ようやくオランダ・フィンランド旅行のクライマックスであるマイレア邸の記事を書くことができました。
とはいえ、家族のクライマックスは前日訪れたムーミンワールドだったりするのですが(笑)
私は念願のアルヴァ・アールトの名作マイレア邸を見学でき大満足なのです。
※ムーワールドの記事は後日書く予定です
後で少しマイレア邸の見学方法等にも触れますが、
マイレア邸見学に当たり、マイレア財団のHPで申し込みが必要になります。
今回は子連れでの見学で、受け付けてもらえるかわからなかったので、予約の前につたない英語で問い合わせをしたのですが。。。
数日待っても返事が来ず。。。
この予約が確定しないと飛行機のチケットを確定できないだけにやきもきしてました。
その時見つけたのが、個人での通訳サービス。
そういった紹介サイトがあって、直接見積りを取ることができるのです。
マイレア邸の見学ツアーなどに申し込むより格段に安く、かなりなびいたのですが・・・
「もしかしたらマイレア邸のあるポリに在住の方で通訳の方がいたらもっと安くなるかも!!」と思いつき検索をしてたどり着いたのが、
ポリ在住のセルボ貴子さんです。
フィンランド人の旦那さんと結婚しポリに住み、大手企業や某TV局の通訳などを行っている方に出会うことができました。
その後は、貴子さんを通じて予約の手配などをしていただき、無事子供がいても見学ができること。
家族での見学だと、グループ見学という枠で少人数での案内ができることなどが解り、順調に予約見学を行うことができました。
この場で申し訳ありませんが、遅~いお礼となります。
本当にイロイロと助かりました。ありがとうごいざいます。
ポリへはヘルシンキの中央駅から途中の乗り換えを含め3時間ほど。
見学時間の指定があるため、朝6:37の急行列車に乗りやってきました。
ポリの駅では貴子さんが車で迎えに来てくれ、途中日本ではあまり知られていないアールト設計の建物などを案内していただきました。
そして白樺の森を抜け、たどり着いたのがこのマイレア邸です。
ご覧のように森の中にたたずんでいます。
天気はあいにくの曇り空。
写真ではうまく綺麗に残すことはできずとても悔しいですが、そんなことよりも、この時は時間内にイロイロ吸収しないと!
という意欲が勝り必死でした(笑)
昔は内部も自由に写真を撮ることができたようですが、現在は取材枠での見学を申し込まなければ内部の写真は撮ることができません。(400ユーロだったかな?がかかります)
外部は自由に写真を撮ることができます。
なので、後で雑誌等で見返すことができない部分をじっくり見ながら記憶を補完するための写真を撮りまくります。
やはり写真で見るのと違って、スケールや質感などイメージしていたのと違った部分が結構ありました。
建物が巨大すぎて、写真ではもっと華奢だと思っていたものが、結構な存在感なんですね。
それにしても、美しい外観です。
やはり、白塗りの壁と木のコントラストがいいですよね。
そして、それを囲む森も素晴らしいです。
プールの形はアールトのフラワーベースのような曲線です。
これが普通の四角いプールだったら台無しですよね。
さすがです!
そんな景色をサウナ室前の吊りベンチから眺めさせていただきました。
これは幸せすぎます。
こちらはバーベキューコーナー。
石積みの暖炉の裏はダイニングエリアの暖炉となり、一体で使う事の出来るような配置になっています。
マイレア邸で特徴的なのはこの柱。
他にも様々な形の柱があり、これらはマイレア邸のコンセプトでもある「森を家の中に」という考えを具現化したもの。
外からなら撮影しても大丈夫だという事でなんとか撮影したリビングの階段部分ですが、この手摺や右奥に見える黒い柱などもその考えによるもの。
こういった建物はそういったコンセプトによって導き出され造られます。
時には、そのコンセプトが主張しすぎてしまう作品も多いのですがとてもいいバランスだと思いました。
ツタでおおわれている部分はウィンターガーデンで、寒い冬に外の気配を感じられる場所で、内部は日本の暮らしをイメージした設えとなっています。
マイレ夫人のお気に入りの場所だったそうです。
ちょっとだけ外にも出れるみたいですね。
その2階はマイレ夫人の書斎で、この部屋だけは子供が一切立ち入りを許されない場所で、外観からも他とは違った特別な場所として認識できます。
話が前後しますが、
この「マイレア邸」という名前は
オーナー夫人のマイレという名とアールストレムという苗字の造語だそうです。
また、フィンランド語で「愛しい、すばらしい」といった意味だそうです。
アールト自信、とても愛情をこめて作った作品だと知られています。
そのマイレさんは製紙会社で成功したアールストレム社の経営者の娘で、美術を愛しピカソやマティスなどのコレクターでもあったようで、
自身でも画家として名を上げようと熱心に努力をした方でもあります。
その審美眼は格別で有名になる前の画家や芸術家の作品を集めて展覧会を開き、広く広めようとしていました。
また、後にアルヴァー・アールト、アイノ、ハールとともにあの「アルテック」を創った創業者でもあります。
このことからもわかるように、マイレさんはとても芸術に明るい方で、理解の深いオーナーだったのだと思います。
そのマイレさんについては見学中、マイレア財団の方から何度も説明がありました。
マイレア邸はアルヴァ・アールトの作品としての評価が高いですが、
実はアールトの奥さんのアイノとオーナー夫人のマイレさんの力があってこそ完成された芸術品なんだと強く感じました。
何度となく繰り返された設計変更
幾度となく増加した工事費
それでも、より良い家を作ろうという受け入れたオーナーの存在はとても大きいものだったと思います。
マイレア邸には今でもピカソやマティスの作品が普通に飾られています。
まるで美術館のような佇まいは、もはや住宅という域を超えています。
内部の見学では、スケッチを書き留めながら見学しましたが、やはりそこは文章のみではうまく伝えられないので割愛しますが、
写真で見た感じより、圧倒的に天井の高さが高く、全てスケールが大きかったです。
これはやはり空間を体感しないと解らないことですね。
これほど有名で、かねてから見学したかったマイレア邸ですが、竣工から約80年と経った現在でも名作中の名作ですね。
ただ美しい構図で切り取った建築作品ではなく、そこにはきちんと森の中で生活する姿が描かれており、住宅としても賞賛すべきものでした。
もちろん、規模も違うし、お手伝いさん等がいる前提の家と一般住宅とでは比べてもしかたないのですが、いい住宅を造ろうと思う信念はとても深いものでした。
同じような資金が充分な住宅の依頼はなかなかないと思いますが、限られた範囲の中で何か光るものを感じれる家づくりをしたいものですね。
---マイレア邸見学情報---
マイレア邸はヘルシンキより200km離れたポリという都市にあります。
見学には予約が必要で、英語・フィンランド語でのガイドツアーがあり、日にちや時間が限定されます。
マイレア邸を訪問希望の方はあらかじめマイレア財団のHPから予約をすることが必要になります
→マイレア財団のHP(マイレア邸の見学予約)
※マイレア邸はアールト財団でなくマイレア財団が管理しています
※私が訪問した直後から大規模な改修工事に入っています
2016年の見学はなく2017年以降の見学に関しては財団のHPで確認してください
→フィンランドの国鉄のHP
ヘルシンキ~ポリまでの鉄道のチケットを手配できます
事前予約割引あり
→フィンランドの格安バスの予約サイト
マイレア邸訪問以外にもイロイロ使えて便利です
事前予約割引あり
■今回お世話になった通訳さん
セルボ貴子さん
takako.servoアットマークkolumbus.fi
※アットマークを@に変えてくださいね
とても丁寧な対応で、通訳も見事でした。
貴子さんはかなり多忙な方のようで、場合によっては案内が旦那さんになることもあるという話でした。
(旦那さんも日本に留学経験があるのでおそらく日本語大丈夫かと。私たちは当日貴子さんが都合をつけられたので案内していただきました)
また、通常のツアーに混ざっての通訳は最近厳しくなっているようなので、その場合グループツアーとなるかもしれません。
2016年8月時点でマイレア財団に払う見学料は最低料金80ユーロでした
1人20ユーロなので4人以上であれば余分な出費はありません
■おすすめ書籍
マイレア邸/アルヴァー・アールト [ 松本淳 ]
マイレ邸までのマップが掲載されているほか、設計プロセスや図面、写真などマイレア邸の情がすべて詰まっています。
この一冊があれば、通訳がなくても見学は支障がないと思います
ヴィラ・マイレア―アルヴァ・アールト [ 斉藤 裕 ]
写真が圧倒的に綺麗です
ただし、新品の取り扱いはないかもしれないので、同じ斉藤裕氏のアールトの写真集もおすすめです
そちらには、マイレア邸以外にもアールト設計の邸宅の素晴らし写真がいっぱい掲載されています
★その他のおすすめ★
マイレア邸でDVDを購入できます。
写真が撮れませんでしたが、ムービーで邸内を再度確認することができるのでなかなか良いです。
あいにく、ナレーションは何をしゃべっているかはわかりませんが(笑)
写真の代わりに購入するのもよいと思います。
正確な値段忘れましたが2~3000円くらいだったと思います。
とはいえ、家族のクライマックスは前日訪れたムーミンワールドだったりするのですが(笑)
私は念願のアルヴァ・アールトの名作マイレア邸を見学でき大満足なのです。
※ムーワールドの記事は後日書く予定です
後で少しマイレア邸の見学方法等にも触れますが、
マイレア邸見学に当たり、マイレア財団のHPで申し込みが必要になります。
今回は子連れでの見学で、受け付けてもらえるかわからなかったので、予約の前につたない英語で問い合わせをしたのですが。。。
数日待っても返事が来ず。。。
この予約が確定しないと飛行機のチケットを確定できないだけにやきもきしてました。
その時見つけたのが、個人での通訳サービス。
そういった紹介サイトがあって、直接見積りを取ることができるのです。
マイレア邸の見学ツアーなどに申し込むより格段に安く、かなりなびいたのですが・・・
「もしかしたらマイレア邸のあるポリに在住の方で通訳の方がいたらもっと安くなるかも!!」と思いつき検索をしてたどり着いたのが、
ポリ在住のセルボ貴子さんです。
フィンランド人の旦那さんと結婚しポリに住み、大手企業や某TV局の通訳などを行っている方に出会うことができました。
その後は、貴子さんを通じて予約の手配などをしていただき、無事子供がいても見学ができること。
家族での見学だと、グループ見学という枠で少人数での案内ができることなどが解り、順調に予約見学を行うことができました。
この場で申し訳ありませんが、遅~いお礼となります。
本当にイロイロと助かりました。ありがとうごいざいます。
ポリへはヘルシンキの中央駅から途中の乗り換えを含め3時間ほど。
見学時間の指定があるため、朝6:37の急行列車に乗りやってきました。
ポリの駅では貴子さんが車で迎えに来てくれ、途中日本ではあまり知られていないアールト設計の建物などを案内していただきました。
そして白樺の森を抜け、たどり着いたのがこのマイレア邸です。
ご覧のように森の中にたたずんでいます。
天気はあいにくの曇り空。
写真ではうまく綺麗に残すことはできずとても悔しいですが、そんなことよりも、この時は時間内にイロイロ吸収しないと!
という意欲が勝り必死でした(笑)
昔は内部も自由に写真を撮ることができたようですが、現在は取材枠での見学を申し込まなければ内部の写真は撮ることができません。(400ユーロだったかな?がかかります)
外部は自由に写真を撮ることができます。
なので、後で雑誌等で見返すことができない部分をじっくり見ながら記憶を補完するための写真を撮りまくります。
やはり写真で見るのと違って、スケールや質感などイメージしていたのと違った部分が結構ありました。
建物が巨大すぎて、写真ではもっと華奢だと思っていたものが、結構な存在感なんですね。
それにしても、美しい外観です。
やはり、白塗りの壁と木のコントラストがいいですよね。
そして、それを囲む森も素晴らしいです。
プールの形はアールトのフラワーベースのような曲線です。
これが普通の四角いプールだったら台無しですよね。
さすがです!
そんな景色をサウナ室前の吊りベンチから眺めさせていただきました。
これは幸せすぎます。
こちらはバーベキューコーナー。
石積みの暖炉の裏はダイニングエリアの暖炉となり、一体で使う事の出来るような配置になっています。
マイレア邸で特徴的なのはこの柱。
他にも様々な形の柱があり、これらはマイレア邸のコンセプトでもある「森を家の中に」という考えを具現化したもの。
外からなら撮影しても大丈夫だという事でなんとか撮影したリビングの階段部分ですが、この手摺や右奥に見える黒い柱などもその考えによるもの。
こういった建物はそういったコンセプトによって導き出され造られます。
時には、そのコンセプトが主張しすぎてしまう作品も多いのですがとてもいいバランスだと思いました。
ツタでおおわれている部分はウィンターガーデンで、寒い冬に外の気配を感じられる場所で、内部は日本の暮らしをイメージした設えとなっています。
マイレ夫人のお気に入りの場所だったそうです。
ちょっとだけ外にも出れるみたいですね。
その2階はマイレ夫人の書斎で、この部屋だけは子供が一切立ち入りを許されない場所で、外観からも他とは違った特別な場所として認識できます。
話が前後しますが、
この「マイレア邸」という名前は
オーナー夫人のマイレという名とアールストレムという苗字の造語だそうです。
また、フィンランド語で「愛しい、すばらしい」といった意味だそうです。
アールト自信、とても愛情をこめて作った作品だと知られています。
そのマイレさんは製紙会社で成功したアールストレム社の経営者の娘で、美術を愛しピカソやマティスなどのコレクターでもあったようで、
自身でも画家として名を上げようと熱心に努力をした方でもあります。
その審美眼は格別で有名になる前の画家や芸術家の作品を集めて展覧会を開き、広く広めようとしていました。
また、後にアルヴァー・アールト、アイノ、ハールとともにあの「アルテック」を創った創業者でもあります。
このことからもわかるように、マイレさんはとても芸術に明るい方で、理解の深いオーナーだったのだと思います。
そのマイレさんについては見学中、マイレア財団の方から何度も説明がありました。
マイレア邸はアルヴァ・アールトの作品としての評価が高いですが、
実はアールトの奥さんのアイノとオーナー夫人のマイレさんの力があってこそ完成された芸術品なんだと強く感じました。
何度となく繰り返された設計変更
幾度となく増加した工事費
それでも、より良い家を作ろうという受け入れたオーナーの存在はとても大きいものだったと思います。
マイレア邸には今でもピカソやマティスの作品が普通に飾られています。
まるで美術館のような佇まいは、もはや住宅という域を超えています。
内部の見学では、スケッチを書き留めながら見学しましたが、やはりそこは文章のみではうまく伝えられないので割愛しますが、
写真で見た感じより、圧倒的に天井の高さが高く、全てスケールが大きかったです。
これはやはり空間を体感しないと解らないことですね。
これほど有名で、かねてから見学したかったマイレア邸ですが、竣工から約80年と経った現在でも名作中の名作ですね。
ただ美しい構図で切り取った建築作品ではなく、そこにはきちんと森の中で生活する姿が描かれており、住宅としても賞賛すべきものでした。
もちろん、規模も違うし、お手伝いさん等がいる前提の家と一般住宅とでは比べてもしかたないのですが、いい住宅を造ろうと思う信念はとても深いものでした。
同じような資金が充分な住宅の依頼はなかなかないと思いますが、限られた範囲の中で何か光るものを感じれる家づくりをしたいものですね。
---マイレア邸見学情報---
マイレア邸はヘルシンキより200km離れたポリという都市にあります。
見学には予約が必要で、英語・フィンランド語でのガイドツアーがあり、日にちや時間が限定されます。
マイレア邸を訪問希望の方はあらかじめマイレア財団のHPから予約をすることが必要になります
→マイレア財団のHP(マイレア邸の見学予約)
※マイレア邸はアールト財団でなくマイレア財団が管理しています
※私が訪問した直後から大規模な改修工事に入っています
2016年の見学はなく2017年以降の見学に関しては財団のHPで確認してください
→フィンランドの国鉄のHP
ヘルシンキ~ポリまでの鉄道のチケットを手配できます
事前予約割引あり
→フィンランドの格安バスの予約サイト
マイレア邸訪問以外にもイロイロ使えて便利です
事前予約割引あり
■今回お世話になった通訳さん
セルボ貴子さん
takako.servoアットマークkolumbus.fi
※アットマークを@に変えてくださいね
とても丁寧な対応で、通訳も見事でした。
貴子さんはかなり多忙な方のようで、場合によっては案内が旦那さんになることもあるという話でした。
(旦那さんも日本に留学経験があるのでおそらく日本語大丈夫かと。私たちは当日貴子さんが都合をつけられたので案内していただきました)
また、通常のツアーに混ざっての通訳は最近厳しくなっているようなので、その場合グループツアーとなるかもしれません。
2016年8月時点でマイレア財団に払う見学料は最低料金80ユーロでした
1人20ユーロなので4人以上であれば余分な出費はありません
■おすすめ書籍
マイレア邸/アルヴァー・アールト [ 松本淳 ]
マイレ邸までのマップが掲載されているほか、設計プロセスや図面、写真などマイレア邸の情がすべて詰まっています。
この一冊があれば、通訳がなくても見学は支障がないと思います
ヴィラ・マイレア―アルヴァ・アールト [ 斉藤 裕 ]
写真が圧倒的に綺麗です
ただし、新品の取り扱いはないかもしれないので、同じ斉藤裕氏のアールトの写真集もおすすめです
そちらには、マイレア邸以外にもアールト設計の邸宅の素晴らし写真がいっぱい掲載されています
★その他のおすすめ★
マイレア邸でDVDを購入できます。
写真が撮れませんでしたが、ムービーで邸内を再度確認することができるのでなかなか良いです。
あいにく、ナレーションは何をしゃべっているかはわかりませんが(笑)
写真の代わりに購入するのもよいと思います。
正確な値段忘れましたが2~3000円くらいだったと思います。