現代人は確実にむかしの人間よりも、肉体的な修練度
が劣っているように思われます。
端的に言えば、不器用になっているということです。
その理由（わけ）は、スマホの普及によって、大半の
人間がスワイプ（スライド）とタップ（クリック）しか
手による操作を行わないようになってしまった。
つまり、
スマホをタップする手（スワイプとフリック）jitanda.com
単純な手作業で事足りているように感じるからです。
そのせいで、
思いつくだけでも、３つから４つのモノ（資源や能力）
を失っていると考えられます。
まず、１つ目は、時間です。
ＰＣやスマホを夢中になっていじっていると、ふっと、
気づくと１時間や２時間はざらに経過しています。
これを時間の浪費と言っていいかどうかは内容次第で
あって、たぶんに意見の分かれるところではありますが、
往々にして無駄遣いをしているケースが多いようです。
２つ目は、視力を失います。
ＰＣ、スマホ、タブレット端末などのブルーライトを
長時間にわたって見ていると、眼球への負担は尋常では
なく、視力の衰えは半端ないようです。
３つ目は、考える力が奪われます。
ＰＣやスマホなどの機器は情報を集めて整理するのは
得意ですが、そこには思考するという行為はありません。
情報は単なる材料であって、それ以上でも、以下でも
ないのです。
しかしながら、 
人間にとっての情報は考えるための素材であり、雑多
であればあるほど、その取捨選択に脳力を費やします。
結果として、考える力が養われるわけですが、ＰＣ
やスマホなどは情報を集める作業に時間を使っている
だけで、たとえ長時間にわたり情報を集めたとしても
整理・分析するのは機械の中のＩＣチップ（集積回路）
なのです。
そして、４つ目は、手先が不器用になることです。
なにせ、手首を左右にスライドさせる動きと指先を
上下に移動させるか、プッシュするだけの手作業です
から推して知るべし、否、押して知るべき劣化の現実
を目の当たりにしているわけで、進化の過程における
嘆かわしい退化の実例と言えるのかもしれません。
なんて、言いながら、きょうもこうして、新たなる
ブログを綴っている小生がいるわけですが ・・・
画像元：academist-cf.com
これでも、一応のところは精一杯の頭を使っている
つもりですので、まあ良しとしてください！
ところで、
『旧約聖書』における時代の流れの中の要素として
ノアの大洪水が起こる少し前の世界に、ネフィリムと
呼ばれる英雄たちの出現が相次いでいました。
彼らは、一般に「巨人」と言われていますが、正確
には「超人」と呼ぶべき存在なのです。
彼らは、人間ではないが、人間のような姿かたちを
した「スーパーヒューマン」であって、堕天使たちと
人間との雑婚（交雑）の結果、生まれてきた存在です。
あくまで『聖書』の内容に則ればの話ですが ・・・
ギリシア語の『七十人訳聖書』では、ネフィリムの
ことを「Gigentes（ギゲンテス）」と訳しています。
Gigentesとは、英語の「ジャイアンツ（巨人）」の
語源となった言葉です。
Gigentes は、「タイタン（ティターン）」のことで
ギリシア神話・ローマ神話に登場する神々のことです。
神々の評議会 ラファエロ・サンティ 1517-18年 www.meisterdrucke.jp
ウラヌス（天）の王権を奪ったクロノスを始めとする
オリュンポス十二神に先行する古のティターン十二神に
代表される巨大な体を持った巨人族とされています。
（ギリシャ神話 原初神とティターン十二神）
日本では、しばしばティタン、ティターン、あるいは
英語による発音にもとづいてタイタンと表記されますが、
ダ・ヴィンチの見解では、
神や堕天使とは異星人種のことで彼らと人間との間の
交雑種がネフィリムであり、彼らは超人だったのです。
『七十人訳聖書』がネフィリムをギゲンテスと訳した
ために、超人とは違う巨人という理解が生まれましたが
Gigentes（ギゲンテス）とは、超人のことなのです。
創世記では堕天使と人間との雑婚が否定的に描かれて
いますが、ギリシア神話では神と人間との雑婚が肯定的
に描かれています。
はてさて、決して、
進化による奇跡の産物などではなかったのですが、
Lilith ＜ジョン・コリア＞作
どうした加減か、人類の女性は彼らの容姿からは
想像がつかぬほどに、美しく魅力的に出来上がって
しまったことに気づきます。
出典：bokete.jp
そして、
人間が見た目のうえで彼らと比べ、あまりに器量に
恵まれ過ぎた姿態に生まれついたことが、事件（悲劇）
を引き起こします。
それが、
旧約聖書におけるネフィリム（Nephilim）の記述や
ギリシャ神話での神々と人間の娘たち、特に女狂いの
主神ゼウスの破天荒な女性遍歴として記録されている
わけですが、
旧約聖書では、大洪水（ノアの箱舟）という悲惨な
結果を齎（もたら）せる前段階の物語（理由）として、
否定的にネフィリムの話を挿入させています。
映画 「ノア 約束の舟』bogdanovich.blog.fc2.com
ネフィリムは、旧約聖書の『創世記』や『民数記』、
外典としての『ヨベル書』や『エノク書』などに登場
する種族の名称で、前述のように一般的には「巨人族」
とされていますが、聖書の記述のとおり大昔の名高い
英雄たち（超人）だったのです。
① 地上に人が増え始め、娘たちがうまれると
② 神の子らは人の娘たちが美しいのを見て、
おのおの気に入った者を妻にした。
③ 主は言われた。 「わたしの霊が人の中に
いつまでもとどまるべきではない。人は肉
にすぎないのだから」こうして人の一生は
120年となった。
このようにして、人間の寿命が定められます。
④ 当時もその後も、地上にはネフィリム
がいた。 これは神の子らが人の娘たちの
ところに入って産ませた者であり、大昔の
名高い英雄たちであった。
『創世記 6章 1- 4節』
『メドゥーサの頭を持つペルセウス』 アントニオ・カノーヴァ作
曰（いわ）く、これをしてペルセウスやヘラクレスを
はじめとするギリシャ神話の英雄たちのことを示唆して
いるとダ・ヴィンチは考えたわけですが ・・・
『ペルセウスとアンドロメダ』 ティツィアーノ・ヴェッチェッリオ画
このあと、
地上には「悪」が蔓延（はびこ）り、人間を造った
ことを「神」は悔いて心を痛めます。
「わたしは人を創造したが、これを地上からぬぐい
去ろう。人だけではなく、家畜も這うものも、空の
鳥も、わたしはこれらをつくったことを後悔する」
（創世記６章７節）
こうして、
映画 「ノア 約束の舟」www.iowanazkids.org
『創世記』では、「ノアの物語」が始まるのです。
ところで、
現在、人類は地球という共同体の保護者としての使命
を果たしているのでしょうか！？
英雄であった彼らネフィリムたちも、大洪水によって
滅ぼされてしまったわけですが、
ダ・ヴィンチには腑に落ちないことばかりです！
『アンドロメダを救うペルセウス』 パオロ・ヴェロネーゼ画
見た者を石にする眼力で恐れられる怪物メドゥーサを
倒し、その首を利用して海の怪物からアンドロメダ姫を
救出した英雄ペルセウスの孫娘アルクメネとゼウスの間
に生まれたのがヘラクレスで、彼はギリシャ神話に登場
する英雄たちの中でも最大の存在でしょう。
『アンドロメダを救うペルセウス』 ヨアヒム・ウテワール画
ギリシャ神話を代表する英雄と言えば、ヘラクレスと
メドゥーサの首を切ったペルセウス、そしてクレタ島の
ミノタウロスを殺したテセウスの３人が挙げられます。
この３人の英雄は、それぞれにギリシャの都市国家を
創出した主人公でもあるとされています。
ヘラクレス www.amazon.co.jp
ヘラクレスは、スパルタの王朝の創始者と見なされて
いて、ペルセウスは、ミケーネの創始者とされています。
さらに、
彼にはエジプト出身という話もありますが、スパルタ
の宿敵であるアルゴスの王の息子であったということで
、アルゴス人はペルセウスを自分たちの先祖として称え
ており、ペルシャ戦争の時にはペルシャ側につき、自分
たちの先祖がペルセウスであるという理由を根拠に挙げ
て、ペルシャと血縁関係にあることを主張したのです。
テセウスは、英雄神話ではヘラクレスやペルセウスに
比べて、その知名度は劣りますが、現実的には最も重要
な英雄なのです。
勇者テセウス T@K@ブログ-ココログ
彼の都市はアテネです。彼が登場する前のアテネ社会
は、非常に緩い政治組織が支配していました。
ペルセウスは、周辺地域を回り、より強力な統合権力
が必要だと力説し、その主張をもって説得します。
説得に使用する大義名分は２つありました。
① 法を守ることと、② 戦争で国を防衛することです。
社会が分化して、弱肉強食の時代が始まれば、貧富の
格差が拡大して地域衝突が発生します。
これを力だけで押さえ込むことはできませんし、力が
なければ法も守れません。
地域衝突を調整するには、さらに上位の権力が必要に
なります。
戦争は言うまでもないことですが、強い敵に対抗する
には地域連合が必要であり、そのためには上位の権力が
どうしても必要です。
テセウスの話は国家と権力がどのように作られるかを
明確に示していました。
人々が権力を容認し、支配に服従するのは、単に強圧
と武力のためだけではありません。
秩序の維持と生命と財産の保護ということが、すべて
の人々にとって最も重要で共通する価値だからです。
しかし、
テセウスも他の英雄たちと同じように悲劇的な最期を
迎えることになります。
その理由は誰よりも教訓的で示唆的です。
得た権力とそうした戦争を私的に利用したためです。
プルターク英雄伝の第一編の主人公はテセウスです。
賢者プルタークがテセウスを『英雄伝』の第一編の
主人公に用いた本当の意図は、このような教訓を長く
肝に銘じておかなければならないということを最初に
指摘したかったからではないでしょうか。
言わば、それは「利己心」の発露です。
次回では、そんな「利己心」などについての
それも「神の利己心」に関する考察が可能で
あれば、是非にも挑戦してみたいと思っています。
ところで、
『ペルセウスとアンドロメダ』 ミニャール 1679年
「王様と、うしろにいるオッサンが、メドゥーサ
の首をガン見してるようだけど大丈夫かいな」
「石のかたまりが、２つ出来あがっても
とっても重くて厄介で迷惑なのよね」
「面倒くさ（メドゥーサ）ってか !!」
さて、それでは、ここで問題です。
ペルセウスがメドゥーサと対決した時に使ったのが
磨いた盾を鏡にした作戦であり、
ペルセウスが鏡のようになった盾を上手く活用して
メドゥーサの首を切って倒したとありますが、
メドゥーサの頭部 ルーベンス画
１）鏡をメドゥーサに見せて、メドゥーサ自身を石化
させ、首を切った 。
２）直接見ないように鏡越しにメドゥーサを見ながら、
近づいて首を切った。
という２つの説の、どちらが正しいのでしょうか？
それでは、答え合わせです！
１）の説はありえません。
なんとなれば、
怪物メドゥーサが、石になってしまうとペルセウスは
アンドロメダを助ける手段を失い、海の怪物を退治する
ことができないからです。
石化していない生首だからこそ意味があったわけで、
単純に考えても、２）の一択しかないのです。
さらに言えば、
『ハルパー』（刀身が鎌状大きく湾曲している武器）
『ヘルメスのサンダル』（一度で百里飛ぶサンダル）
『ハデスの兜』（相手には見えないすがた隠しの兜）
などを身につけてメドゥーサと戦ったので、１）の
ような方法（アイデア）は端から想定できません。
しかし、なんじゃのう！
一度、メドゥーサをじっくり見つめてみたいが、
メドゥーサ（美しい女性が怪物になった）www.kiwabi.com
だが、わしゃあ、
いやいや、心配、ご無用。
アンタは、すでに、
ペテロ（岩）なんですから
ギター侍、波田陽区 shigewp.com
ギター侍、波田陽区 geinounow.com
う～ん、残念 ペテロ斬り !!
あーァ、ペテロが岩だってことが、
バレてやんの！ う～む (^▽^;)(^^ゞ
（そうだったのか !!）
ダ・ヴィンチによる推理はまだまだ続きます。
