公的年金の受け取り開始を75歳まで繰り延べ可能とすることなどを盛りこんだ年金制度改定法案の審議が、17日の衆院厚生労働委員会で始まりました。政府は“75歳まで繰り延べると月々の受給額が8割余り増える”とけん伝していますが、厚労省の高橋俊之年金局長は、「マクロ経済スライド」を発動し続ければ、“8割増”しても現在の水準より低くなることを認めました。日本共産党の宮本徹議員への答弁。
受け取り開始は現行、「60~70歳まで」で選択でき、65歳より遅らせると年金額が増えます。政府は、75歳まで遅らせると月額が84%増えると説明。遅らせて働き続けることを推奨しようとしています。
宮本氏は「マクロ経済スライドのもとでは、将来世代ほど受給開始時点から年金額は実質減り、基礎年金(国民年金)の所得代替率は今より約3割減る」と指摘。「現在70歳まで繰り延べた場合の支給水準と、マクロ経済スライドによる調整終了後、75歳まで繰り延べた場合の水準はどちらが高いか」とただしました。
厚労省の高橋俊之年金局長は、調整終了後75歳まで繰り延べた方が「所得代替率は低くなる」と認めました。
宮本氏は、生活できる水準の年金をめざして75歳まで働いても、それだけの年金は得られないことになると強調。「基礎年金部分ほど削減幅の大きいマクロ経済スライドを続けるには無理がある。国民年金と厚生年金の財政統合を検討するべきだ」と主張しました。 赤旗より
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