ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

■始めはハードルの高い住宅用スプリンクラー~建築家の自邸第108話

2009-01-17 22:40:41 | ■建築家の自邸・構想~建築、竣工まで
このコーナーではakatukiが自宅建設の為に日々奮闘する様子を記事にしております。
自宅建設と同時進行で書き綴っている為、初めて記事を読まれる方は第一話からご覧ください。
すこしづつ更新していきますので、お引き立ての程宜しくお願いいたします。

◆建築家の自邸・二世帯住宅建設記の目次はこちらから

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今日現場には設備やさんが工事に入っていました。
天井の下地の間に体をもぐりこませ配管工事を行っています。




配水管の勾配は管の太さで決まっています。
(100φだと1/100 50φだと1/50ぐらい)
天井の懐の中で緩やかに勾配を取っていきます。

勾配は急であれば良いというわけではありません。
あまりにも急勾配にしてしまうと逆に水の流れるのが早すぎて汚物を運ばないで流れていってしまうのです。

その配管の高さを調整するのがこの金物。
ネジを回して高さを簡単に変更することが出来ます。



水道やさん・水道やさんに太っちょの方は見たことがありません。
それはやはりこんな狭いところにもぐりこんで作業をする事が出てくるからでしょうか?

コレはサヤ管ヘッダー配管といって、給水メーターを通して内部に取り込まれたお水をココで分岐してそれぞれの機器に配管する方法です。
万一配管のやり変えが必要になった場合は簡単に交換できるようにそうしています。

昔は、芋ヅル式にに配管をしていた為一つの配管を引っ張ると全ての設備機器がくっついてきちゃうので、建物を壊さないと交換できませんでした。
サヤ管ヘッダー方式では、サヤ管と呼ばれる保護管の中に樹脂管を通しているため、後で簡単に中の樹脂管を入れ替えられるのです。

なぜ?そういう事をするかというと建物の寿命は50年100年と長持ちするように作っているのですが、配管の寿命ってそんなに長くないんですよね。
それなので、この工法が使われるようになったんですね。

だから、コンクリートの中に配管を埋め込むような方法は出来れば避けたいんですよ。
ただ、我が家も床暖房の配管だけは、埋設配管にせざるを得なかったのでそうしています。回路を細かく別けているので問題の出た配管以外は使えるようにしたり、管の径を太くする事で詰まって使えなくなりづらいように工夫しています。



さて、ようやく本題ですが・・・
以前紹介した住宅用スプリンクラー設備を我が家にも導入しています。
システムは先述の通り、死水にならないようなところ(便所の給水の途中)にこのスプリンクラーヘッドを取り付け簡易的なスプリンクラーとするものです。

しかし、この設備導入も簡単にはいきませんでした。
まず、設備やさんがやりたがらないんですよね。
やった事がないし、万一誤作動したら自分の責任になるかもしれないし・・・
問題になりそうな事は避けたい・・・

だから、始めに僕がこんなシステムがあって実験的に使ってみたいからお願いしますという話しにも、水道局で問い合わせしたら何だか手続きが難しくて、消防設備士の資格がないと出来ないとの解答だったんですよね。

それなので、消防局・水道局と直接話をして筋道つけてから設置を頼み、なんとかやってくれる事になったんですよ。

ただ、取り付けるに当ってその構造や配管方法を調べてみると・・・
「このスプリンクラーはこれからどんどん広がるかもしれませんね」と。。。

ほ~ら。やっぱいい設備でしょ。
設置はコレからなんですけど、やっぱいいと思うんですよね。
始めはハードルの高い住宅用スプリンクラーですが、一度使ってみると意外と簡単な事が解ってどんどん導入例が増えると思うんですけどね。
ちなみに荒川区では採用第一号!です。



現場に母のIKEAのキッチン君が届きました。
詳細図を書いて検討したので既製品を使って家具のような素敵なキッチンになる予定です。
なんだか、我が家のキッチンより豪華にならないか心配です(笑)

通常のシステムキッチンと違い、箱から組み立てるので部材がバラバラでパズルのようです。
慣れない大工さんは大変だと思います。
申し訳ない・・・(でもその分の手間代はお支払いしているつもりです・・・)
 


前回の剥ぎ合せにしたした部材が完成です。
チークのフローリングの切れ端を接合して役物(端部材)を作ってもらっていたのです。



これは、配管が外壁に貫通する部分に用いるウェザータイト部材。
木造の家を長持ちさせる為に設置してもらう予定のものです。
配管周りは止水処理が難しい所なので、このように配管を包んで防水テープを施工できる部材が必要になります。

こういう工事が積み重なって工事費が高くなってしまうんですよね。
性能とデザインとコスト。
自宅でも見極めが難しいのですからお客様の家の場合はもっと悩んでしまいます・・・


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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (ヒロポン)
2009-01-18 22:06:59
細部も着々と進行してますね^^
大工さん設備やさんも大変ですが、どんな家になるのか楽しみです。
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備えよ常に (aonuma)
2009-01-19 23:08:49
防犯・防災対策は大事ですよね。
先日空き巣に入られてしみじみ感じました。

でも作動しないのが一番。
乾燥の冬、火の用心。
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IKEA (ちびなべ)
2009-01-20 05:16:33
最近日本人に「IKEAのキッチンって設計さんから見るとぶっちゃけどうなんですか?」と聞かれる機会が多いです。
こちらで展示品は見ますが見た目や表示される機能・性能だけでは分からない、日常使用していて感じる使用感、耐久性、メンテナンスのし易さがキッチンには大切なんだろうと思うのですが、使っている人の話を聞いたことが無いので何とも言えず。
キッチンも自ら組立てが浸透しているこちらの感覚なら「いいんじゃない?」で済むんですが、デザインはともかく至れり尽くせりの日本のキッチンメーカーと比較するとなると何と答えて良いのか困ってしまいます。
その辺、いつかお母様に伺いたいです!
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時よ止まれ! (akatuki)
2009-01-20 22:35:01
>ヒロポンさん

僕も大変です(笑)
もうちょっとです。

>aonumaさん

え~!空き巣ですか??
カメラは無事だったんですかね。

スプリンクラーも一度も使われない事を祈るばかりです。

>ちびなべさん

そうですね。
メンテナンス性はやはり劣ると思うんですが、その辺はまたレポートさせていただきます。
至れり尽くせりの最新のキッチンだと思わなければ良いのかと・・・
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