事な副葬品から、高貴な身分の人だったんでしょうね。
見事な粒金細工なんかは、エトルリアの影響とかは、
無いんでしょうかね?
あと興味深かったのが、象牙細工の品々。
古代文明の遺物で象牙を見た覚えはあまりないんですが、
今回の展覧会では、少なくない象牙の遺物が展示されていました。
しかもそれがインドの影響ということが、この地の地域性を
思い起こさせました。
今回は、政情不安に乗じてアフガニスタン国外に流出して、
日本で保護されていた文化財が返還されると言う事もある様です。
それらも展示されていました。
なかでも、《カーシャパ兄弟の仏礼拝》と言うものが、
なかなか見事でした。
これは、アフガニスタン国立博物館でも、見どころの一つとされて
いたものだそうで、盗まれて、日本までたどり着いていたようです。
今回の音声ガイドには、鈴木亮平さんが登場。
なかなか良かったです。
名称 | 黄金のアフガニスタン-守りぬかれたシルクロードの秘宝- http://www.gold-afghan.jp/ |
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会期 | 2016年4月12日(火) ~ 2016年6月19日(日) |
会場 | 東京国立博物館 表慶館 |
当日観覧料 | 一般1400円、大学生1000円、高校生600円、中学生以下無料 |
開館時間 | 9:30~17:00 (ただし、会期中の土・日・祝休日、5月2日(月)は18:00まで、金曜日は20:00まで開館) ※何れも入館は閉館の30分前まで |
休館日 | 月曜日 (ただし5月2日(月)は開館) |
巡回展 | 終了 [福岡展]2016年1月1日(金・祝)~2月14日(日) 九州国立博物館 |
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このあと、本館前を通りかかると、
『特別公開「国宝土偶 縄文の女神」』の垂れ幕が!
明日(2016/04/17)までの展示のようでしたので行ってみました。
展示点数は、ほんの数点。
って言うか、その多くは破片になっていたもので、
今回の展覧会のメインになっている「縄文の女神」だけ、
完品でした。
写真を見るとわかりますが、女神というか、
ヴィーナスであるかのような形状ですよねぇ。
見事です。
つい先ごろの2012年9月6日に国宝指定されたそうなのですが、
ここ東京国立博物館の収蔵品ではなく、出土地山形県の
山形県立博物館で保管されているそうです。
だから、“特別公開”なんですね。
中々見ることが出来ないものが見みられて、良かったです。
名称 | 特別公開「国宝土偶 縄文の女神」 |
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会期 | 2016年3月23日(水)~4月17日(日) |
会場 | 東京国立博物館 本館特別4室 |
当日観覧料 | 総合文化展観覧料にて観覧可 |
開館時間 | 9:30~17:00 (ただし、会期中の土・日・祝休日は18:00まで、金曜日は20:00まで開館) ※何れも入館は閉館の30分前まで |
休館日 | 月曜日(ただし、3月28日(月)、4月4日(月)は開館) |