まったりブログ

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希望と我慢

2021-10-28 23:00:02 | 日記
小学生の低学年から始めたサッカーと、中学生になってから部活として始めるサッカーとでは同じスポーツでありながらスタート地点がまるで違う。

「出来る組と出来ない組」

入部したその瞬間から先輩達はおろか、顧問の先生や同級生からもそう思われてしまう。
その悔しさは味わったものにしかきっと分からない。

「オーバーヘッド!!」
「ジャンピングボレー!!」

小学生の時キャプテン翼を読んだ影響でサッカーにはまり友達とよく大技を練習していた。
大技を練習する時は決まって草むらの上でやるようにしていた。
理由は簡単。過去にも大技の練習を色々な場所で試したことはある。
砂場でもやったし学校のグラウンドでもやった。シーズン外の田んぼの上でもやった。
色々試してみた結果、自分達なりに草むらの上が一番衝撃を吸収してくれるという結論に達し、大技をやる時だけは必ず草むらで。
これが僕達の決まり事となっていた。

もちろんキャプテン翼の影響を受けたのは大技ばかりではない。
純粋にサッカーを好きになっていたため、同じサッカー好きな仲間と公園や学校のグラウンドなどで普通に試合をして遊んだりもしていた。

僕の通っていた小学校には当時サッカーのスポーツ少年団、通称スポ少はまだなかった。
それでも同じ小学校に通う友達数人は他の地区でスポ少に参加しサッカーをやっている人もいた。
それがとても羨ましく僕も親に頼みこんではみたものの両親共働きで送り迎えが難しいという理由で断られてしまっていた。
仕事を理由にされてしまうと僕としては反論の余地はない。泣く泣く諦める形にはなってしまったが、もしもあの時すんなり他の地区でサッカーを本格的にやることが出来ていれば中学生になってからすぐに
「出来ない組」
この烙印を押されることはなかったかもしれない。
小学生で習うサッカーはきちんとした指導者がいるところであれば必ず丁寧に基本を教えてくれる。
止める。蹴る。
この当たり前の動作を繰り返し行い徐々に出来ることを増やしていく。
こんなことを小学校低学年の内からやっていれば誰でもそれなりに出来るようになる。
キャプテン翼の知識しかない上、ろくに練習のやり方も分からずただボールを蹴るだけの
日常を送っていた僕とでは差がついて当たり前だ。
もちろん中学校に入学する前の僕はそんなことは全く分からない。
きちんとサッカー部に入ればきっと他の同級生より上手い。
なぜかそんな自信すらもっていた。
その自信は中学入学後に間違いだと気付き、そして気持ちを折られそうになるほど叩きのめされることとなった。

サッカー部に入部した同級生は17人。
うちの中学校は2つの小学校からなる。どちらの小学校も1学年の人数はそれほど変わらなかったが、僕の通っていた小学校からは入部したのはわずか5人。残りはもう1つの小学校に通っていた人達だった。
僕の通っていた小学校から入部した5人のうち他の地区でサッカーをしていたのが4人。そしてもう1つの小学校ではサッカーがスポ少としてあったため12人全員がスポ少出身者だった。
これは僕が入部してからはすぐに分からなかったことだが、僕以外は全員がちゃんとしたサッカー経験者。そして僕だけがサッカー未経験者という立ち位置だった。
そして中学校のサッカー部に入部するということがどんなことか。
現実をまるで分かっていなかった。

1年生から3年生まででサッカー部には50人を超える部員がいた。
そんな状況で1年生はサッカーなどさせてもらえるはずもなく、3年生が引退する最後の大会まで部活中にはまともにボールを蹴る機会すら与えられずただひたすら走らされ、筋トレをさせられていた。
ほとんど毎日同じメニューで毎日が地獄だった。
1周が約300mある校舎周り。これを10本走る。1周1分以内。普通に走れば1周1分というのは問題なくクリア出来る。ただそれが10本となると5本を超えたあたりからはかなりきつくなってくる。
おまけに一人でも1分を過ぎてしまえば追加でまた走らされる。
この校舎周りだけでどれだけ追加の本数を走らされただろうか。

そしてそれが終われば次は外周コース。
約4.5kmあるらしいのだが、毎回1年全員で競争するタイムトライアル。
下位数名は校舎周りをまた走らされるという罰ゲーム付。
拷問でしかなかった。
そして余った時間は筋トレにあてられた。
部活動終了の時間が近付くと先輩達が練習している場所へと戻り練習終わりの挨拶と片付けとトンボ掛け。
ひたすらこんな毎日で2.3年生が日頃どんな練習をしているとか、誰が上手だとか、全く分からなかった。
何も分からないままただ走らされ陸上部よりも走らされていたサッカー部の1年生である僕達は3年の引退する1学期終わりまでこれを繰り返していた。
もちろんこの間に得たものは大きかった。
スタミナと筋力は間違いなくアップし少しずつ中学生の体つきへと変化していた。

しかしその数ヶ月の期間でただ走らされることに嫌気がさしスポ少経験者の内2人はボールを蹴る機会がないまま部活を辞めてしまった。





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