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歯科技工士・岩澤 毅

真野俊樹(著) 入門 医療政策 - 誰が決めるか、何を目指すのか (中公新書)

2012年09月20日 | amazon.co.jp・リストマニア
良くぞ新書一冊に, 2012/9/20

By 歯職人

 医療政策学の歴史、学問的背景、利害関係者による現実の攻防、世界的の潮流。これらを新書サイズにまとめ尚且つ、水準を保ち、現代的課題に切り込んだ一冊です。
 「医療、年金、介護」は、国民の暮らしの身近な課題であり現代の国家財政の主要課題である。この課題から、世界のどこにも模範解答が無い医療を政策学の観点から、「誰が決めるか、何を目指すのか 」と副題にあるとおり、日本の近代史と国民の意識を踏まえた「処方箋の探し方」を探る一冊です。
 第4章「医療を支える学問―経済学以外の学問」は、経済学的切り口では獲得しえない視点を提示している。
 特に第五章「諸外国の医療政策と医療の実態」は、発展著しいアジアに対する目配りが行き届いている。
 著者は他の著作を見ると、医療を産業として成長させることに可能性を見る立場かと思うが、本書においては、入門書との位置付けからか抑制が効いている。
 是非、医療関係職種に従事する人々にお読みいただきたい一冊です。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4121021770/ref=cm_cr_mts_prod_img

ニュウモンイリョウセイサク ダレガキメルカナニヲメザスノカ チュウコウシンショ
中公新書
入門医療政策―誰が決めるか、何を目指すのか


真野 俊樹【著】
中央公論新社 (2012/08/25 出版)

277p / 18cm
ISBN: 9784121021779
NDC分類: 498.13

価格: ¥924 (税込)

詳細

高齢者医療費の増大、TPP参加と皆保険制度等、日本の医療は嵐のなかにある。
また、医療者・政府・患者等、関係者の利害対立も激しさを増している。
これまでは“カンと度胸”で決定されてきた医療政策も、いまやデータの裏付け・検証や理論に基づく施策が求められている。
本書は、医療政策の課題、学問的裏付け、決定過程の実態、諸外国の例、今後の展望について解説し、新たな学問としての医療政策学の必要性を説く。


第1章 現在の医療の政策課題
第2章 日本の医療の歴史と特徴
第3章 医療政策を支える学問―医療経済学
第4章 医療を支える学問―経済学以外の学問
第5章 諸外国の医療政策と医療の実態
第6章 日本の医療政策のプレーヤーとスタンス
第7章 日本の医療政策における対立の本質
第8章 日本の医療の今後と政策への提言
TPP参加と国民皆保険、後期高齢者医療問題など、日本の医療が混迷を極める今、確かなデータや理論に基づく政策の必要性を提言。


著者紹介

真野俊樹[マノトシキ]
1961年(昭和36年)、名古屋市生まれ。87年、名古屋大学医学部医学科卒業。95年、コーネル大学医学部(薬理学)研究員。2000年、レスター大学大学院でMBAを取得。2004年、京都大学で博士(経済)を取得。国立医療・病院管理研究所協力研究員、昭和大学医学部講師等を経て、多摩大学医療リスクマネジメント研究所教授。専攻、医療経済・経営学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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