文献番号 200835064A
研究課題 歯科補綴物の多国間流通に関する調査研究
研究年度 平成20(2008)年度
報告書区分 総括
主任研究者(所属機関) 宮崎 秀夫(国立大学法人新潟大学 大学院医歯学総合研究科)
分担研究者(所属機関) 佐藤 博信(福岡歯科大学)、末瀬 一彦(大阪歯科大学歯科技工士専門学校)、阿部 智(神奈川歯科大学)
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
開始年度 平成20(2008)年度
終了予定年度 平成21(2009)年度
研究費 3,500,000円
概要版 研究目的:
日本で開設されている歯科診療所で取り扱う海外で製作された補綴物の流通について,受注側と供給側の視点からその実態を明らかにすることである。
研究方法:
日本歯科医師会会員 61,460名(平成20年9月30日現在)の5%(3,073名)を無作為抽出し,アンケート形式による往復郵送調査法を行った。質問事項は基本的属性,補綴物の製作状況に関するものであり,海外に補綴物を発注したことがある人についてはさらに,海外への発注開始時期,発注国,方法,発注補綴物の種類および量,発注理由・きっかけなどについてである。流通経路に関する海外調査については,主として中国の輸出型大規模技工所の実態調査および歯科技工関係者へのインタビューに基づいている。
結果と考察:
アンケート回収率は65.8%と比較的高く,各県別のばらつきが比較的少ないことから,全国的な傾向をみるのに適正かつ有効なデータが得られた。日本の実態として,常勤の技工士1名以下がほとんどであり,多くの診療所が歯科技工物製作の多くを外注しており,最近の歯科技工の外注傾向が高い時勢を的確に反映していた。全回答者(2,021名)のうち7.4%が「海外に歯科補綴物を発注した経験あり」と回答した。海外への発注は平成18年以前からが69.3%,平成19年からが24.0%,平成20年からが6.7%となっていた。具体的な歯科補綴物の海外への発注状況をみると「ノンクラスプ義歯」が78.0%,「オールセラミッククラウン・ブリッジ(ラミネート,インレー,コーピングのみも含む)」8.7%,「金属床義歯(フレームのみも含む)」と「陶材焼付クラウン・ブリッジ」がそれぞれ6.0%となっていた。海外に補綴物を発注している理由については,「国内で作成する技術・材料がない」46.0%,「取引先の歯科技工所に勧められる」24.7%,「値段が安い」23.3%,「精度がよい」10.0%となっていた。歯科補綴物の供給国である中国の輸出型大規模歯科技工所は台湾・香港・大陸資本が中心で華南地区に集中していた。ISOなどの国際基準を取得することで工程・品質管理を行い,材料は主に日本・欧米系のものを使用し,FDA認証やCEマークなどの認証を得ていた。
結論:
全国歯科医師のアンケート調査により,海外に補綴物製作を発注する割合は7.4%と低く,その発注先は中国で,ノンクラスプ義歯が多かった。中国の輸出型大規模歯科技工所ではISOを取得して工程管理を行い,歯科補綴物の材料には欧米の各認証を得たものを使用していた。
公開日 2009年03月30日
更新日 -
研究報告書
ファイルリスト 200835064A0001.pdf 200835064A0002.pdf 200835064A0003.pdf 200835064A0004.pdf 200835064A0005.pdf
公開日 2009年09月30日
更新日 -
研究課題 歯科補綴物の多国間流通に関する調査研究
研究年度 平成20(2008)年度
報告書区分 総括
主任研究者(所属機関) 宮崎 秀夫(国立大学法人新潟大学 大学院医歯学総合研究科)
分担研究者(所属機関) 佐藤 博信(福岡歯科大学)、末瀬 一彦(大阪歯科大学歯科技工士専門学校)、阿部 智(神奈川歯科大学)
研究区分 厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
開始年度 平成20(2008)年度
終了予定年度 平成21(2009)年度
研究費 3,500,000円
概要版 研究目的:
日本で開設されている歯科診療所で取り扱う海外で製作された補綴物の流通について,受注側と供給側の視点からその実態を明らかにすることである。
研究方法:
日本歯科医師会会員 61,460名(平成20年9月30日現在)の5%(3,073名)を無作為抽出し,アンケート形式による往復郵送調査法を行った。質問事項は基本的属性,補綴物の製作状況に関するものであり,海外に補綴物を発注したことがある人についてはさらに,海外への発注開始時期,発注国,方法,発注補綴物の種類および量,発注理由・きっかけなどについてである。流通経路に関する海外調査については,主として中国の輸出型大規模技工所の実態調査および歯科技工関係者へのインタビューに基づいている。
結果と考察:
アンケート回収率は65.8%と比較的高く,各県別のばらつきが比較的少ないことから,全国的な傾向をみるのに適正かつ有効なデータが得られた。日本の実態として,常勤の技工士1名以下がほとんどであり,多くの診療所が歯科技工物製作の多くを外注しており,最近の歯科技工の外注傾向が高い時勢を的確に反映していた。全回答者(2,021名)のうち7.4%が「海外に歯科補綴物を発注した経験あり」と回答した。海外への発注は平成18年以前からが69.3%,平成19年からが24.0%,平成20年からが6.7%となっていた。具体的な歯科補綴物の海外への発注状況をみると「ノンクラスプ義歯」が78.0%,「オールセラミッククラウン・ブリッジ(ラミネート,インレー,コーピングのみも含む)」8.7%,「金属床義歯(フレームのみも含む)」と「陶材焼付クラウン・ブリッジ」がそれぞれ6.0%となっていた。海外に補綴物を発注している理由については,「国内で作成する技術・材料がない」46.0%,「取引先の歯科技工所に勧められる」24.7%,「値段が安い」23.3%,「精度がよい」10.0%となっていた。歯科補綴物の供給国である中国の輸出型大規模歯科技工所は台湾・香港・大陸資本が中心で華南地区に集中していた。ISOなどの国際基準を取得することで工程・品質管理を行い,材料は主に日本・欧米系のものを使用し,FDA認証やCEマークなどの認証を得ていた。
結論:
全国歯科医師のアンケート調査により,海外に補綴物製作を発注する割合は7.4%と低く,その発注先は中国で,ノンクラスプ義歯が多かった。中国の輸出型大規模歯科技工所ではISOを取得して工程管理を行い,歯科補綴物の材料には欧米の各認証を得たものを使用していた。
公開日 2009年03月30日
更新日 -
研究報告書
ファイルリスト 200835064A0001.pdf 200835064A0002.pdf 200835064A0003.pdf 200835064A0004.pdf 200835064A0005.pdf
公開日 2009年09月30日
更新日 -