ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■美味しい灯りの時間~外構デザイン

2009-03-26 09:27:21 | ■建築-竣工物件
先日、去年竣工したお客様の家に招待され伺ってきました。

モダンインテリアをテーマにデザインされたこの家は、お施主様が直接、照明計画をライトデザインの東海林氏に依頼してコラボレートして完成した作品です。

エッジの効いたモダンなインテリアも、夜灯りが燈るとガラリと印象を変えます。
間接照明を多用していて、リビングの明かりも極限まで照度を落として淡い光につつみ込まれるかのような柔らかい印象を受けます。
さすが、うまいなぁと感心する仕掛けも多く“灯り”というファクターでこれほど建築の印象が変わるものなんだと改めて痛感いたしました。

普段の仕事の中では、照明計画は建築の中の一部で、全体の予算との兼ね合いでそこだけにお金を掛ける訳にいかないのですが・・・
照明という事に集約してデザインを考えると今までと違った側面が見えてくるのかもしれません。
コレは面白いことだなぁ。

光る手摺(ハンドレール照明)


コレは手摺に照明を仕込んで光る手摺(ハンドレール照明)としたところ。
細かいディテールは工務店の現場監督と私、東海林氏と打ち合わせして決めさせてもらったのですが、打ち合わせを通して仕事の進め方や考え方などでイロイロと勉強になりました。

コンクリートアーチ


竣工後行っていた外構工事の完成を見届けていなかったので、現場確認。
心配していたインターフォン廻りの納まりなど上手くいっていて一安心。
格子越の照明など全体的に上手くまとまっています。

ヒンプン(屏風)


今回の一番の肝は門扉無しでアプローチを演出する事。
お施主さんの「扉なしでできませんか」という一言で急遽デザイン変更。
先日の石垣島旅行で見てきた“ヒンプン(屏風)”をヒントにいいデザインが出来たと思っています。

デザインって急に湧いて出てくるものではないけれど、イロイロな障害に立ち向かって、悩んでこそ生まれるものだと思うんですよね。
それでいて、ソレまでに蓄積されたイマジネーションやらノウハウ、体験やらが化学反応を起こして・・・
爆発する。

今回は、お施主様のデザインに対する意識の高さ、また他の関係者の方の協力もあっていい家が出来たと思う、いい打ち上げでした~~~。

ご馳走様でした。

黄金に輝く置物


おまけ

最後に東海林氏も唸らせた最高の照明はお施主様の用意した置物でした。
和室の一角に飾られた置物に後ろから光をあてて間接照明としています。
光源と置き物との組み合わせが絶妙!
この御光のさしたような神々しい光は、偶然の産物という言葉では済まされない、すばらしいもの。
思わず手を合わせたくなってしまいます・・・

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※本物件はグループアプローチ建築設計事務所勤務時代に担当者として設計に携わりました。
現在は退所し、物件写真等は削除させていただいております。


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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
照明って (aonuma)
2009-03-27 00:36:37
その場の空気を作りますよね。

うちの業界的にはLED照明を売る気満々なのですが、建築士から見るとどうなんでしょう。
色温度とか、かなり自由に変えられますよ。
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LEDフィーバー (akatuki)
2009-03-27 16:46:07
>aonumaさん

LED照明は今照明やさんがこぞって新作を発表していますが・・・
やっぱり屋内で使うには問題があると聞きます。
LEDを入れる場合でも、ある程度の割合をLED以外の照明を器具を入れないと目が疲れると言われています。

ただ、この急速な技術革新で2~3年後には当たり前になるんでしょうねぇ。

建築的には熱を発しないのでデザインの巾が広がっていいんですけどね。
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