● 願わくは 花の下にて春死なむ その如月の 望月の頃
西行法師(1118-1190)
平安末期から鎌倉初期の歌僧で俗名/佐藤義清(のりきよ)である。
もと北面の武士で23歳で謎の出家、陸奥から四国・九州まで諸国を旅した。
述懐歌にすぐれ「新古今集」では最高の94首が入集している。
家集「山家集」、聞書「西公談抄」がある。
「撰集抄」は仮託だが後世の西行観に大きな影響を与えた。
西行は、如月(2月)の望(もち)の日・15日の満月の頃、花(山桜)の下で、
死にたいと願い、この歌に心を込めた。
陰歴2月は現代の中春の頃に当たる、桜の季節である。
又、2月15日(望の日)はお釈迦様の「入滅の日」でもある。
西行は、建久元年(1190)2月16日願い通り没している。
河内の国(大阪府南河内郡)の弘川寺で、享年73歳の生涯を終えた。
西行の願いの通り、河内の国は、絢爛たる桜の満開の頃であったことだろう。