先日TBSテレビの噂の東京マガジンを見ていて驚いてしまった。
完成保証に入っていたはずなのに保証されないという趣旨のものです。
どういうことかというと・・・
「花菱」(群馬県太田市)が事業を停止し、現場が止まり風雨に曝された状態でお施主さんが困っているという内容のもので・・・
完成保証の落とし穴が明らかにされていました。
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まず完成保証(完工保証)制度とは、万一工事を依頼している工務店が倒産した場合には、他の工務店等で工事を引き受け完成させることを保証するというもの。
昨今の不況で倒産する建設会社が後をたたず、施主側のリスクをカバーする素晴らしい保険なのです。
ただ、この保険に入るのにも掛け金が必要だったり、財務状況の悪い会社は保険自体に加入が出来ないなどのハードルがあるんですね。
ですから私が自邸を建てた時は「完成保証に入れるような財務状況の良い会社ならリスクも低いだろう」と、掛け金をケチって保証に加入しなかったんですよね。
でも、今回のTVを見てぞっとしました。
なるほど~と思うのは。
1.この建設会社は家族経営で経理もズサンだった。
(社長の母が監査だけど、その事を知らない)
おそらく帳簿をゴマかして経営状態を良く見せて保険に加入したのでしょう。
そんな風に加入した会社も他にいるかもしれません。
2.建設会社が完成保証制度に加入しているからといって全ての物件がカバーできるわけでない
建設会社毎の枠が決まっているのでその枠を超えた分は保証されない。
この建設会社の場合は8棟とか軒数で契約しているので、先に工事をしている現場が完成しないと順繰りに保険の対象とならない。
※ちなみに大手の保証会社財団法人住宅保証機構の住宅完成保証制度では1業者1億5000万円までです。
コレでは建売業者等では全ての物件はカバーしきれない場合が出てくると思われます。
3.建設会社が倒産しないと保険が下りない
保険が適用されるのは破産、民事再生の申立て、会社更正手続開始、会社整理開始等が条件になります。
TVの建設会社の場合は業務停止で、会社が勝手に工事を止めているだけの状態。
いわゆる夜逃げです。
なんと、コレでは保険が適用されないんです。
ちゃんと社会的に倒産の手続きをしてくれないと保証会社も手を差し伸べてくれないんです。
そして、現場では雨ざらしのまま工事がストップしどんどん躯体が痛んでいきます。
4.工事中は建設会社の所有物
工事費を払っていても工事中の建物は建設会社の所有物になります。
施主と工務店は建設請負という契約を結んだだけなので、完成して引渡しを受けて初めてお施主さんの持ち物となるのです。
その為、途中倒産した場合の建物は勝手にいじって工事したりするわけにもいかず・・・
契約を解除してからでないと別の業者に頼めないんです。
(もちろんキチンと破産手続きをとっていれば問題なし)
---
つまり、完成保証に入っているからって全く安心できないんです。
だから売建(宅地分譲+自由設計で建てるやつ)で、この保証に入っているからって事だけで建設会社を信用しないで財務状況を確認したりチェックが必要なんですね。
余りにも値引きが大きいのも危険です。
(きっと運転資金が足りなくて早くお金が欲しい場合があるから)
なんて事考えていると、何処も信用できなくなってしまいますね。
今まではこの保証に入れる会社ってのが一つのバロメータだと思っていたのですが、新たに他の物差しを探さなければいけませんね。
---
それと、放送後に完成保証をもう少し掘り下げてチェックしていたら・・・
保証にもよるけど前払い工事費のみ保険対象(建設費の20%まで)のタイプや前払い工事費分と他の工務店で引き続き工事を行う場合の増減工事分(合計40%まで)まで保証を受けられるタイプがあります。
仮に3000万円の請負契約で契約時金として工事費の1/3。つまり1000万円を支払っていた場合に着工してすぐ建設会社が倒産してしまったら・・・
↓
600万円までしか保証は受けられないので400万円分は補償が受けられない事になります。
つまり、工事費の支払い方の契約によっては全然完成が保証されているというような代物ではなく注意が必要なんです。
とにかく過払いにならないように支払う条件を建設会社にのんでもらう。
もしそれを嫌がるようだったら工事はお願いすべきではありませんね。
う~んなんとも難しい世の中になってしまったものです。。。
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ともかく、「完成保証」という保証は保険会社が責任を持って最後まで建ててくれる訳でなく、完成できるようサポートしてくれる程度のものです。
このように完成出来ないケースも出てきますので、建設会社選びは慎重に行いましょう!
完成保証に入っていたはずなのに保証されないという趣旨のものです。
どういうことかというと・・・
「花菱」(群馬県太田市)が事業を停止し、現場が止まり風雨に曝された状態でお施主さんが困っているという内容のもので・・・
完成保証の落とし穴が明らかにされていました。
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まず完成保証(完工保証)制度とは、万一工事を依頼している工務店が倒産した場合には、他の工務店等で工事を引き受け完成させることを保証するというもの。
昨今の不況で倒産する建設会社が後をたたず、施主側のリスクをカバーする素晴らしい保険なのです。
ただ、この保険に入るのにも掛け金が必要だったり、財務状況の悪い会社は保険自体に加入が出来ないなどのハードルがあるんですね。
ですから私が自邸を建てた時は「完成保証に入れるような財務状況の良い会社ならリスクも低いだろう」と、掛け金をケチって保証に加入しなかったんですよね。
でも、今回のTVを見てぞっとしました。
なるほど~と思うのは。
1.この建設会社は家族経営で経理もズサンだった。
(社長の母が監査だけど、その事を知らない)
おそらく帳簿をゴマかして経営状態を良く見せて保険に加入したのでしょう。
そんな風に加入した会社も他にいるかもしれません。
2.建設会社が完成保証制度に加入しているからといって全ての物件がカバーできるわけでない
建設会社毎の枠が決まっているのでその枠を超えた分は保証されない。
この建設会社の場合は8棟とか軒数で契約しているので、先に工事をしている現場が完成しないと順繰りに保険の対象とならない。
※ちなみに大手の保証会社財団法人住宅保証機構の住宅完成保証制度では1業者1億5000万円までです。
コレでは建売業者等では全ての物件はカバーしきれない場合が出てくると思われます。
3.建設会社が倒産しないと保険が下りない
保険が適用されるのは破産、民事再生の申立て、会社更正手続開始、会社整理開始等が条件になります。
TVの建設会社の場合は業務停止で、会社が勝手に工事を止めているだけの状態。
いわゆる夜逃げです。
なんと、コレでは保険が適用されないんです。
ちゃんと社会的に倒産の手続きをしてくれないと保証会社も手を差し伸べてくれないんです。
そして、現場では雨ざらしのまま工事がストップしどんどん躯体が痛んでいきます。
4.工事中は建設会社の所有物
工事費を払っていても工事中の建物は建設会社の所有物になります。
施主と工務店は建設請負という契約を結んだだけなので、完成して引渡しを受けて初めてお施主さんの持ち物となるのです。
その為、途中倒産した場合の建物は勝手にいじって工事したりするわけにもいかず・・・
契約を解除してからでないと別の業者に頼めないんです。
(もちろんキチンと破産手続きをとっていれば問題なし)
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つまり、完成保証に入っているからって全く安心できないんです。
だから売建(宅地分譲+自由設計で建てるやつ)で、この保証に入っているからって事だけで建設会社を信用しないで財務状況を確認したりチェックが必要なんですね。
余りにも値引きが大きいのも危険です。
(きっと運転資金が足りなくて早くお金が欲しい場合があるから)
なんて事考えていると、何処も信用できなくなってしまいますね。
今まではこの保証に入れる会社ってのが一つのバロメータだと思っていたのですが、新たに他の物差しを探さなければいけませんね。
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それと、放送後に完成保証をもう少し掘り下げてチェックしていたら・・・
保証にもよるけど前払い工事費のみ保険対象(建設費の20%まで)のタイプや前払い工事費分と他の工務店で引き続き工事を行う場合の増減工事分(合計40%まで)まで保証を受けられるタイプがあります。
仮に3000万円の請負契約で契約時金として工事費の1/3。つまり1000万円を支払っていた場合に着工してすぐ建設会社が倒産してしまったら・・・
↓
600万円までしか保証は受けられないので400万円分は補償が受けられない事になります。
つまり、工事費の支払い方の契約によっては全然完成が保証されているというような代物ではなく注意が必要なんです。
とにかく過払いにならないように支払う条件を建設会社にのんでもらう。
もしそれを嫌がるようだったら工事はお願いすべきではありませんね。
う~んなんとも難しい世の中になってしまったものです。。。
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ともかく、「完成保証」という保証は保険会社が責任を持って最後まで建ててくれる訳でなく、完成できるようサポートしてくれる程度のものです。
このように完成出来ないケースも出てきますので、建設会社選びは慎重に行いましょう!