ダ・ヴィンチの罠 確信犯

　ある意味では、自らの信念に基づいて行動する性分
ゆえに レオナルド・ディ・セル・ピエーロ・ダ・ヴィンチは

　思想犯にも、政治犯にも、テロリストにも、
なり得る危険人物であったと思われます。


　潜在的危険因子と危うく疼く衝動的なモチベーション
が病癖のように彼を苦しめていたとも言えますが、

　それは常に観察と実験に重点を置き、科学的な思考
で実践する ― よく言えば彼のキャッチコピー
となりつつある「経験の弟子」そのものであり、

　悪く言えば何にでも首を突っ込みたがる万能の天才
にして自惚れ屋の完璧主義者で、異常とも言える強い
こだわりを持つ半面で、超がつくほど飽きっぽくムラ気
の多い性格であったようにも感じられます。

　(それほど悪くは言ってないかもね ・・・ ）


　動機を制御できないでいた半面で、正確無比に
「罠」を仕込む周到さは、やはり尋常ではなく
確信犯であったと思われてなりませんが ・・・

　何が、あるいは何を、「確信」していたかというと、

　ひとつにはキリスト教(主にローマ・カトリック)の
欺瞞(パウロ教からマリア教に至るまでの虚構性)に
対する告発者としての使命と他方では若き日に
幻視した「人類誕生の秘密」を幻影的
な啓示であると理解したことですが、

　多分にそこには病癖としての多重人格的な要素と
パラノイア的な矛盾があるわけです。

　 キリスト教の欺瞞性については、

　『ダ・ヴィンチの罠 神と神』などを
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/412.html

　 ダ・ヴィンチが見た幻については、

　『ダ・ヴィンチの罠 非常識』または
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/466.html

　『ダ・ヴィンチの罠 訪問者』および
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/457.html

　『ダ・ヴィンチの罠 新天地』などを
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/458.html

　参考にしてみてください。


　ダ・ヴィンチが残した手稿にはキリスト教に言及する
ものはほとんどなく教会とも揉め事を起こしているくせ
に、教会からの仕事を受け続けていたし、デビュー作
である『受胎告知』をはじめ、名の知れた作品の
ほとんどは新約聖書(主に福音書)をモチーフ
にした宗教画（キリスト教絵画）です。

　完成作品はわずかに十数点しか確認されておらず、
そのなかで肖像画の類とオリジナルが意図的
に破棄されたと考えられている『レダと白鳥』
や『アンギアーリの戦い』の壁画を除けば、
他はキリスト教に関する作品ばかりなわけで、

　教会専属のお抱え画家でもないのに宗教画ばかり
を何故にそんなにと首を傾げたくなるわけですが、

　彼のこだわりが新約聖書（福音書）に記された
イエスの出生の秘密とマリアの正体に
あったことはほぼ間違いないでしょう。

　ダ・ヴィンチが思い描いていた聖母像については、

　 『ダ・ヴィンチの罠 聖母像』を
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/415.html

　まずは参照してみてください。

　肯定的か、否定的か、についてはいまさら言うまで
もないことですが、作品の表層（表面上の描写）を
見るかぎりにおいては否定的要素を見つけることは
簡単なことではありません。

　仮に、

　決定的証拠につながるようなものを見つけることが
できたとしても、それを打ち消すだけのアリバイ工作
と言い訳の準備には完璧を期していたはずですから

　正真正銘の「確信犯」なわけです。

　たとえば、

　喪失した『レダと白鳥』を例に挙げれば、



　裸のレダが抱き寄せている白鳥の首が男性器を
想像させ、獣姦を連想させる構図が禁忌に触れる

　
　　　　　　　　　『レダと白鳥』の習作

　としてダ・ヴィンチ自身が意図的に破棄したか、
教会によって処分されたと考えられていますが、

　
　　　　　　　　　レダの頭部と髪の習作

　失われた『レダと白鳥』には、ダ・ヴィンチの
手による習作の他にもラファエロのドローイングや

　　　　　　
　　　　　　　　　ラファエロのドローイング

　弟子たちが模写した多くの絵が残されていますので
ダ・ヴィンチが描いた作品を想像することは可能です。


　チェーザレ・ダ・セストの模写
　　　　　　　　　
　　　　　　　　　フランチェスコ・メルツィの模写

　しかしながら、

　ダ・ヴィンチ自身がオリジナルを意図して処分した
とすれば、そこにはそれ相応の理由があったはずです。

　否定することが困難となる決定的な証拠がオリジナル
には描かれていたとか、破棄することによってこの絵が
持つ重要性を認識させ、模写として描き出された暗号を
間接的に読み解かせようと画策したとか、彼にとっての
秘匿すべき事実と公表すべき真実をモチーフ
としての「レダ」と「白鳥」に仮託したとか ・・・

　この辺りの考察としては、

　『ダ・ヴィンチの罠 遺伝子』または
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/449.html

　『ダ・ヴィンチの罠 交差点』などを
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/452.html

　参考にしてみてください。

　一般に言われるようにレダの裸体や構図が教会から
猥褻であると指弾され、摘発されるのを恐れて自発的
に破棄した、あるいはそれ故に教会により処分された
とするのはいかにも説得力に欠けます。

　それならば 何故に弟子のチェーザレ・ダ・セストほか
の模写は処分を免れたのかの説明がつきません。

　ドローイング（デッサン）と模写の違いがあるとはいえ
同じオリジナルを見て描いたにしてはこちらを見つめる
ラファエロのレダと伏し目がちな弟子たちのレダ ・・・


　ラファエロのドローイング　　チェーザレ・ダ・セストの模写

　加えて、

　髪型はどちらも同じですが、顔はまったくの別人で
弟子たちのレダはダ・ヴィンチの習作（素描）に近く、

　
　　　レダの頭部　　　　　レダの顔の習作(素描)

　ラファエロのレダの顔は、『モナ・リザ』を
スケッチした時の顔に似ています。



　そして、

　　　　　　　

　アヒルの如く短い首のラファエロの白鳥と蛇のように
異様に長く曲がった首の弟子たちの白鳥 ・・・

　　

　さらには、



　水掻きのあるラファエロの白鳥と鋭い爪をもつ猛禽類
のような足をしたダ・セストの模写 ・・・



　これらの違いはいったい何を意味し、
何を物語っているというのでしょうか

　そこには、

　『ダ・ヴィンチの罠 交差点』および
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/452.html

　『ダ・ヴィンチの罠 ＤＮＡ』などで
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/453.html

　展開された幻影としての妄想的な仮説である



　我々人類が「神」によって創造されたのでも、
サルから進化したのでもなく、他の星から地球
にやってきた爬虫類系の異星人（レプティリアン）
の介在によって誕生したという不都合ではないもの
の非常識きわまりない出来事を暗示する
ものなのでしょうか

　たとえば、



　こんな輩（やから）たちが『レダと白鳥』の

　　　　

　背景には隠されていて ・・・

　　　　

　『レダと白鳥』と『モナ・リザ』との関係に

　　　　

　おいても同質の「罠」が隠し絵として背後で




　怪しく蠢（うごめ）いているわけです。



　　いずれにしても、

　『レダと白鳥』のオリジナル喪失の裏側には、
同じように模写の多い『糸車（糸巻き）の聖母』

　　　　　
　　　　　　　　『糸車（糸巻き）の聖母』

　にも通底する秘密の「罠」が仕組まれている

　　　　　　　
　　　　　　　　　　　 コピ－作品

　ように思えてならないのですが ・・・



　　　　　　　　　　模写＆コピー作品
　
　『糸車（糸巻き）の聖母』についての考察は、

　 『ダ・ヴィンチの罠 コピー』を
　 http://sun.ap.teacup.com/japan-aid/419.html

　参照してみてください。

　
　本物が２枚（２種類）ある『糸車の聖母』は、


　　 ランズダウンの聖母　　　　　バクルーの聖母

　同じく２パターンの絵画が用意されていた


　パリ・ルーブル版とロンドン・ナショナル・ギャラリー版

　『岩窟の聖母』に対応する「罠」がある


　　『糸車の聖母』（通称バクルーの聖母）1501年 個人所蔵

　　　　　　　『糸車（糸巻き）の聖母』の習作

　『糸車の聖母』（通称ランズダウンの聖母）1510年 個人所蔵

　とも考えられるわけですが ・・・

　さて、さて、
　
　次回以降では、『岩窟の聖母』の謎解きと
並行してその辺りの追究をしてみたいと考えています。

　　　　　


　連日連夜のメダルラッシュに沸く「リオ五輪」
の所為で『ダ・ヴィンチの罠』の更新記事
が一週間近くも遅れてしまいました。

　それにしても、日本の女子レスリングはスゴイ

　今朝（18日）の３選手はコンプリートでした。

　残りの３選手の健闘を祈りましょう

　ところで、

　「女子レスリングの代表選手たちは
　　金メダルの請負人なのかのぉ」

　　　　　

　　「いいえ、確信犯です !!」

　　　　　「なるほど ・・・」

　めざせ、パーフェクト !!

　（全階級、金メダルだあ）



　… to be continue !!