ライフスタイルをデザインする建築家の・・・ライフスタイル

ライフスタイルをテーマに建築家の日常を綴っています。
最近は子育てを中心に時々建築話、旅行記や映画の事を綴っています。

専門家に求められる想定とは?~難しい選択

2011-04-18 22:21:19 | ■建築話
東日本大震災が起きて1ヶ月以上経ちました。
直接的な震災被害を受けていない我々もなかなかもとの生活に戻れないでいますが、そろそろ気持ちを切り替え無ければなりません。

幸いな事に我家では娘が保育園に通い出し、嫁さんも仕事復帰し新しい生活が始まった事で気持の整理もつくようになりました。
しかし、ただ生活する事だけであればそれでいいのですが・・・
家を造る(設計する)という仕事をする上では、今までの延長で仕事をするわけにはいかないと思っています。

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”想定外”という言葉がニュースなどで良く聞かれますが、そのほとんどが想定できなかった事を意味するのではなく、想定しなかったという事を指しているかと思います。
コレは住宅の設計でも当てはまる事で、地震の規模や台風に対する設計は建築基準法で線引きされた性能を確保する事が目標となっているんですね。
つまり、基準法の根拠となる災害規模が”想定”でそれ以上の震災は”想定外”という事になります。
ですが、もちろんそれ以上の震災が起きる可能性はあるわけですし...

津波に対する備えは基本的に考えなくていい事になっているのです。

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ここで、私たち建築家はどのように設計を続ければいいのかが問われるのです。
幸い今回の震災で、地震によって被害を受けた建物は少なかったように思います。
ですから、今の基準でそれなりに強度が確保されていると考えることも出来るのですが・・・

構造は被害が無くても天井が落下したりどんな所に危険が潜んでいるか計り知れないのです。

だからといってさらに強度を確保するのか?
もちろん建設費も多く掛かる事になるし・・・
開口部が少なく暗い建物になってしまうんです。

もちろん間取りもつまらない家になりかねません。

震災に備え、強度重視の家造りも一つの答えだし、
やはり暮らしの豊かさを重視した住まい方も重要だと思うのです。

その両立が可能な住宅が出来れば一番なんですけど・・・
私個人の力ではとてもかないそうにありません。

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では、どうすればいいのだろう?
約一ヶ月間悩み続けているんですが、なかなか答えにたどりつかないんですね。。。

想定を止めた”想定外”の砦の中で自分の仕事に誇りを持つことは簡単ですが・・・
その想定を諦める事の苦しさ。
難しさ。

それが私たち建築家に課せられた仕事、課題と言ってもいいかもしれません。

絶対地震で壊れない家を設計すること。
津波で被害を受けない建物を作ることはできません。

なんだか考えれば考えるほど良くわからなくなります。

とにかく考えても答えが見えないし、自分の設計に活かせる具体的なアイデアが出てくるわけではないのだけど、やはりまずは設計監理をしっかり行うしかありません。
設計した耐力がきちんと確保でるように施工されているのか?
そういった基本の積み重ねを行っていく事。

今まで通りの設計を行い、技術を積み上げて防災的にも優れた家を設計するように心掛けていくのが最良なのでしょうかね。

う~ん本当に責任の重い仕事ですね。
頑張らないと!


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