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最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

欠陥工事発覚で販売中止~ザ・パークハウスグラン南青山高樹町

2014-02-03 15:39:35 | ■建築話
衝撃的なニュースが飛び込んできましたね。
致命的な欠陥が見つかって竣工間際の南青山の億ションが販売中止になったそうです。

詳細な情報はわかりませんが、コンクリートを水道管等を貫通させる為の孔(スリーブ)を大量に開け忘れたそうです。
そして、その是正工事でスローブを開ける際に大事な鉄筋を切ってしまった。
その情報は買主に説明するわけでもなく進行し、竣工間際になって内部告発者より欠陥工事が発覚したようですね。

この売主は三菱地所レジデンス、施工は鹿島建設、設計監理は三菱地所設計だそうです。
大手中の大手です。

施工中のミス等は擁護するわけではありませんが、どんな現場でも大なり小なり発生しうるもの、それは仕方ないとして6000個設けなければいけなかったスリーブのうち600個が設けられていなかったというから衝撃ですね。
さすがに、普通の工事の流れであれば誰かしら気づくだろと。

案の定、工事に携わったものなら誰もが知りえたんでしょうね。

おそらく原因は、施工図と呼ばれる現場用の図面でCADで書いた際にレイヤーと呼ばれるスリーブの情報の階層が抜け落ちて出図してしまったのか、鉄筋を組んだ後にコンクリートを打設するまでの期間にスリーブ施工が間に合わず、それに現場監督が気付かずすすめてしまったかなんでしょうね。

もちろん、そのミスに気付いて是正する際に決定的なミスを犯してしまった。

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消費税増税等の影響や、マンションの引渡し期限等で突貫工事を行っていたため問題が加速してしまったんでしょうね。
問題だと思うのは姉歯事件でマンションの施工監理が厳格化されてきたと思われていた業界全体の不信につながるということ。
数年前は施工現場見学会やオンラインで施工現場を確認できる仕組みがけっこういろんなマンションで見られたのですが、最近は行わなくなったんでしょうかね?
こういった施工ミスが生じた時の施主への対処が負担になるので姉歯事件の風化とともに販売主も行わなくなったのでしょうか?

いずれにせよ、かかわった業者の信用は大きく落とすことになるかと思いますが、これだけの大手でこのような欠陥を出してしまうとなると、ほんとどの施工会社、販売主、設計事務所を信じていいかわかりませんよね。


おそらく、数ヵ月後にはこの事件の検証記事が出るかと思います。
施工ミス・設計ミスはどの現場でも起こりうるということ。
そのミスが発覚した際にどう対処するか?
反面教師として、しっかり経過を見守って自分の業務にも役立てたいと思います。

→ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町の紹介PDF

そう、中間検査等で確認検査機関も現場確認しているはずなんですよね。
さすがにスリーブ位置まではチェックの対象ではないはずですが、この規模の億ションとなれば当然、住宅性能評価や長期優良化住宅の認定等を受けているでしょうから、これらの制度や検査が意味を成していないのが露呈してしまった感じですね。

ほんと、現場で鉄筋の是正を命じても検査合格したんだから問題ないでしょといわれることもあって・・・
必要最低限のミスはこの制度のおかげで防ぐことは出来るようになったかもしれませんが、逆に気付きにくい施工ミスがチェックおろそかになってしまっているような気がします。

確認審査機関は法律や会社の検査要領で決められた部分のみが正しく施工されているかを確認する

検査に合格=性能を保証
という間違った認識から、検査に合格さえすれば良いと考えてしまうのがいけないんでしょうね。

また、今回の事件を受けて書類・手続きが増えて設計者の負担が増えそうで怖いです(笑)

→東京・青山の三菱地所「欠陥億ション」 ネットの書き込みで発覚、異例の販売中止に(ニュース記事)はこちら



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