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歯科技工士・岩澤 毅

片田 珠美 (著) 一億総ガキ社会 「成熟拒否」という病 (光文社新書)

2010年08月15日 | amazon.co.jp・リストマニア
我々が望んだ社会, 2010/8/15

By 歯職人

 過去にも精神分析医や心理学者が、その時々の事件や過去の文学作品に対する分析を通して時代と人の精神を描こうとしてきた。本作は、「成熟拒否」を手がかりにに1990年代以降の日本社会を描く。
 著者の取り上げる事件とそれらを分析するための、「不登校」、「ひきこもり」、「他責的社会」、「モンスターペアレント」、「依存症」、「自己愛」と、キーワードと共に著者の見解が続く。
 過去にありがちだった「自立しない若者論」の類から、全世代を対象に「一億総ガキ社会」と現代日本の社会に切り込むことを試みたのが本作である。
 わずか798円 (税込)に日本社会の日本の処方箋まで求めても致し方ないが、2010年のスケッチとしては十分役割を果たしている。
 確かに言えることは、私の周りにもある現実という再確認である。

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イチオクソウガキシャカイ セイジュクキョヒトイウヤマイ コウブンシャシンショ
光文社新書
一億総ガキ社会―「成熟拒否」という病

片田 珠美【著】
光文社 (2010/07/20 出版)

248p / 17cm
ISBN: 9784334035723
NDC分類: 493.7
価格: ¥798 (税込)

詳細
「スゴイ自分」(=幻想)を保つためなら何でもする…急増するひきこもりや新型うつ病、何でも他人のせいにするクレーマー、覚醒剤や合成麻薬などの依存症。
精神分析からのアプローチ。


第1章 「打たれ弱い」という病(不登校は誰にでも起こりうる、という認識;ひきこもりの長期化 ほか)
第2章 一億総「他責的」社会(モンスターペアレントは「他責」の象徴;ベテラン教師も疲れ果てる ほか)
第3章 依存症―自己愛の底上げ(マイケル・ジャクソン―「大きな子ども」の典型;失われた子ども時代 ほか)
第4章 大人になるってどういうこと?―対象喪失とは何か(最大の対象喪失である「自らの死」;キューブラー・ロスの「死の五段階」説 ほか)
第5章 子どもを子どものままにしないために(処方箋)(「~しない生き方」を実行するのは難しい;問題点に「気づき」、構造を理解する ほか)

著者紹介
片田珠美[カタダタマミ]
1961年広島県生まれ。精神科医。大阪大学医学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。人間・環境学博士(京都大学)。フランス政府給費留学生としてパリ第八大学でラカン派の精神分析を学ぶ。臨床経験にもとづいて、心の病の構造を分析。現在、神戸親和女子大学教授。京都大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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