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歯科技工士・岩澤 毅

歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持の推進に関する法律案要綱

2009年07月17日 | 国会議事録
歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持の推進に関する法律案要綱
第一 目的
  この法律は、口腔(くう)の健康が国民が健康で質の高い生活を営む上で基礎的かつ重要な役割を果たしているとともに、国民の日常生活における歯科疾患の予防に向けた取組が口腔の健康の保持に極めて有効であることにかんがみ、歯科疾患の予防等による口腔の健康の保持(以下単に「口腔の健康の保持」という。)の推進に関し、基本理念を定め、並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにするとともに、口腔の健康の保持の推進に関する施策の基本となる事項を定めること等により、口腔の健康の保持の推進に関する施策を総合的に推進し、もって国民保健の向上に寄与することを目的とすること。
                                         (第一条関係)
第二 基本理念
口腔の健康の保持の推進に関する施策は、次に掲げる事項を基本として行われなければならないこと。
① 国民が、生涯にわたって日常生活において歯科疾患の予防に向けた取組を行うとともに、歯科疾患を早期に発見し、早期に治療を受けることを促進すること。
② 乳幼児期から高齢期までのそれぞれの時期における口腔とその機能の状態及び歯科疾患の特性に応じて、適切かつ効果的に口腔の健康の保持を推進すること。
③ 保健、医療、社会福祉、労働衛生、教育その他の関連施策との有機的な連携を図りつつ、その関係者の協力を得て、総合的に口腔の健康の保持を推進すること。
                                         (第二条関係)
第三 国及び地方公共団体の責務等
一 国は、第二の基本理念にのっとり、口腔の健康の保持の推進に関する施策を策定し、及び実施する責務を有すること。
二 地方公共団体は、第二の基本理念にのっとり、口腔の健康の保持の推進に関する施策に関し、国との連携を図りつつ、その地域の状況に応じた施策を策定し、及び実施する責務を有すること。
三 国及び地方公共団体は、口腔の健康の保持の推進に関し、他の法令に基づき国民の健康の保持増進のために必要な事業を行う者の協力を得るよう努めなければならないこと。
                                         (第三条関係)
第四 歯科医師等の責務
  歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士その他の歯科医療又は保健指導に係る業務(以下「歯科医療等業務」という。)に従事する者は、口腔の健康の保持(歯の機能の回復によるものを含む。)に資するよう、医師その他歯科医療等業務に関連する業務に従事する者との緊密な連携を図りつつ、適切にその業務を行うとともに、国及び地方公共団体が口腔の健康の保持の推進に関して講ずる施策に協力するよう努めるものとすること。                                  (第四条関係)
第五 国民の責務
  国民は、口腔の健康の保持に関する正しい知識を持つとともに、生涯にわたって日常生活において自ら歯科疾患の予防に向けた取組を行うことにより、口腔の健康の保持に努めるものとすること。
                                         (第五条関係)
第六 口腔の健康の保持に関する知識等の普及啓発等
  国及び地方公共団体は、国民が、口腔の健康の保持に関する正しい知識を持つとともに、生涯にわたって日常生活において歯科疾患の予防に向けた取組を行うことを促進するため、口腔の健康の保持に関する知識及び歯科疾患の予防に向けた取組に関する普及啓発、口腔の健康の保持に関する国民の意欲を高めるための運動の促進その他の必要な施策を講ずるものとすること。           (第六条関係)
第七 定期的に歯科検診を受けること等の勧奨等
  国及び地方公共団体は、国民が、定期的に歯科に係る検診(健康診査及び健康診断を含む。)を受けること及び必要に応じて歯科保健指導を受けること(以下「定期的に歯科検診を受けること等」という。)を促進するため、定期的に歯科検診を受けること等の勧奨その他の必要な施策を講ずるものとすること。
                                         (第七条関係)
第八 障害者等が定期的に歯科検診を受けること等のための施策
  国及び地方公共団体は、障害者、介護を必要とする高齢者その他の者であって定期的に歯科検診を受けること等又は歯科医療を受けることが困難なものが、定期的に歯科検診を受けること等又は歯科医療を受けることができるようにするため、必要な施策を講ずるものとすること。       (第八条関係)
第九 歯科疾患の予防のための措置等
  第六から第八までのほか、国及び地方公共団体は、個別的に又は公衆衛生の見地から行う歯科疾患の効果的な予防のための措置その他の口腔の健康の保持のための措置に関する施策を講ずるものとすること。                                     
                                         (第九条関係)
第十 口腔の健康の保持に関する調査及び研究の推進等
  国及び地方公共団体は、口腔の健康に関する実態の定期的な調査、口腔の状態が人の健康に及ぼす影響に関する研究、歯科疾患に係るより効果的な予防及び医療に関する研究その他口腔の健康の保持に関する調査及び研究の推進並びにその成果の活用の促進のために必要な施策を講ずるものとすること。
                                         (第十条関係)
第十一 口腔の健康の保持の推進に関する基本的事項の策定及び公表
一 厚生労働大臣は、第六から第十までにより講ぜられる施策につき、それらの総合的な実施のための方針、目標、計画その他の基本的事項(以下「基本的事項」という。)を定めるものとすること。
二 基本的事項は、健康増進法の基本方針、地域保健法の基本指針その他の法律の規定による方針又は指針であって保健、医療又は福祉に関する事項を定めるものと調和が保たれたものでなければならないこと。
三 厚生労働大臣は、基本的事項を定め、又はこれを変更しようとするときは、あらかじめ、関係行政機関の長に協議するものとすること。
四 厚生労働大臣は、基本的事項を定め、又はこれを変更したときは、遅滞なく、これを公表するものとすること。
                                        (第十一条関係)
第十二 財政上の措置等
  国及び地方公共団体は、口腔の健康の保持の推進に関する施策を実施するために必要な財政上の措置その他の措置を講ずるよう努めるものとすること。                 (第十二条関係)
第十三 口腔保健支援センター
一 都道府県、保健所を設置する市及び特別区は、口腔保健支援センターを設けることができること。
二 口腔保健支援センターは、第六から第十までの施策の実施のため、歯科医療等業務に従事する者等に対する情報の提供、研修の実施その他の支援を行う機関とすること。
                                        (第十三条関係)
第十四 施行期日
  この法律は、公布の日から施行すること。                     (附則関係)

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