このコーナーではakatukiが自宅建設の為に日々奮闘する様子を記事にしております。
自宅建設と同時進行で書き綴っている為、初めて記事を読まれる方は第一話からご覧ください。
すこしづつ更新していきますので、お引き立ての程宜しくお願いいたします。
◆建築家の自邸・二世帯住宅建設記の目次はこちらから
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我が家で初めて採用する蓄熱式の床暖房。
ヒントは、熱環境の得意な設計事務所に勤める知人からヒートポンプ式の熱源機で床暖房が出来る事教えてもらい、いろいろシュミレーションしてみたのが始まりでした。
このシステムのすばらしい所は安く快適な暖房を終日利用できるという事。
熱源機の効率が良く、通常の電気代の1/3でお湯を沸かせるヒートポンプ型の熱源機(いわゆるエコキュートのようなもの)を利用し、電気代の1/3である深夜電力を利用して、1/9の光熱費で床暖房をしちゃおうという画期的なアイデアです。
環境工学を少し大学でかじった知識なので、若干数値に誤りがあるかもしれませんが、参考までにご覧ください。
採用予定のヒートポンプ熱源機は投入電力1.61KWに対し、温水の熱量は6.3KWと増やす事が出来ます。(熱効率3.85倍)
毎日深夜6時間の運転を続けた場合、
通常の従量電灯B型の場合、月々6600円となるところを、深夜電力を利用してコンクリートに蓄熱する事で、約2600円に抑える事が出来ます。
深夜電力契約が別に発生するので基本料などの割り増しを考慮しても月々3000~3600円で床暖房が出来る事になるのです。
ね。
素晴らしいでしょ!
恐らく、普通の住宅であれば床暖房など冬場の光熱費は1~2万円ぐらい余分にかかるお宅が多いはず。
全室むらのない質の高い床暖房が割安に利用可能なのです。
しかも、深夜の時間帯の余った電力を利用するのでエコ!
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もちろんコレは机上の話で、蓄熱した熱量がどのように放熱されて快適性にどれほど違いが出るかはこれからの検証になるのですが・・・
私の勤めている事務所で利用した事があるレンガに蓄熱をして利用する蓄熱暖房機は、外が暖かい日はオーバーヒートして、室内が暑すぎてせっかくの熱量を無駄に捨てないといけなかったり、温度管理が少し難しいのが難点でした。
コレは、少ない体積のレンガに高熱(約700度)で蓄熱している事に問題があると思うのです。
温度差が大きいと熱移動が速く行われる為、気温の数度の違いはものともせず、無駄に放熱を続けるんじゃないかって考えたのです。
一方このシステムでは、比較的低温で蓄熱(熱源機の効率がよいのが40~50度くらい)するので、室温との差を大きくせずに、熱容量の大きいコンクリートにじんわりと熱を閉じ込めておくんです。
コレによって夜暖めた熱がゆ~~~っくりと放熱されて、頭がぼ~っとせずに暑すぎない蓄熱式床暖房にならないかと考えています。
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ただ一点、数値上だけでは計れないのが快適の指数。
蓄熱するコンクリートの量・熱量はどのようにしたら一番快適かは自宅で実験してみないと解らないのです。
今回は、熱源機の容量と室温より何度くらい高い温度で蓄熱したいかで、蓄熱コンクリートの量を割り出し、敷設面積を決定してみました。
安全を見て蓄熱体のコンクリート量を増やす事も考えましたが、必要以上のコンクリートを用意すると、それだけ余分に熱を蓄える事にも繋がるので、蓄熱コンクリートの温度が30~40度前後で温まればいいぐらいの感覚で設定してみました。
床暖房の効きが悪かった時の事を考慮して、蓄熱の量をコントロールできるように床暖房のブロックを別けて管理の出来るように図面を書きました。
すぐに結果は出せませんが、コンクリート内と室内の気温のデーターを取ると共に、母親世帯との温度比較にて自分なりの答えを出そうと思っています。
そう、もう一つオマケがあって・・・
この熱原器はエアコンも動かす事が出来るんです。
メーカー側は床暖房時の補助暖房として運転する事を考慮しているみたいなのですが、私はこのエアコンを主寝室で利用しようと考えています。
主寝室は主に寝る時だけの利用なので、深夜電力を利用できる時間帯のみの利用で足りてしまうのでマッチングがいいんですね。
コレによって冬場の補助暖房はもちろんの事、夏場の冷房も格安で利用できるんですよ。
いやぁ~我ながら素晴らしい仕組みだと思います。
さて、話は現場の様子に戻ります。
この日現場に到着すると、なんだかえらい事になっているんですよ。
せっかく綺麗に敷き詰めていた断熱材と鉄筋が、写真のようになっているんです。
そしたら現場監督さんが。一生懸命水をかき出していて・・・
そう、二日前に降った雨がたまっちゃってて、プカプカ断熱材が浮いちゃってたんです。
それなので丁寧に施工してあった断熱材を剥して水を取り除いていたんですよね。
この水を出さずに施工しちゃうと、床下に物凄い湿気を貯める事になってしまって梅雨時のカビなどの発生に繋がりかねないので、キチンと水を抜いて下さいました。
床暖房の施工は、3人で行いました。
一人が架橋ポリエチレンパイプという白い管を持ち、二人で鉄筋に留めつけています。
この架橋ポリエチレンパイプは継ぎ目の無い管を利用しています。
管には1m置きにメモリがふってあって使った長さがすぐに解るようになっています。
残りの長さを気にしながら、ぐるりと配管していきます。
番線で温水パイプをどんどん留めていきます。
床の温度むらの出ないように、少し面倒な配管方法で施工を頼んでいたのですが、手馴れた職人さんだったのですぐに理解して迷わず施工していきます。
図面を書くのも少し面倒だったので、少し心配していましたが、全く問題ありませんでした。
いやぁ~ほんと実によく敷き詰められています。
土で汚れてしまっているのが少し残念ですが、ほんと芸術的です。
玄関の部分は、土間がリビングより高い為、スタイロフォーム(断熱材)でかさ上げをして施工しています。
ヘッダーと呼ばれる湯水の分岐金物が取り付く場所。
熱源機からお湯を送る配管と、そのお湯が戻ってくる配管がここに集約されます。
そこから各エリアにもって行く配管も無駄にせず、きちんと蓄熱させるように工夫されています。
なるべくエリアごとの配管の長さも均一になるよう考慮して、お湯の圧力もあまり差がでないようにしてお湯の循環量を調整して温度むらを無くそうと考えています。
いやぁ~ほんと美しい。
惚れ惚れ。
早くこれら床暖房の効力を確かめたいのですが・・・
竣工が2月予定なので、完全なデータとするには更に一年後になってしまうかなぁ。
ともかく今から効き目が楽しみでなりません。
自宅でうまくいったらジャンジャンお客さんの家で提案したいと思っていま~す。
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ちなみに事務所の入っているマンションはRC造(鉄筋コンクリート)の外断熱の建物の為、なんとなく特性が解って来ました。
コンクリート剥き出しの室内は、外断熱をしているとはいえ、熱容量が大きすぎる為暖房に時間が掛かる事。
また、季節の変わり目には放射冷却のような症状で、コンクリートに体温を奪われているような感覚があります。
自邸も始めはRC造の外断熱で、躯体に蓄熱する事を考えていて、それが一番マッチングがいいと思っていたのですが、最近は適度な蓄熱量で熱量が足りるならそのほうがいいと思い始めました。
このシステムが上手くいけば快適な安価な暖房システムが実現するはずなんですけどね。
あ~完成が待ち遠しい。
自宅建設と同時進行で書き綴っている為、初めて記事を読まれる方は第一話からご覧ください。
すこしづつ更新していきますので、お引き立ての程宜しくお願いいたします。
◆建築家の自邸・二世帯住宅建設記の目次はこちらから
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我が家で初めて採用する蓄熱式の床暖房。
ヒントは、熱環境の得意な設計事務所に勤める知人からヒートポンプ式の熱源機で床暖房が出来る事教えてもらい、いろいろシュミレーションしてみたのが始まりでした。
このシステムのすばらしい所は安く快適な暖房を終日利用できるという事。
熱源機の効率が良く、通常の電気代の1/3でお湯を沸かせるヒートポンプ型の熱源機(いわゆるエコキュートのようなもの)を利用し、電気代の1/3である深夜電力を利用して、1/9の光熱費で床暖房をしちゃおうという画期的なアイデアです。
環境工学を少し大学でかじった知識なので、若干数値に誤りがあるかもしれませんが、参考までにご覧ください。
採用予定のヒートポンプ熱源機は投入電力1.61KWに対し、温水の熱量は6.3KWと増やす事が出来ます。(熱効率3.85倍)
毎日深夜6時間の運転を続けた場合、
通常の従量電灯B型の場合、月々6600円となるところを、深夜電力を利用してコンクリートに蓄熱する事で、約2600円に抑える事が出来ます。
深夜電力契約が別に発生するので基本料などの割り増しを考慮しても月々3000~3600円で床暖房が出来る事になるのです。
ね。
素晴らしいでしょ!
恐らく、普通の住宅であれば床暖房など冬場の光熱費は1~2万円ぐらい余分にかかるお宅が多いはず。
全室むらのない質の高い床暖房が割安に利用可能なのです。
しかも、深夜の時間帯の余った電力を利用するのでエコ!
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もちろんコレは机上の話で、蓄熱した熱量がどのように放熱されて快適性にどれほど違いが出るかはこれからの検証になるのですが・・・
私の勤めている事務所で利用した事があるレンガに蓄熱をして利用する蓄熱暖房機は、外が暖かい日はオーバーヒートして、室内が暑すぎてせっかくの熱量を無駄に捨てないといけなかったり、温度管理が少し難しいのが難点でした。
コレは、少ない体積のレンガに高熱(約700度)で蓄熱している事に問題があると思うのです。
温度差が大きいと熱移動が速く行われる為、気温の数度の違いはものともせず、無駄に放熱を続けるんじゃないかって考えたのです。
一方このシステムでは、比較的低温で蓄熱(熱源機の効率がよいのが40~50度くらい)するので、室温との差を大きくせずに、熱容量の大きいコンクリートにじんわりと熱を閉じ込めておくんです。
コレによって夜暖めた熱がゆ~~~っくりと放熱されて、頭がぼ~っとせずに暑すぎない蓄熱式床暖房にならないかと考えています。
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ただ一点、数値上だけでは計れないのが快適の指数。
蓄熱するコンクリートの量・熱量はどのようにしたら一番快適かは自宅で実験してみないと解らないのです。
今回は、熱源機の容量と室温より何度くらい高い温度で蓄熱したいかで、蓄熱コンクリートの量を割り出し、敷設面積を決定してみました。
安全を見て蓄熱体のコンクリート量を増やす事も考えましたが、必要以上のコンクリートを用意すると、それだけ余分に熱を蓄える事にも繋がるので、蓄熱コンクリートの温度が30~40度前後で温まればいいぐらいの感覚で設定してみました。
床暖房の効きが悪かった時の事を考慮して、蓄熱の量をコントロールできるように床暖房のブロックを別けて管理の出来るように図面を書きました。
すぐに結果は出せませんが、コンクリート内と室内の気温のデーターを取ると共に、母親世帯との温度比較にて自分なりの答えを出そうと思っています。
そう、もう一つオマケがあって・・・
この熱原器はエアコンも動かす事が出来るんです。
メーカー側は床暖房時の補助暖房として運転する事を考慮しているみたいなのですが、私はこのエアコンを主寝室で利用しようと考えています。
主寝室は主に寝る時だけの利用なので、深夜電力を利用できる時間帯のみの利用で足りてしまうのでマッチングがいいんですね。
コレによって冬場の補助暖房はもちろんの事、夏場の冷房も格安で利用できるんですよ。
いやぁ~我ながら素晴らしい仕組みだと思います。
さて、話は現場の様子に戻ります。
この日現場に到着すると、なんだかえらい事になっているんですよ。
せっかく綺麗に敷き詰めていた断熱材と鉄筋が、写真のようになっているんです。
そしたら現場監督さんが。一生懸命水をかき出していて・・・
そう、二日前に降った雨がたまっちゃってて、プカプカ断熱材が浮いちゃってたんです。
それなので丁寧に施工してあった断熱材を剥して水を取り除いていたんですよね。
この水を出さずに施工しちゃうと、床下に物凄い湿気を貯める事になってしまって梅雨時のカビなどの発生に繋がりかねないので、キチンと水を抜いて下さいました。
床暖房の施工は、3人で行いました。
一人が架橋ポリエチレンパイプという白い管を持ち、二人で鉄筋に留めつけています。
この架橋ポリエチレンパイプは継ぎ目の無い管を利用しています。
管には1m置きにメモリがふってあって使った長さがすぐに解るようになっています。
残りの長さを気にしながら、ぐるりと配管していきます。
番線で温水パイプをどんどん留めていきます。
床の温度むらの出ないように、少し面倒な配管方法で施工を頼んでいたのですが、手馴れた職人さんだったのですぐに理解して迷わず施工していきます。
図面を書くのも少し面倒だったので、少し心配していましたが、全く問題ありませんでした。
いやぁ~ほんと実によく敷き詰められています。
土で汚れてしまっているのが少し残念ですが、ほんと芸術的です。
玄関の部分は、土間がリビングより高い為、スタイロフォーム(断熱材)でかさ上げをして施工しています。
ヘッダーと呼ばれる湯水の分岐金物が取り付く場所。
熱源機からお湯を送る配管と、そのお湯が戻ってくる配管がここに集約されます。
そこから各エリアにもって行く配管も無駄にせず、きちんと蓄熱させるように工夫されています。
なるべくエリアごとの配管の長さも均一になるよう考慮して、お湯の圧力もあまり差がでないようにしてお湯の循環量を調整して温度むらを無くそうと考えています。
いやぁ~ほんと美しい。
惚れ惚れ。
早くこれら床暖房の効力を確かめたいのですが・・・
竣工が2月予定なので、完全なデータとするには更に一年後になってしまうかなぁ。
ともかく今から効き目が楽しみでなりません。
自宅でうまくいったらジャンジャンお客さんの家で提案したいと思っていま~す。
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ちなみに事務所の入っているマンションはRC造(鉄筋コンクリート)の外断熱の建物の為、なんとなく特性が解って来ました。
コンクリート剥き出しの室内は、外断熱をしているとはいえ、熱容量が大きすぎる為暖房に時間が掛かる事。
また、季節の変わり目には放射冷却のような症状で、コンクリートに体温を奪われているような感覚があります。
自邸も始めはRC造の外断熱で、躯体に蓄熱する事を考えていて、それが一番マッチングがいいと思っていたのですが、最近は適度な蓄熱量で熱量が足りるならそのほうがいいと思い始めました。
このシステムが上手くいけば快適な安価な暖房システムが実現するはずなんですけどね。
あ~完成が待ち遠しい。
自邸ならではの試み、こちらも結果が楽しみです。
冬でも自宅ではTシャツで過ごしたい派なので、公共料金が高いご時世いかに効率良く温めるか悩みます。
もともと光熱費をケチって省エネをしているので、月々3000円でもあがっちゃうかもしれないんですけど(笑)
でも、快適指数はダントツに上がる予定です。
カナダは逆に快適なんじゃないんですか?
オーナー負担で暖めてくれるんですよね。
多分、日本の賃貸もそうなればもっと省エネ化が進むんだと思うんですけどね。