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歯科技工士・岩澤 毅

『日本歯技』2017年2月号巻頭言 歯科技工と厚生労働科学研究

2017年01月30日 | 村田秀夫


『日本歯技』2017年2月号巻頭言



歯科技工と厚生労働科学研究


 厚生労働行政において、将来必要とされる政策の方向性を探る方策に、厚生労働科学研究があります。これは、科学的根拠に基づいた行政政策を目指して、国民生活に深くかかわる保健、医療、福祉、労働分野の課題に対し、所管の研究機関等で研究を行うのみならず、産官学の各分野が協力して新しい知見を生み出すことを目的にしています。

 具体的には、外部の専門家の意見や行政上の必要性等を踏まえ、研究事業毎に課題を解決する「目的志向型の研究課題設定」を行い、その上で、原則として公募により研究課題及び研究班を募集し、評価委員会の評価を経て、採択を決定しています。そして研究成果は、安全・安心な国民生活の実現のために生かされるとされています。

 過去の「歯科技工」に関連する主な研究に以下のものがあります。

 平成10(1998)年度「歯科技工士の需給及び養成に関する研究」(研究代表者:日本歯科大学・渡辺嘉一先生、研究分担者:日本歯科技工士会・中西茂昭元会長)、これに関連した研究は平成14(2002)年まで継続されています。

 平成14(2002)年度「歯科技工所における歯科補綴物等管理制度の構築に関する研究」(研究代表者:財団法人口腔保険協会・宮武光吉先生、研究分担者:古橋博美前会長)、これに関連した研究は平成18(2006)年まで継続されています。

 平成19(2007)年度「歯科技工士教育における卒前臨床技能評価試験に関する研究」(研究代表者:大阪歯科大学歯科技工士専門学校・末瀬一彦先生、研究分担者:齊木好太郎元副会長)、これに関連した研究は平成27(2015)年まで継続されています。

 そして現在は、平成27(2015)、平成28(2016)年度「歯科技工業の業務形態の実態把握に関する研究」(研究代表者:福岡歯科大学・佐藤博信先生)と、平成28(2016)年度「歯科衛生士及び歯科技工士の復職支援等の推進に関する研究」が進行し、日技からは研究協力者として2名が参加しています。

 歯科技工士に係る政策は長く未着手な時代がありました。この時間の遅れを取り戻し正しく推進するためには、具体的に政策の必要性の根拠を明らかにし、進むべき方向性を示す必要があります。

 この厚生労働科学研究に歯科技工士のナショナルセンターである日技から当事者が参加し、その実質に貢献することは、歯科技工士の未来を拓くために極めて重要と考えています。

※画像出典:厚生労働省ホームページ

http://www.nichigi.or.jp/about_nichigi/nihonshigi_1702.html

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