昨年、設備の落下事故があった
こんなことをしていたのか、というくらいずさんな管理で、そこはわたしたちもその下で立ったり座ったりする場所だった
たまたま下に誰もいなくて怪我はなかったけど、破片が飛び散って片付けがたいへんだった
次の日朝礼で副工場長が
「一つ違ったらたいへんなことになっていました」
と言った
それだけだった
『みなさんに怪我がなくてほんとうによかったです』となぜ言わない
そして
「他に危険個所はないか点検しなさい」と、なぜ指示しない
なぜ、自分で点検しない
ここの危険を見落としておいて他が安全だとなぜ言えるんだ
天井にさがっている水銀灯などが落下したりはしないのか
蛍光灯が落ちてきたりはしないか
なぜ点検しないんだ
副工場長は自分に落下事故の連絡が来るのが遅かったと怒っていた
そんなことではなく、こんな危険を放置していたことを怒ったり反省したりするのが先じゃないのか
実はこの工場、地震がおきたら危ないと言われている
建屋が古く天井が落ちてくるらしい
去年の忘年会で副工場長に訊ねた
「地震がおきたら危ないんですよね」
そしたら副工場長は
「いや、地震は大丈夫や」
と言った
わたし、この工場は地震がおきても大丈夫なのかと思った
心配いらないのかと思った
ちがうらしい
単に、地震は怒らないだろうという希望的観測にすぎないということだ
わたしはこんな危険な会社で仕事をしている