このコーナーではakatukiが自宅建設の為に日々奮闘する様子を記事にしております。
自宅建設と同時進行で書き綴っている為、初めて記事を読まれる方は第一話からご覧ください。
すこしづつ更新していきますので、お引き立ての程宜しくお願いいたします。
◆建築家の自邸・二世帯住宅建設記の目次はこちらから
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前回に続き、今回はSE工法の建て方をご紹介します。
と、SE工法の建て方は私自身も初めてで、しっかりと観察したかったんですけど・・・
他物件の打ち合わせが長引き現場に到着したらもう上棟していました・・・
早い!
前日、母親世帯の建て方の時にもう材料の搬入は終わっていたので、この日は組み立てるだけ。
柱、梁にこのように予め金物が取り付いており、部材に刻んだスリットに差込み・・・
このドリフトピンと呼ぶ込み栓で留めつけます。
金物にはこのように2~4個の穴が空いていてそこに柱を差込み留めつけるだけで簡単に施工できるのです。
接合部を拡大するとこのようになっています。
軸組み在来工法のレポートと比較して見ていただくと解りやすいのですが・・・
金物が全て柱梁の中に隠れてスッキリしています。
木造で最大の弱点となる接合部を金物で留めつける事によって安全性を増しています。
柱脚部分はこのように基礎に直接金物が取り付き柱を留めています。
軸組み在来のように一旦土台を介して力を伝達するのでなく直接基礎に力を伝えています。
また、管柱(2階の柱で止まる短い柱)など、構造的にあまり重要でない柱は土台の上に金物が取り付き柱が立てられています。
建物の柱は地震の時には引き抜かれる方向で力が働く事があり、その値によって変えているのです。
柱を二本抱き合わせて使う個所があるので、ここを見れば側面がそれぞれどのようになっているか解ると思います。
SE工法の場合。利用する木材は全て集成材となります。
それは無垢の材料だと、部材の切り出す場所や節の場所、産地によって木の強度にバラツキが出て、構造計算しても実際そのようにならないから。
集成材であれば、実験によって裏づけされた強度の材料を使う事が出来、より信頼のおける構造躯体となるのです。
通し柱も、柱の外側に金物が取り付くので、軸組み在来工法と比べて断面欠損が少なく安心です。
強度的な話は、一言でどちらが優れているというような事は出来ないのですが・・・
SE工法の最大の利点は、耐力壁を減らし大空間を構成できる事です。
通常の壁の量より少なく構造が成り立つので狭い間口でも駐車場や大開口を設ける事が出来るのが最大の利点です。
もちろんコスト的には在来工法より割高にはなるのですが、それで得られる設計の自由度はとても魅力的です。
キッチンやクロスなどは後から簡単に模様替えが出来ますが、構造の柱や壁は後からでは容易に変更が出来ません。
50年、100年とこの家に住み続ける為には、自由度の高い構造方式の選択も必要になると思っています。
この家で一番無理をしているのがこのオーバーハング部分(二階部分が跳ねだしている)。
在来工法では難しいとされた1365mmの跳ね出しで、100㎡以内という面積制限の中で作り出した間取りにおいてどうしてもこうせざるを得なかった場所。
クリープといって長期の変形が若干心配ではあるのですが、かなり大きな部材を多用しているので問題が起きないと思ってます。
屋根は根太(屋根の下地材)を留める欠きこみ穴が設けられてます。
隣地に向かって設ける窓の再チェック。
まずは駐輪場側に設ける窓の位置をチェック。
二階の寝室に設ける窓もいい感じ。
ガラスの選択をちょっと待ってもらっていたのですが、このままトーメイのガラスで進める事にします。
二階の洗面所からの眺め。
手摺の高さなど再度チェックして進めます。
建て方の最中を見ることが出来なく残念ですが、それだけ順調に工事が進んだ事は喜ばしい事であります。
ここでまず一区切り。
コレからドンドン工事が進んでしまうので仕様を決めていかなければなりません・・・
■軸組み在来工法の上棟レポートはこちらから
自宅建設と同時進行で書き綴っている為、初めて記事を読まれる方は第一話からご覧ください。
すこしづつ更新していきますので、お引き立ての程宜しくお願いいたします。
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前回に続き、今回はSE工法の建て方をご紹介します。
と、SE工法の建て方は私自身も初めてで、しっかりと観察したかったんですけど・・・
他物件の打ち合わせが長引き現場に到着したらもう上棟していました・・・
早い!
前日、母親世帯の建て方の時にもう材料の搬入は終わっていたので、この日は組み立てるだけ。
柱、梁にこのように予め金物が取り付いており、部材に刻んだスリットに差込み・・・
このドリフトピンと呼ぶ込み栓で留めつけます。
金物にはこのように2~4個の穴が空いていてそこに柱を差込み留めつけるだけで簡単に施工できるのです。
接合部を拡大するとこのようになっています。
軸組み在来工法のレポートと比較して見ていただくと解りやすいのですが・・・
金物が全て柱梁の中に隠れてスッキリしています。
木造で最大の弱点となる接合部を金物で留めつける事によって安全性を増しています。
柱脚部分はこのように基礎に直接金物が取り付き柱を留めています。
軸組み在来のように一旦土台を介して力を伝達するのでなく直接基礎に力を伝えています。
また、管柱(2階の柱で止まる短い柱)など、構造的にあまり重要でない柱は土台の上に金物が取り付き柱が立てられています。
建物の柱は地震の時には引き抜かれる方向で力が働く事があり、その値によって変えているのです。
柱を二本抱き合わせて使う個所があるので、ここを見れば側面がそれぞれどのようになっているか解ると思います。
SE工法の場合。利用する木材は全て集成材となります。
それは無垢の材料だと、部材の切り出す場所や節の場所、産地によって木の強度にバラツキが出て、構造計算しても実際そのようにならないから。
集成材であれば、実験によって裏づけされた強度の材料を使う事が出来、より信頼のおける構造躯体となるのです。
通し柱も、柱の外側に金物が取り付くので、軸組み在来工法と比べて断面欠損が少なく安心です。
強度的な話は、一言でどちらが優れているというような事は出来ないのですが・・・
SE工法の最大の利点は、耐力壁を減らし大空間を構成できる事です。
通常の壁の量より少なく構造が成り立つので狭い間口でも駐車場や大開口を設ける事が出来るのが最大の利点です。
もちろんコスト的には在来工法より割高にはなるのですが、それで得られる設計の自由度はとても魅力的です。
キッチンやクロスなどは後から簡単に模様替えが出来ますが、構造の柱や壁は後からでは容易に変更が出来ません。
50年、100年とこの家に住み続ける為には、自由度の高い構造方式の選択も必要になると思っています。
この家で一番無理をしているのがこのオーバーハング部分(二階部分が跳ねだしている)。
在来工法では難しいとされた1365mmの跳ね出しで、100㎡以内という面積制限の中で作り出した間取りにおいてどうしてもこうせざるを得なかった場所。
クリープといって長期の変形が若干心配ではあるのですが、かなり大きな部材を多用しているので問題が起きないと思ってます。
屋根は根太(屋根の下地材)を留める欠きこみ穴が設けられてます。
隣地に向かって設ける窓の再チェック。
まずは駐輪場側に設ける窓の位置をチェック。
二階の寝室に設ける窓もいい感じ。
ガラスの選択をちょっと待ってもらっていたのですが、このままトーメイのガラスで進める事にします。
二階の洗面所からの眺め。
手摺の高さなど再度チェックして進めます。
建て方の最中を見ることが出来なく残念ですが、それだけ順調に工事が進んだ事は喜ばしい事であります。
ここでまず一区切り。
コレからドンドン工事が進んでしまうので仕様を決めていかなければなりません・・・
■軸組み在来工法の上棟レポートはこちらから
構造の見極めはとても難しいんですよね。
やはり軸組み在来で可能ならそちらの方が安いし、予算と相談しながら決める必要があると思うのですが・・・
確かに、設計の自由度という意味では群を抜いています。
構造計算をして安心な反面、まだ巨大地震に被災して検証された実績が少ない所が唯一心配な所ですかね・・・
SE工法は気持が良いくらいにすっきりしていて元職場の鉄骨の骨組とさして変わらぬ感じがします。
設計の自由度も高くて現場作業も少ないって理想的なんだけど、その分職人さんの技も減って行ってしまうのかなぁと思うと複雑です。
そう、2棟並んでいるとSE工法は本当にしっかりしていてかつ、スッキリしているのが良く解ります。
工務店の方が他のお客さんを案内して見せてたんですけど、効果抜群です。
ほんと、職人さんの未来には不安が残るけど、安定した性能を供給するにはしょうがないことなんですかねぇ~
おっしゃる通りですよね。
そういう工法を選択する我々の責任もありますが、様々な工夫と改良で工期短縮、建築コストの縮減という流れの中で、我々も難しい立場をとらされています。
建築業界全体で、そういった職人育成の芽を摘むことなく育てる環境作りが必要だと思うんですけどね・・・