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透明人間たちのひとりごと

ダ・ヴィンチの罠 聖餐式

 いくら祭司長たちサンヘドリン側からの扇動があった
とはいえ、このことは、ダ・ヴィンチにとって解せない
疑問として今もって脳内で燻り続けているのですが、

  サンヘドリン(長老会)biblestory.jugem.jp

 このこととは、

ロバ、イエス様
CC 2.0 Waiting For The Word Palm Sunday 16 Artist: Bernard Plockhorst 
    画像元:www.suomikyoukai.org

 〝過越し祭り〟にあわせて、エルサレムに入城した
イエス一行に対する民衆からの盛大なる歓迎の嵐から
1週間も経たない同じ週の金曜日になると、ユダヤの
群衆たちは一転して「十字架につけろ」と叫んでいた
ことを指して言っているのです。

 そして、


   十字架につけろと叫ぶユダヤの群衆 ムンカーチ・ミハーイ画 (この人を見よ) 

 イエスは少なくとも、表向きの理由としてはローマに
反逆した廉(かど)で十字架に架けられるのですが 、


      出典:blog.goo.ne.jp

  「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」

   (わが神、わが神、なぜわたしを
        お見捨てになったのですか)


      出典:blog.goo.ne.jp

 (父よ、彼らをお赦しください。 彼らは、
   何をしているのか自分でわからないのです)

   
      出典:seishonyumon.com

 この十字架上での死こそが「イエス・キリスト計画」に
おける受難劇の最大のクライマックスでした。


         磔刑(十字架刑)objapan.org

 その前の晩にイエスは、弟子たちと「最後の晩餐」を
囲み、そこでイエスは聖餐式を制定していたとペテン師
であるパウロは説明します。


         聖餐式のご案内 rinkan-barnabas.com

 「聖餐」とは、イエス・キリストの最後の晩餐および、
後にその再現として執行してきた典礼的会食をいいます。

 「聖餐」は、主に西方の教派で使用される訳語ですが、
カトリック教会では「聖体祭儀」や「聖体の秘跡」など
と呼ばれています。  Wikipedia

 『新約聖書』には、イエスが引き渡される前に、弟子
たちと最後の食事を共にし、自分の記念としてこの食事
を行うよう命じたことが記されていますが、 

 『共観福音書』によれば、

 イエスはパンを取り、「これがわたしのからだである」
と言い、杯をとり「これがわたしの血である」と言って
弟子たちに分け与えます。

 たとえば、

 『ルカの福音書』では、このように書かれています。 

 
           
「新しい契約」 www.bibleinfo.com

  「またパンを取り、感謝してこれをさき、弟子たちに
 与えて言われた、『これは、あなたがたのために与える
 わたしのからだである。 わたしを記念するため、この
 
ように行いなさい』食事ののち、杯も同じ様にして言わ
 れた、『このあなたがたのために流すわたしの血
 で立てられる新しい契約である』」  

      (ルカの福音書22章19‐20節)

 そして、同じ内容がパウロによって引用されます。

 食事の後、杯も同じようにして言われた、「この杯は
わたしの血による新しい契約です。 これを飲むたびに
わたしの記念として、これを行いなさい」

  (コリントの信徒への手紙「1」11章25節)

 また、

 『マタイの福音書』では、こう書かれています。

 「これは、罪のゆるしを得させるようにと、多くの人
のために流すわたしの契約の血である。」

      (マタイの福音書26章28節) 

 さらに、

 「これは、多くの人のために流されるわたしの契約の
血である 」   (マルコの福音書14章24節)


         聖餐式の制定 (過ぎ越しの食事)tomoshibi.or.jp

 これをもって、

 イエスが十字架上で死んだ時に、「古い契約」が終了
して、「新しい契約」が発効したというわけです。

 「新しい契約」は、イエス・キリストをとおしてのみ、
わたしたちが直接神に行くことが出来るという意味です。

 さらに、

 ただ「新しい契約」を通じてのみ、罪のゆるしがある 
として、

 「永遠の聖霊によって、ご自身を傷なき者として神に
ささげられたキリストの血は、なおさら、わたしたちの
良心を清めて死んだわざを取り除き、生ける神に仕える
者としないであろうか。それだから、キリストは新しい
契約の仲保者なのである。それは彼が初めの契約のもと
で犯した罪過をあがなうために死なれた結果、召された
者たちが、約束された永遠の国を受け継ぐためにほかな
らない」  (へブル人への手紙 9章14-15節)

 と、言った具合に「新しい契約」に更新されたことを
しつこいくらいに『新約聖書』に記しているのです。

 しかし、 

 これらはすべて、後付けのいつわり(欺瞞)や、卑劣
な誤魔化し、あるいは、まやかし(創作)の類であって、
真の救世主(メシア)はイエスではなく、洗礼者ヨハネ
なのだとダ・ヴィンチは思っていたのでした。

 「新しい契約」とは、替え玉による「取替え契約」で
あって、仮の入替工事をしたにすぎないのです。

 本来なら、そこで真の救世主が到来して、世界が浄化
されるはずだったのですが ・・・ 

 さて、

        

 ダ・ヴィンチが仕組んだ大いなる「罠」には、

  1⃣ 人類はによって、創造されたのでは
   なく、異星種との交配により、作られたこと。 

  2⃣ 預言されていた救世主(メシア)はイエスでは
   なく、洗礼者ヨハネであったこと。

  3⃣ キリスト教(ローマ・カトリック教会)が世界
   を腐敗させる元凶であるとの告発をすること。

  など、全部で3つ の目的が隠されていました。

 そして、 

 いまさらながらに思うことは、すべての元凶は目的の
3つ目を誘発させたペテン師パウロの発案による洗礼者
ヨハネ・キリストとイエスの入れ替え事件にあって、

 つまるところ、その発端は、


       『洗礼者ヨハネの斬首』 カラヴァッジョ(1608年)

 洗礼者ヨハネ・キリストの「斬首」にあったのです。

 この〝斬首事件〟とその後の「イエス・キリスト計画」
の実行と達成こそが『ダ・ヴィンチの罠』を紐解く重要
なポイントになっているのです。

 そして、すでに、

 『コリント人への手紙1』(11:23-26)に述べられて
いるように、初期キリスト教団からこの儀式(聖餐式)が
教団内で行われていたことが分かります。

 キリスト教徒はこの儀式を行うことで、そこにイエス
が現存するという信仰を保持してきたわけですが、宗派
によって細かいやり方や考え方は異なっているようです。

 伝統的カトリックと正教会のキリスト教徒たちは聖餐
サクラメント秘跡として行ってきましたが、

 宗教改革以降のプロテスタント教会は、あえてこれを
秘跡とは呼ばずに、礼典という呼称を用いています。

 これは、

 「神の救済は人間の行いによるのではなく、信仰のみ
による」という考え方から、聖餐の執行そのものを救い
の要件とは考えないためですが、聖餐に何らかの意味を
持たせるか、単に象徴的な儀式と考えるかは、各教派に
よって異なります。

 多くの場合は、聖餐において神の恵みが人間に伝えら
れるのではなく、共同体の信仰を示すための儀式である
としているようです。

 ちなみに、


       「イエス・キリスト計画」shiogamagrace.com

 キリスト教プロテスタントでは、臨終にあたって牧師
が立ち合い、パンと葡萄酒を与えて、その後聖書を朗読
する事で、危篤患者が無事に天国へ召されるようにして
いるとか、これもキリストの「最後の晩餐」にならって
おこなわれる儀式のようです。 

 これらの行為が、

 いわゆる「最後の晩餐」の胆(きも)に相当するわけ
ですが、ダ・ヴィンチはその場面を壁画に描き、そこに
大いなる謎の仕掛けをあれこれと施していたのです。  

 しかしながら、

 それらを1つ1つ取り出して解説するのは骨が折れる 
作業以上に時間と紙面の工面に苦痛を強いられますので、
時間のある時にでも、

  url『ダ・ヴィンチの罠 姦通罪』
  url『ダ・ヴィンチの罠 不文律(改)』
  url『ダ・ヴィンチの罠 裁判劇』
  url『ダ・ヴィンチの罠 鍵の穴』
  url『ダ・ヴィンチの罠 流れ弾』 

    などを参照してみてください。


      出典:windychaple.com 

   ・・・ っておいおいおい、 


           獄中のヨハネと弟子たち wol.jw.org

 それでは、『ダ・ヴィンチの罠』の推理を続けること 
にしましょう。      

 共同体(きょうどうたい)とは、同じ地域に居住して
利害を共にし、政治・経済・風俗などにおいて深く結び
ついている人々の集まり(社会)のことをいいます。

 しかし、そうした「地域共同体」のほかにも、組織の 
名称の一部として用いられることがあります。 

 たとえば、EC(欧州共同体)などが、それらに相当
するのですが、

 日本的に言えば、

 家族や村落など、血縁や地縁に基づいて自然的に発生
した閉鎖的な社会関係、または社会集団を指します。

 こうした共同体の中に、洗礼者ヨハネとイエスが寝食
を共にしたユダヤ教の一派であるエッセネ派に所属する
クムラン宗団があったのでした。

 ところで、

 イエスの伝承には「謎」として残る大きな空白期間が
2つあります。

 まずは、預言されていたメシア(救世主)が誕生した
として、イエスが生まれた当時のユダヤ王、ヘロデ大王
から命を狙われますが、その難を逃れるため養父ヨセフ
と聖母マリアとともにエジプトに逃避していたとされて
いる 0~12歳ぐらいまでの消息はまったくの不明で、


   『エジプトへの逃避行』カルロ・マラッタ

 これが第1の「謎」の空白期間です。

 12歳の頃に、イスラエル(ユダヤ)に戻ったイエスは
、神殿でユダヤ教のラビ(律法学者)たちを相手に議論
を戦わせ、一歩も引くことなく老成したラビたちと堂々
と渡り合っていたそうですが、

  
            画像元:blog.goo.ne.jp

 彼らが舌を巻くほどの知識をすでに得ていたイエスは
何故か、その後 ぷっつりと姿を消してしまいます。

 
          画像元:blog.goo.ne.jp

 これが第2の「謎」の空白期間です。

 そして、

 再び人々の前に現れるのが30歳になった頃で、それが
洗礼者ヨハネから洗礼を受ける有名なシーンであり、

     
   イエスの洗礼 出典:blogs.yahoo.co.jp

 かくして、


   『キリストの洗礼』 ヴェロッキオ工房作

 イエスの公生涯が、いよいよもって始まるというわけ
なのですが ・・・

 イエスが、洗礼者ヨハネから洗礼を授かるという行為
そのものが『ヨハネ・キリスト説』の裏付けとなる根拠
のひとつになりえるものと、ダ・ヴィンチは考えていた
ようなのです。

 また、

 クムラン宗団には以下のような決まり事があるのです
が、「謎」の2つの空白期間を埋めるのに絶妙の規則と
なっています。

    12歳までは宗団の規則に従い暮らす。
    21歳までは見習いとして修業を積み、
    入会資格を得たのちに試験を受けて
    30歳までに一人前の宗団員になる。

 つまり、


 『幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ』(貝殻の子供たち)ムリーニョ画

 洗礼者ヨハネやイエスは、すでに幼少期よりクムラン 
宗団に所属していて、


     『幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ』(貝殻の子供たち)部分

 12歳まで宗団の規律に則った生活をし、21歳まで修業
を積み重ねた兄のヨハネが、飛び級で一足先に独立して、
荒野で教えを広め始めた後に、遅れて30歳を前に一人前
となった弟のイエスが兄弟とは知らないまま、兄である
ヨハネから洗礼をさずかったというのが、


 イエスと洗礼者ヨハネ(ヴォイチェフ・ゲルソン画)
     出典:www.diwanmsr.com

 真実に近い出来事であったのだろうと ・・・


 『幼児キリストと洗礼者ヨハネ』(貝殻の子供たち)ムリーニョ画

   『幼児キリストと洗礼者ヨハネ』(貝殻の子供たち)部分 ムリーニョ画

 そんなふうに、ダ・ヴィンチは、独自の推理を展開
させていたわけです。

 こうして、

 甘い蜜に誘われるひとひらの胡蝶(🦋)が、迂闊にも
目に見えない蜘蛛の糸に捕まるように、ペテン師パウロ
の思い描く、謀略の罠(シナリオ)に掛かったイエスは


      出典:blog.goo.ne.jp

  「エリ、エリ、レマ、サバクタニ」

   (わが神、わが神、なぜわたしを
        お見捨てになったのですか)

 洗礼者ヨハネを裏切って、贖(あがな)いの十字架に
かかるという大芝居の主役を演じてしまうのです。

 それにしても、


     「私は渇く」 blog.goo.ne.jp

 西暦30年頃の事とされるゴルゴダの丘での野外劇は
見事なるパフォーマンスでした。

     
      「私は渇く」 jcfa.exblog.jp

 イエスが十字架にかかった時点においては、彼こそが
ユダヤ教における「異端」であり、改心なき「汚れ役」を
演じていたわけですが ・・・


      「完了した」 blog.goo.ne.jp

 つまり、イエスの時代に、正当派のユダヤ教とされた
サンヘドリン(ユダヤ法の最高法院および長老会の名士)
や律法学者たちから見て、「神の国」を説くイエスこそ
は「異端」の際たる者であったわけです。


   サンヘドリン(長老会)biblestory.jugem.jp

  イエスはユダヤ教の世界の住人で、ユダヤ人たちを
対象に宣教活動をしていましたので、彼には異教徒伝道
とか、共同体を組織化して、独自の教会組織(教団)を
作り、その教えを世界的な規模にまで発展させ、それを
未来の社会に向けて、広範に伝道していくという発想は
持ち合わせていませんでした。

 あくまでも、ユダヤ教の改革者にして、サンヘドリン
に対し、「異端」であったというだけだったのですが、

 そして、

 その人気とムーブメントに目を付けて、一旗揚げよう
と目論んだのが、ユダであり、そのユダの権勢欲を併せ
呑んで有効的に活用したのがペテン師のパウロでした。

 結局のところ、傀儡のメシアにすぎなかったイエスは、

     
  「ナザレのイエス」 www.amazon.co.jp

 ペテン師パウロの描く、巧妙なる奸計(罠)に嵌まり、
その最大の「汚れ役」=「裏切り者」をNO.2のユダに
引き受けさせるという大芝居を打ったわけなのです。

  
    『パッション』(2004年)w.atwiki.jp 

 この辺りについては、

  url『ダ・ヴィンチの罠 眉唾物(改)』
  url『ダ・ヴィンチの罠 濡れ衣(改)』

 などを参考にしてみてください。

 ここまで、『ダ・ヴィンチの罠』に対する動機づけや
モチベーションに関する事柄について話をしてきました
が、いずれも断片的なものにすぎません。

 畢竟するに、

 「罠」の全体像や全貌を理解するには、このシリーズ
のすべてを網羅するしかありません。

 さて、かなり前の話になりますが、 

  url『ダ・ヴィンチの罠 流れ弾』の記事において、

 ヘロデが、異母兄弟の「妻」を奪い取るという構図は
、「二人のメシア計画」から、イエス単独の贖いによる
「イエス・キリスト計画」に変更したことと同じ裏切り
行為であり、その縮図が『福音書』のなかで暴露される
かたちで展開されていると書きました。


        ヘロデ大王の家系図 zushikyokai.holy.jp

 「真実の秘匿」には表裏性があり、異母兄弟としての
フィリポとヘロデは洗礼者ヨハネとイエスの予型として
表現されているとダ・ヴィンチは推理したわけです。

         
     (ホンマかいな!?)            

 こうしたケース(予型)は、ままあって、


  ザカリヤとエリサベツとヨハネ
  出典:39bible.blog.fc2.com

 アブラハムとサラ、『士師記』でのサムソンの両親や
ザカリヤとエリサベツなど枚挙にいとまがありません。

 「予型」とは異なりますが、次回では 三度(みたび)の
「絵画展」を展示会という名目で催す予定でいます。


       (ん !!

 どうやら、この男はまったく何も、

    考えてはいませんな

 ま、まさか、お前さん!  

       ひょっとして、
 
 「聖母マリアの予型じゃあるまいな!」
 ええ  
  
  「きゃ、それじゃ、わたし妊娠するのね!」
 
      そ、そっち なの?
  
    ・・・ って、おいおい、
   
  (なんじゃそれ!)   (タネ違いかいな?)

           画像元:domani.shogakukan.co.jp
         なんでやねん!

       
       マジかょ!          う~む  (^▽^;)(^^ゞ 

      symbol2 ダ・ヴィンチの推理は続きます。

    
         なんだかなぁ!  

           
           夢夢む  (^▽^;)(^^ゞ           

   … to be continued !!                


        古代ユダヤ教における燔祭(動物の犠牲)の儀式

             画像元:christianpure.com 
       
           イエスの奇跡(水上歩行)exblog.jp

            画像元:christianpure.com 

 

コメント一覧

小吉
 読んでいて思ったのは「ペテロ」さんの「目的」というか「野望」というか望みはいったいなんだったのだろうというところでした。
 イエスさんの想いもちょっとよく分からない。

 イエスさん自身も自らが犠牲となることで古い契約を無くし「新しい契約」を神と結ぶことができ、その後はその「新約」を結ぶもの「のみ」が救われる、ということでしょうか。

 ユダヤ教の人たちからするとどう思うのだろうか。

 みたいなことを考える。
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