● 少年老い易く 学なり難し
一寸の光陰 軽んずるべからず
時は移ろい悠久の流れは、水の流の如く止まることなし。
既に、光陰人生の旅は、「 白秋 」も半ばを迎える。
「少年老い易く」は夢現のうちに過ぎ、真実を実感する。
「学なり難し」は更に真実と知り、己の非才と未熟を嘆く他なし。
「一寸の光陰」を思えば残光わずかなり。その先は無限の闇か・・。
「軽んずるべからず」と知るも、志に反し意のままにならず。
われ至りて、「棺覆っても定まらず」との予感に心定まらず。
この先に続くは、遙かに遠い「1人旅の細き道」なり。
風は枯葉を巻いて胸に吹き。心細さこの上なし。
振り返る昔は「後悔」と「無念」の夢跡。
願うは、いつの日か顔知らぬ父母に会えることのみ。
心は寒く、体は冷たく、傷は更に深く悲しけれど。
今しばらくの生命の炎を燃やさん。
われは我なり、他人にあらず。老兵なれど未だ枯れず。
独りなれど、最後の気力振り絞って道を歩かん。
道に光を、1杯の酒、花1輪は見果てぬ夢か・・。