日本歯科技工士会
『日本歯技』4月号 巻頭言
4月1日,新公益法人として始動
2012年4月1日,本会は登記手続きを終え,新公益法人として始動した.過去の継続の上に公益社団法人日本歯科技工士会が新生した.改めて,本会を社団法人として設立された先達,今日まで本会を支えられた先人,新公益法人制度改革への対応の準備に携わった役職員,様々な助言や手助けをいただいた関係者に改めて感謝を申し上げるとともに,公益認定取得と諸手続きの完了の喜びを会員と共有したい.
当初,この新公益法人制度改革では,内閣府公益認定等委員会事務局をはじめとする関係者にも,「民による公益の増進」という高邁な理念を前に,やや未消化な方針提示や厳格に過ぎる手続きを求める動きなどが見受けられた.
実務が進行する中,内閣府公益認定等委員会は,特例民法法人の実務者をはじめとする現場の声に良く耳を傾けていただき,社会に貢献する公益活動を行う志を持つ団体を幅広く援助し,多様化する社会を民間の側から支える活動を支援していく立場をより明確に打ち出していただいた.(※)
本会は今回の改革に取り組む中で,「歯科技工士会にとって,公益活動とは何か」を,地域組織の代表者を交え様々なレベルで繰り返し討議を重ねてきた.その過程は我々の存在意義を探る過程でもあった.
得られた答えは,本会の公益活動は先達が目指した本会設立の原点であり,本会の歴史に刻まれたものであるということだ.この機に,より一層社会に求められる新たな公益活動に応え,社会に対する説明責任・情報公開とセルフ・ガバナンスを充実させなければならない.4月1日,登記と時を同じくして本会ホームページも新公益法人に相応しいものとして一新された.準備は整った.
来る6月,新たな定款,代議員選挙規程及び社員総会議事規則による社員総会が開催される.社員総会の成立により本会の意思決定と執行を担う両輪が駆動を開始する.記念すべき新公益法人初年度が,今まさに幕を開ける.
※ 池田守男(内閣府公益認定等委員会委員長):「震災を乗り越え,今年が新しい公益の活動元年となるように」:時評:平成23年6月号