まったりブログ

日記であったり、趣味の小説書いたりしようかなと。。
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ティーチャーズ 3

2021-11-23 13:54:22 | 日記
年上の人ばかりの中でのサッカーは自分自身かなり気を遣う。
1回り以上年上の人もいるしチームメイトとの会話もそんなに出来ない。
そんな状態のまま試合当日にだけ集まり試合が終われば解散する。
自分自身なかなか馴染めず、正直このチームでの自分の居場所はないのかも?
数試合を過ごし、何の活躍も成果もないまま時間が過ぎていく。
それでもせっかく誘ってもらえたチーム。
想像よりもはるかに強いチームの中で、このチームの中での自分の居場所を作りたい。
このメンバーの中においてもずば抜けた存在になりたい。
そんな風にも思うようになっていた。
実際にこのチームのチーム力は凄まじい。
この数試合僕は何も出来ていなかったがそれでもチームは全勝。失点0。
どのチームが相手でもほとんどの時間を自分達の攻撃へと費やし、たまに相手に攻めこまれてもDF陣もかなり強いため全く問題にならず、心配するような場面はほとんどなかった。
ちなみにこのチームにはキーパー経験者だけはいなかったため持ち回りでキーパーをやるようになっていた。
そんな中での失点0だからいかにDF陣が強いのかがよく分かる。
強くて当然と言えば当然かもしれない。
チームに入って分かったことだが、このチームのメンバーの大半は高校の時にインターハイや選手権経験者。
中には国体選手として国体に出た人も何人かいた。
このチームで一番サッカーで出世?した人はユニバーシアード日本代表で、様は大学日本代表として海外でも試合をしたりしていたらしい。
もっと早くにJリーグが始まっていれば間違いなくJリーグ入りしていたらしい。
そんなメンバーがたくさんいるチームに入ることが出来た。
一緒に試合に出場するだけでも自分には得るものがある。
それでもチームメイトからしたらこいつは使えない。
そんな風に思われることは正直怖い。
早く結果を出したい。
早くチームの力になりたい。
焦りもあったが、それでもようやく自分自身がチームの一員になれたと感じるきっかけは突然訪れた。

最初に紹介を兼ねて試合に来ていた中学のサッカー部の顧問の先生が久しぶりにリーグ戦に来ていた。
相変わらず土日も練習試合を多くいれているようなのでたまにしか来れないのは仕方がない。
この日の試合は来れない人も多くいて人数がギリギリだったため僕にとってはこのチームでの初めての先発フル出場した試合となった。
それでもせっかく最初から出ているにも関わらず、相変わらず味方の意図が掴めない、空回りのサッカーが続き思うようにプレーが出来ないまま前半が終了した。
ハーフタイム。
久々一緒に試合に出たサッカー部の顧問の先生から言われた。
「全然ダメじゃん。お前まだチームに遠慮しとるんか?」
「周りに合わせようとしてばかりだし。中学の頃はもっと自分に合わせるために周りを動かしよったやろ?」
「遠慮しとったらこのレベルじゃ出来んなるぞ」
周りから見たら合わせよう、合わせようとしていたプレーが遠慮したプレーにしか見えていなかったのか。
そういえば周りを気にするばかりでゴールを意識することすらなくなっていたのかも。。
先生からの言葉で目が覚めた。
今まできっとごちゃごちゃ考えすぎていた。
試合中に考えながらプレーをすることはいつもだが、社会人リーグに入ってからの試合では考えていたことはどうやって周りに合わせるか。
そればかりだった。
確かにチームメイトを理解するのはとても大事なこと。
でも逆にチームメイトからしたら自分がどういうサッカーをするのかをはっきり見せないことにはいつまでたってもチームメイトからは認められないし理解もされない。
先生からの言葉でごちゃごちゃ考えることはやめ、プレーに集中することだけを心掛け後半に臨んだ。
こういう気持ちで試合に入るのは中学の時以来だった。

この日のポジションは右WG。
これまでやったことすらなかった不慣れなポジションではあったがそこは関係ない。
自分が今いるポジションをどう活かすかだ。
後半開始からも相変わらずうちのチームが攻めこんでいる。
そして後半最初の1タッチ目。
かなり集中した中でのプレーとなったからかは分からないが、これまでに経験したことのない景色を自分自身が見ることとなった。
ボールをトラップした瞬間から寄せてくるDFがスローになり、周りの選手もスローモーションのような動きになり、敵も味方もいる位置がはっきりと見えていた。
右サイドをドリブルでかけあがりワンフェイントで相手を置き去りにしセンタリング。
味方の選手が走り込んでくるのもはっきり見えていたためそこにボールをあげるだけだった。
そしてこのセンタリングを味方がヘディングで決める。
これが自分自身のこのチームでの初アシストとなった。
嘘のようなほんとの出来事。
人に話しても理解されにくいが、確かにこのアシストをするまでの一連のプレーは全てのプレー、景色がスローモーションだった。
とにかくこのアシストが浮上のきっかけになったことは間違いなかった。
この日はけっきょく2ゴール1アシスト。
後半からの数字だと考えたらかなり活躍出来た試合となった。
初ゴールは中学の時にもやったことがない味方のセンタリングを胸で落とし、左ももに当ててからの左ボレー。
左足でのゴールは公式戦では初めてだった。
試合後、チームメイトからはシュートを決めたことよりもアシストをしたことをかなり誉められた。
「教科書通りのアシストだった」
ようやくチームの一員となれた気がした試合となった。



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