ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■大工さんの工事~工事費なんてあってないようなもの・・・

2007-08-25 22:22:26 | ■建築話
休日、事務所で仕事をしていたら掛かって来た一本の電話。
「すみません、今建築中なんですけど・・・」
「ご相談したい事があってお電話したのですけどいいですか?」

「え~と・・・」
「大工さんに家の工事を頼んだのですが、完成間際になって追加の工事費を沢山請求してきて困っています。」

「建築士の方は、間に入られていないのですか?」と、私。
「ええ、大工さんに直接頼んでいます。」

「始めの見積書はあるんですか?」と、私。
「はい。ちゃんと、見積書を元に契約しました。
工事中に変更を何箇所か頼んでいて、その度ごとに、追加費用がないかは確認していたつもりなんですが・・・
その時は、何とかなるから(他で吸収できる)と言われ、見積をもらわずに進めていました。」

なるほど、なるほど・・・

結局、大工さんも工事が終わって清算してみたら、大幅に足が出て困って請求してきたという事かなぁ?

「その、請求が何百万ってあって・・・
とても、とても、払えなくて・・・
ご相談してるのですが・・・
何かいい手ありますかねぇ?」

「結局のところ、内情が全くわかりませんのでなんとも申し上げられませんが、始めの金額だから契約して工事を頼んだわけで、始めから追加の工事含んだ工事費だったらお宅に頼んでないと、交渉してみては?」

と、アドバイスしておきました。

こういう問題って難しい。
決して、大工さんが悪い人じゃないと思うけど・・・

やはり、第三者(我々設計者等)が介在しないと、そういったコスト管理は難しくなる。
同じ工事でも段取りが悪ければ、手間がかかって高くなるし、無駄も生じる。
取引の少ない大工さんのような人だったら、もちろん材料も安く買えないし、割高になる。

でも、大工さんとしては、自分の手間賃は安くしてお客さんの為の工事だと思っている・・・

でも、でも、結果高い金額をお客様に請求しているかもしれないし、そうでないかもしれない・・・

---

今回のお客様は、
「あ~こんなトラブルになるんだったら、ちゃんと建築家の方にお頼みすれば良かった」と、思っているらしい・・・
この問題に関しては、一長一短。
建築家に設計監理を頼んでいれば、最低建築費の10%ぐらいは費用として掛かるわけで、この金額と、余分に掛かってしまった数百万円のどっちが安いか?
という問題。

でも、我々建築家に仕事を頼んでいただいた方が、きっと満足な家造りが出来ると思うし、そうありたいと思う。

もちろん、頂いた設計料の内のいくらかは、工事費を抑えてお客さんに還付されているはずだし、それも仕事のひとつ。

設計監理料を高いと感じるか?
金額だけでなく、もう少しその裏側まで考えてもらいたいものだなぁと、

思ったというお話でした。

---

あ、でもでも・・・
設計した家が、全然予算オーバーで大変!
なんて話は良くあるもの。
まぁ、コレは工事スタート前に問題は処理するんだけど・・・
家の値段て難しい。

建築士が間に入ったからといって、全て予算どおりにいくなんて事はないのであしからず・・・




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2 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ひろぽん)
2007-08-28 01:06:51
あれもこれも追加して満足いく家になると思いきや・・・
予算内に収めるって難しいですよね(^^;)
返信する
そこが難しい所・・・ (akatuki)
2007-08-28 23:08:56
>ひろぽんさん

予算あっての建築。
この調整が難しいんですよね。
特にあとから追加工事がどっと出るようだと問題ですからね・・・
図面の時に充分練らないといけないのです。

返信する

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