このページの画像は、故あって表示されませんが、
連続性を担保する意味合いからも、そのままで公開し、
別途、新しく作り直すことにしました。
同じ内容ですが、画像はその限りではありません。
新たなページは、
(以下、本文)
山中から貝殻が見つかった時、はは~ん、
やっぱりそうだったんだ
当時の人々はそう思って納得したのです。
『旧約聖書』(創世記)の記述通りに
「ノアの大洪水」が起こり、海の貝殻
が山の上まで運ばれたと考えたわけです。
出典:blog.goo.ne.jp
でも、ダ・ヴィンチは違いました
大洪水があったのは事実だとしても
貝殻が見つかった場所は、昔は海であり、
地殻の変動で大地が隆起したことで貝殻が
山に存在するに至ったと推理したのです。
ところで、
きょうのテーマである洗礼者ヨハネの
「斬首刑」に纏(まつ)わる顛末にも、
同じようなことが言えると思うのですが、
『マタイの福音書』を見てみましょう。
「そのころ、領主ヘロデはイエスのうわさを
聞いて家来に言った、『あれはバプテスマ
のヨハネだ。 死人の中からよみがえった
のだ。それで、あのような力が彼のうちに
働いているのだ』」
(マタイの福音書14:1-2)
「というのは、ヘロデは先に、自分の兄弟
ピリポの妻ヘロデヤのことでヨハネを捕ら
えて縛り、獄に入れていた。 すなわち、
ヨハネはヘロデに、『その女をめとるのは、
よろしくない』といったからである」
(マタイの福音書14:3-4)
ジョヴァンニ・ファットーリ画
「そこでヘロデは ヨハネを殺そうと思った
が群衆を恐れた。彼らがヨハネを預言者
と認めていたからである」
(マタイの福音書14:5)
「さてヘロデの誕生日の祝に、ヘロデヤ
の娘が その席上で舞をまい、ヘロデを
喜ばせたので、彼女の願うものは 何で
も与えようと、彼は誓って約束までした」
(マタイの福音書14:6-7)
『サロメ』フランツ・フォン・シュトゥック(1906年)
「すると彼女は、母にそそのかされて、
『バプテスマのヨハネの首を盆に載せ
て、ここに持って来ていただきとうござ
います』と言った」
(マタイの福音書14:8)
「王は困ったが、いったん、誓ったのと、
また列座の人たちの手前、それを与え
るように命じ、人をつかわして、
『洗礼者ヨハネの斬首』カラヴァッジョ(1608年)
獄中でヨハネの首を切らせた」
(マタイの福音書14:9-10)
「その首は盆に載せて運ばれ、少女に
わたされ、少女はそれを母のところに
持って行った」
(マタイの福音書14:11)
「それから、ヨハネの弟子たちがきて、
死体を引き取って葬った。 そして、
イエスのところに行って報告した」
(マタイの福音書14:12)
いやはや、実に、
サラッと書かれていますが、こんなに
あっさりしていていいのでしょうか
先に、
『ダ・ヴィンチの罠 濡れ衣』
において、イエスの処刑についての概要
を述べましたが、
その流れを、もう少し詳しく説明すると、
『ゲッセマネの祈り』ハインリヒ・ホフマン
ゲッセマネの園での祈りの後に、ユダに
先導された大祭司の僕(祭司長や長老、
神殿の番兵やローマ兵)たちに捕縛された
『ユダの接吻』ポール・ギュスターヴ・ドレ
イエスは、エルサレムの南西部にある
大祭司の官邸に連行されます。
そこに
待っていたのは大祭司カイアファの
舅であるアンナス(元大祭司)でした。
出典:biblestory.jugem.jp
まず、
ここで正式な裁判の前に、アンナスに
よる予備審問が行われました。
Wikipedia によれば、
アンナスによる予備審問
アンナスは、大祭司官邸内でイエス
の弟子の集団の規模について質問したが
イエスは答えず、続く二番目の質問にも
答えないイエスの態度に怒った役人が、
「大祭司にそんな答え方をするのか」
と言ってイエスを平手で打った。
これに対してイエスは厳しく抗議をした
とあります。
アンナスによる
この予備審問の間にサンヘドリン
(最高法院、最高議会、長老会とも訳す)
が召集されて、律法学者、長老、祭司長
等が集まり、大祭司カイアファを議長
に、サンヘドリンが開かれましたが、
これは、
事実上カイアファによる裁判でした。
以下、箇条書き的に説明すると、
カイアファによる裁判
カイアファの前に立つキリスト Mattias Stom画
彼らはイエスが「神」を冒涜した
容疑を立証しようとして証拠を求めた。
イエスが神殿を壊して 三日のうちに
建て直すということを二人が証言したが、
この件についての証言は一致をせずに、
有罪は立証できなかった。
その時、大祭司カイアファが不利な証言
に対してイエスに反証を求めたが、イエス
は黙秘した。
そこで、カイアファはイエスに対し
、「神の子キリスト」であるかどうか
という質問をした。
イエスはそれに対して、自らが権威
をもって人間を裁くために天から地上に
戻ってくる「神」であることを意味する
答えをした。
それを聞いたカイアファは、自分の
衣を引き裂いて、イエスが「神」を
冒涜したことを宣言した。
サンヘドリンの尋問 www65.atwiki.jp
そして、それをサンヘドリンの議員
の全員が聞いていたので、冒涜を立証
する証人の必要性はなく、すぐに判決
を下すように求めた。
議員は一致して、死刑に相当する
と答えた。
その後、神殿警察がイエスの権威
を失墜させるために、彼を取り囲んで、
唾(つばき)をかけたり、拳(こぶし)で
殴りつけたりしてイエスを凌辱した。
サンヘドリンの最終決定
すでに、サンヘドリンは夜明け前に
イエスの死刑を決定していたが、死刑
の決定は昼間にしか下せなかったので、
夜が明けてから 死刑を確認して再協議
を始めた。
それと言うのもユダヤ人には死刑を
決定し、執行する権限がなかったからで
議員は、ローマのパレスチナ行政官の
総督ポンティオ・ピラトからイエス
の死刑判決を引き出す方法を協議して、
危険人物であることを印象付けるため
再度、イエスを捕縛したうえで、身柄を
ピラトに引き渡した。
ポンティオ・ピラトの裁判
イエスは、ピラトの眼前に立ったが、
ユダヤ人たちは異邦人の家に入って
穢(けが)れることを避けるために、官邸
には入らなかった。
ピラトの尋問 windychapel.com
ピラトは、自らユダヤ人たちのもと
に来てイエスの告発の理由を尋ねた。
ピラトは、ユダヤの律法によって
裁くことを勧めたが、ユダヤ人たちは
イエスが反逆者で死刑に相当する罪
を犯していることを訴えた。
ピラトはイエスにユダヤ人の王
であるかと尋ね、イエスは「そのとおり
である」と答えた。
その後、ピラトは官邸で、イエスに
ユダヤ人がイエスを告発した理由
を尋ねた。
『ピラトの尋問』 www.jizai.org
イエスは自らが真理を証しするため
にこの世に来た王であることを告げた。
ヘロデ・アンティパスの質問
官邸でイエスを尋問した総督ピラト
には、イエスを死刑にするような罪は
見い出せなかった。 しかし、祭司長や
群衆は納得しなかった。
そこでイエスがガリラヤから来たこと
を知ると、ガリラヤの国王(領主)である
ヘロデ・アンティパスが過越祭の
祝いでエルサレムに滞在中なのをいい
ことに ピラトは ガリラヤの領民である
イエスを、ガリラヤ領主のヘロデに
裁いてもらうおうと考え イエスを彼の
もとへと送った。
ヘロデは、以前からイエスに会い
たいと思っていたので大変に喜んだ。
ヘロデ・アンティパスとイエス(アルブレヒト・デューラー)
ヘロデはイエスを質問攻めにした
が、何も答えなかった。そこでヘロデ
は、イエスを嘲弄して、派手な着物を
着せて総督ピラトに送り返した。
十字架(磔刑)の判決
再び、総督官邸に戻って来たイエス
をピラトは釈放しようと考えていた。
ピラトの妻もイエスについて悪夢を
見たので釈放するようお願いしていた。
そこで、
過越祭の恩赦によってイエスを釈放
すればよいと考えたピラトは 群衆の前
でイエスか 殺人犯のバラバのどちら
を釈放したらよいかと聞いた。
バラバか、イエスか www65.atwiki.jp
ピラトの予想に反し、群衆はバラバ
を釈放するように叫んだ。
イエスの代わりに恩赦を受けたバラバ Wikipediaより
それでも、
『この人を見よ』 グエルチーノ(1647年)
ピラトは、懲らしめて釈放すると告げ、
イエスに鞭を打った後、茨(いばら)の
冠を被らせ、手に葦の棒を持たせ、緋色
の衣を着せ、イエスの前にひざまずき、
『この人を見よ』ヤコポ・バッサーノ画(1553年)
「ユダヤ人の王様万歳」
『この人を見よ』 ルーベンス
『この人を見よ』 グイド・レーニ
と叫んでからかった。
群衆は挙(こぞ)ってイエスを十字架
につけろと叫び続けた。
十字架につけろと叫ぶ群衆 www.jizai.org
暴動になりそうなので、ピラトは外に
イエスを引き出して、
皆の見ているところで水で手を洗い、
『イエスの裁判』 plaza rakuten.co.jp
「この人の血については、
私には責任がない」
と宣言しバラバを釈放してイエスを
十字架につけるように兵士に引き渡した。
ローマ兵に引き渡されるイエス www65.atwiki.jp
以上、
Wikipedia を基本に構成してみました。
ところで、
新共同訳やフランシスコ会訳聖書では、
バラバの名は、「バラバ・イエス」
(マタイの福音書27:16-17)とされていて、
イエス・キリストとは、同じイエスと
いう名前だったことになります。
「バラバ」とは「アッバスの子」を
意味しますが、アラム語で発音すると
バラバ・イエスは「アバ・イエス」
となって「御父(アバ)の御子(イエス)」と
非常によく似た音になります。
同じ「イエス」という名をもった二人が
恩赦の対象であるのならば、ピラトは、
バラバか、イエスか www65.atwiki.jp
「どちらのイエスの釈放を望むのか」
とユダヤ人の群衆に呼びかけてから、
「アッバスの子であるイエスなのか
それとも自称メシアのイエスなのか」
と問うべきだったと思われてなりません。
つまり、ここにも『福音書』、一流の
まやかしがあるとも読めるわけです。
しかも、バラバの罪は『福音書』に
よって異なっていて、
マタイは罪には触れず、マルコは
暴動時の殺人、ルカも殺人、ヨハネ
では強盗となっています。
Wikipedia では、おそらくローマへの
武力抵抗を訴えた熱心党の一員だった
のではないかと考えられるとしています。
ついでに言えば、
ルカではイエスはダビデの再来
としての出現が告知され、マタイでは
ダビデの再来ではなく「罪」から人々
を救う者とされています。
こうした、『福音書』の記述における
「メシア」としてのイエスの使命が
まったく 別の違ったものになっている点
やイエスの血統についても食い違い
が生じていて、その整合性や信憑性
には大きな疑問が残るわけです
そもそも、イエスが「神」の子で
あれば 血統も家系も関係ないわけ
で、そこにあるのは『旧約聖書』の
預言の成就のための辻褄合わせと
そのための収斂しか考えられません。
さらに、
『福音書』では、イエスの逮捕は
サンヘドリン(最高法院)による陰謀
であり、サンヘドリンのメンバーが
ユダを買収してイエスを捕縛したが、
出典:www.lets-bible.com
イエスになんらの罪をも見つけ出せ
なかったために、偽りの証人を立てて、
「神」への冒涜の咎で死刑を宣告し、
ローマ総督ポンティオ・ピラトの手
に引き渡したとしていますが、
『ピラトの尋問』 Wikipedia
これもどうなのでしょう
今風に考えれば、イエスはカルト教団
の教祖や極左グループを率いるリーダー
であって、彼らの行動はユダヤ教の公安
警察である祭司長たちの監視の下にあり
、不穏な動きがあれば官憲として、これを
取り締まるのは普通のことなのです。
例えとして、不適切かもしれませんが、
かつての「オウム真理教」の如き
怪しげな集団組織ですから、そのリーダー
であるイエスの動向には、常に監視の
目を光らせているのがあたりまえで、
わざわざ、ユダを買収して居場所を
教えさせたり、面が割れているイエス
に接吻までして人物を特定するなどは
眉唾も甚だしいものであると、
『ユダの接吻』ポール・ギュスターヴ・ドレ
ダ・ヴィンチはそう思っていたでしょう。
ですから、アンナスが保安を意識し、
予備審問で弟子の集団規模を尋ねたのは、
当然の質問だったわけです。
それに返答しなかったイエスもまた
常套というか、当然の黙秘なわけです。
裏切り者として糾弾され続けるユダも
可哀想ですがイエスを十字架にかけた
総督ポンティオ・ピラトも哀れです。
ポンティオ・ピラト plaza.rakuten.co.jp
彼もまた今日までクリスチャンたちから
罵倒され続けているのですから、
その哀れなピラトですが、正直 彼は
イエスには興味はありませんでした。
ですから、
ピラトはピラトで、その処理に困り、
折しも、エルサレムに来ていたガリラヤ
領主ヘロデ・アンティパスに下駄
を預ける始末となったったわけですが、
ヘロデ・アンティパスの質問 livedoor.blogimg.jp
ヘロデ・アンティパスも 質問に
全く答えようとしないイエスに興味が
失せて、派手な衣装を纏(まと)わせて
ピラトに送り返します。
いずれにせよ、イエスを裁くにあたり、
からまでの段階を踏んで、いかに
罪がないかを印象付けているわけです。
それに引き換えても、
洗礼者ヨハネの処刑は、何とも
あっさりとしたものでした。
若かりし頃にダ・ヴィンチ自身が投獄
されていた経験から、獄中で弟子たち
と自由に面会することができるとか、
ましてや、使者として弟子をイエスの
もとに遣わすことなど、囚人の身分では
出来ようはずもありません。
この不可解さは、いったい何だ
むむ、
「なにやらキナ臭いニオイが・・・」
それを言うなら、ユダのような
「胡散臭い」ニオイじゃろう
「えっ !!」
アッ、いや、小便臭いニオイじゃなくて、
「カビ臭いんじゃな」
「この『聖書』 !!」
□
・・・ って、おいおい、
□
イエスの洗礼 出典:blogs.yahoo.co.jp
… to be continue !!
この秘密はムズイよ
□
(ホンマかいな)
『ピラトの尋問』 www2.plala.or.jp
『アダムの創造』 ミケランジェロ
「え~、やだぁ、わたし妊娠するの」
『洗礼者聖ヨハネ』 1513-1516年
□
むむむむむ ・・・