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歯科技工士・岩澤 毅

第三節 適正な医療等の促進 医療の信頼性の確保向上のための医療情報

2001年09月27日 | 民主党
第三節 適正な医療等の促進


(医療技術評価の促進等)
第三十条
  国は、医療技術の普及及び医療の質の向上等に資するため、医療技術に関する情報の収集、評価、整理及び提供等が行われるための基盤の整備、医療技術に関する評価の方法の研究開発の推進、医療技術に関する評価に係る成果を普及させるための環境の整備その他医療技術に関する評価及びそれに係る成果の活用の促進に関し必要な施策を講ずるものとする。

2 医療機関その他の関係機関及び医療従事者その他の関係者は、国が講ずる前項の施策に協力するとともに、自主的かつ主体的に医療技術に関する評価及びそれに係る成果の活用に取り組むよう努めるものとする。


(医療機関及び医療機関が提供する医療に関する評価の促進)
第三十一条
  国は、良質かつ適切な医療の確保及び医療を受ける者の選択に資するため、医療機関及び医療機関が提供する医療に関する客観的な評価を行う仕組みの整備拡充を図るとともに、それが医療機関によって活用され、及びその評価に関する情報が医療を受ける者に対して提供されるために必要な環境の整備に努めるものとする。


第五章 苦情の解決
(苦情の処理)
第三十二条
  医療機関及び医療従事者は、その提供する医療又はその医療に関する情報の提供に対する患者その他の者からの苦情について、適切かつ迅速な処理に努めなければならない。


(苦情の申出等)
第三十三条
  患者その他の者は、医療機関に医療適正化委員会が設置されている場合には、医療適正化委員会に対し、当該医療機関において行われた診療その他の医療又は第三章の規定による診療に関する説明、診療記録の開示その他の診療に係る情報の提供について、苦情の申出をすることができる。

2 医療適正化委員会は、前項の苦情の申出があったときは、その相談に応じ、当該苦情に係る事情について調査を行い、必要に応じ当該苦情の処理について当該医療機関の開設者等又は医療機関の管理者に対し意見を述べるものとする。

3 医療適正化委員会は、前項の規定による調査の結果(同項の規定により当該医療機関の開設者等又は医療機関の管理者に対し意見を述べたときはその内容を含む。)を第一項の苦情の申出をした者に対し通知するものとする。

4 第二十八条第一項の規定により医療適正化委員会が設置されなければならないこととされる医療機関以外の医療機関は、患者その他の者からの苦情に適切かつ迅速に対応できるようにするため、苦情を受け付けるための窓口を設置する等の必要な措置を講ずるよう努めなければならない。


(都道府県等による苦情の処理)
第三十四条
  都道府県、保健所を設置する市又は特別区は、医療機関の提供する医療又はその医療に関する情報の提供について苦情の申出があったときは、その相談に応じ、あっせんその他の必要な処理を行うものとする。


第六章 雑則
(往診医師等に対する規定の適用)
第三十五条
  医療法第五条第一項に規定する医師又は歯科医師については、当該医師又は歯科医師を医療機関とみなして第二十四条の規定を適用し、当該医師又は歯科医師を医療機関の開設者等と、当該医師又は歯科医師の住所を医療機関の所在地とみなして第二十九条の規定を適用する。

2 前項に定めるもののほか、医療法第五条第一項に規定する医師又は歯科医師に対するこの法律の規定の適用について必要な事項は、厚生労働省令で定める。


(この法律の規定の特例)
第三十六条
  この法律に定める事項についてこの法律の規定により難いものがある場合には、当該事項につき政令で特別の定めをすることができる。


(事務の区分)
第三十七条
  第二十九条第二項及び第三項の規定により都道府県、保健所を設置する市又は特別区が処理することとされている事務は、地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二条第九項第一号に規定する第一号法定受託事務とする。


(厚生労働省令への委任)
第三十八条
  この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、厚生労働省令で定める。


第七章 罰則
第三十九条
  次の各号のいずれかに該当する者は、二十万円以下の罰金に処する。
一 第九条の規定に違反して、書類を備え置かず、若しくは医療を受ける者の求めに応じて閲覧させず、又は虚偽の記載のある書類を備え置き、若しくは医療を受ける者に閲覧させた者
二 第十条の規定による掲示を怠り、又は虚偽の掲示をした者


第四十条
  法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して前条に規定する違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても同条の刑を科する。


附 則
(施行期日)
第一条
  この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。


(診療記録の開示に関する特例)
第二条
  この法律の施行の日前に行われた診療につき作成され、又は取得された診療記録(当該診療に係る情報が記録されている部分に限る。以下この条において同じ。)の開示については、第十七条本文及び第二十条第一項の規定にかかわらず、当該診療記録の閲覧若しくは写しの交付又は電磁的記録を出力することにより作成した書面の交付に代えて、当該診療記録に記録されている当該診療に係る情報の概要を記載した書面の閲覧又は交付により行うことができる。

2 診療記録の開示につき前項の規定に基づき診療記録に記録されている情報の概要を記載した書面の閲覧若しくは交付により行う場合又はそれにより行った場合における第三章第二節の規定の適用について必要な事項は、厚生労働省令で定める。


(地方自治法の一部改正)
第三条
  地方自治法の一部を次のように改正する。
  別表第一に次のように加える。
医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律(平成十三年法律第  
 号)
第二十九条第二項及び第三項の規定により都道府県、保健所を設置する市又は特別区が処理することとされている事務


(沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部改正)
第四条
  沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)の一部を次のように改正する。
 第百条第三項中「並びに第三十三条」の下に「並びに医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律(平成十三年法律第   号)第十三条及び第十四条」を加え、「同法」を「医師法」に改め、同条第六項中「、医療法」を「医療法」に、「適用する」を「適用し、当該場所を医療機関とみなして医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律の医療機関に関する規定を適用する」に、「同法」を「医療法」に、「あるのは」を「あり、医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律第九条第一号中「医師、歯科医師」とあり、同法第十条第二号中「医師又は歯科医師」とあるのは」に改め、同条第七項中「前項後段」の下に「並びに医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律第三十五条」を加え、「行なう」を「行う」に、「同法」を「医療法」に改める。
 第百一条第二項中「並びに第三十一条」の下に「並びに医療の信頼性の確保向上のための医療情報の提供の促進、医療に係る体制の整備等に関する法律第十三条及び第十四条」を加え、「同法」を「歯科医師法」に改める。


(関係法律の整備等)
第五条
  前三条に定めるもののほか、この法律の施行に伴い必要な関係法律の整備その他必要な事項は、別に法律で定める。


理 由

 医療を受ける者に対し医療に関する情報が十分に提供されているとはいえない状況にあること、医療に係る事故等とこれに対する医療機関等の対応の在り方が問われる事態の相次ぐ発生等により医療に対する国民の信頼が低下しつつあること等にかんがみ、医療を受ける者の理解と選択に基づいた良質かつ適切な医療の提供を促進するとともに、医療の透明性と安全性の確保等を図るため、医療を受ける者に対する医療に関する情報の提供についての基本的な事項、安全かつ適正な医療を確保するための体制の整備に関し必要な事項等について定める必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

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