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歯科技工士・岩澤 毅

襲われて―産廃の闇、自治の光 (単行本) 柳川 喜郎 (著)

2009年09月03日 | amazon.co.jp・リストマニア
落下傘インテリ町長に、振り下ろされたテロル, 2009/9/3

By 歯職人

 縁があり、NHK記者・解説員から岐阜県御嵩町町長に転身し、産業廃棄物処理場の建設計画に遭遇した柳川喜郎氏。
 本書は、「対行政テロ」により瀕死の重傷を負った当事者の柳川喜郎氏の回想録であり、産業廃棄物処理場をめぐるルポであり、国の行政、県の行政、町の自治、住民の自治の記録である。
 飄々とした筆の運びが、過剰な切迫感も無く、淡々と過疎の町の状況と分厚い札束の攻勢を前にした人の生き方の選択を描き出す。
 住民自治が単なる当該自治体の行政区域によるものに留まらず、日常的な経済交流圏の連帯的自治であったり、水系を同じくするものの生活圏的自治であったり、歴史的記憶を共有するものの文化としての自治あったりと、住民自治を支える多種多様な自治が行間から浮かび上がる。



オソワレテ サンパイノヤミジチノヒカリ
襲われて―産廃の闇、自治の光

柳川 喜郎【著】
岩波書店 (2009/07/24 出版)

291p / 19cm / B6判
ISBN: 9784000224000
NDC分類: 519.7
価格: ¥2,205 (税込)

詳細
緑の谷を産業廃棄物で埋め尽くし、「東洋一」の処分場に―。
一九九〇年代に岐阜県御嵩町で浮上した巨大計画は、慎重な姿勢の町長への襲撃事件と住民投票での圧倒的反対で全国の注目を集めた。
暴力・金力・権力と対決したその前町長が、退任後の今、生々しい体験を初めて克明につづり、利権に群がる魑魅魍魎の姿を描くとともに、廃棄物・環境問題の展望を明らかにする。


第1章 舞い降りた異端の町長
第2章 魅入られた木曽川の谷
第3章 町民の知らぬところで
第4章 処分場計画との対決
第5章 不条理への疑問と懸念
第6章 甘い蜜に群がる魑魅魍魎たち
第7章 嵐のなかの住民投票
第8章 「カネより命」の選択
第9章 産廃の呪縛を解く

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