歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

網岡委員 [016/016] 101 - 衆 - 社会労働委員会 - 19号

1984年06月28日 | 国会議事録
○吉村政府委員 薬価基準の価格はこれは厚生大臣が決めるわけでありますから、私ども下僚としてその作業をする、これは私どもの仕事でございます。しかし、市場価格を私が決めるということはないわけでありまして、市場価格というのは、医療機関とメーカーあるいは卸の間の実際の取引価格が市場価格でございますので、無数の市場価格が成り立つわけであります。その市場価格というものを調べて、八〇%なり九〇%のバルクラインを引いて薬価基準の価格を決める、こういうことなんでありまして、市場価格というものを参考にしながら私どもが決めるということでございますので、市場価格そのものは私どもが決められる代物ではない。そして、どういう形で市場価格が決まるかというと、それは医療機関とメーカーとの間のいろいろな取引条件によって決まってくる。したがって、一つのセファメジンという商品をとりましても、A医療機関とB医療機関あるいはC医療機関とは取引価格が違うわけでございまして、その取引価格、すなわち市場価格というものは私が決めるわけではございませんで、その市場価格を見ながら薬価基準を算定していくというのが私どもの仕事なんでございます。

○網岡委員 次のこともありますから質問を進めていきたいと思いますけれども、今の点でございますが、私は局長の答弁、納得できません。市場
価格を決めていくということは、これは私は実態論から言っているのでございます。決めていくのは薬価をお決めになるということでございますけれども、しかし先ほど言いましたように、薬に関する価格の仕組みというものは、薬価を決めていくことによって市場価格が移動してくるのでしょう。それについて回っていくのですよ。だから薬価を高い位置に決めれば、市場価格はそれに比例していくわけですから、高い市場価格になっていくということになるのじゃないですか。だから、本当に薬の市場価格というものを下げていこうという努力をなさるならば、薬価を実勢価格に思い切って合わしていく、こういうことをやらなければいけないじゃないですかということを私は申し上げているわけであります。
 次の質問に移りますけれども、新薬の問題は今言ったような問題点がございますから、局長もさっき言われたような三つの物差しで軌道修正を図っていくということを言われたわけでございますから、私はその発言を信頼をいたしまして、薬価の改定についてはぜひひとつそういう点を判断しながらやってもらいたいということを強く要望いたしまして、次の質問に移りたいと思います。
 あと、時間がだんだんたっておりますのであれですが、もう一つの表にゾロ品目の一覧表が書いてございます。これはゾロの会社が大体四十社以上のところに焦点を当てまして表をつくったものでございますけれども、これを見ますと、先ほど局長から御答弁いただいたように薬が一万四千品目もある、こういうことからいってゾロ品目というものも大変よく出ているということがはっきりわかるわけでございますが、問題は、少し薬の中身の点について申し上げますと、一番上にユビデカレノンという薬がございますが、これは一体日本以外に使用されている国はあるでございましょうか。それからもう一つは、リン酸ピリドキサールという薬は外国で使用されているでございましょうか。

○正木政府委員 お尋ねのユビデカレノン錠でございますが、これは強心剤としまして昭和四十八年に承認されたものてございますが、台湾、韓国、ドミニカで承認されておるというふうに承知をいたしております。
 それから、もう一つのリン酸ピリドキサールでございますが、これはビタミンB6剤として承認されたものでございますが、私ども承知しておる限りでは、外国における承認例はないと聞いております。ただ、このリン酸ピリドキサール剤と同じビタミンB6剤であるピリドキシンというのがアメリカ、イギリスにおいても承認されておるというふうに承知をいたしております。

○網岡委員 今お聞きをいたしますと、アジア諸国を中心にした国で使われているわけでございますが、新薬収載の際の基準になるようなアメリカやイギリスというところで使われていないということが今の御答弁でわかったと思うのでございますが、問題は、このリン酸ピリドキサールなどは、再評価をなさったときの評価を見ておりますと、用量と薬効との間にきちっとした関係がない、だからこれはむやみやたらに使用してはいかぬ、こういうことが出ているようでございます。それから、この中にもありますグルタチオンもやはり主なところは日本しか売られていないわけでございますが、これなどは大分長く再評価をされておられるようでございますが、いまだにこの薬に対する結果というものは出ていないわけでございます。これはどうしてこんなに長くかかっているのか、まずその理由を述べていただきたいと思います。

○正木政府委員 まずグルタチオンでございますが、先生おっしゃいますように再評価にかかっておるわけでございます。先生御案内のように昭和四十二年に承認審査の基本方針が定められたわけでございまして、それ以前の薬につきましてまず再評価をしようということで、審議会の意見を聞きまして指定をいたしまして、再評価の作業にかかっておるわけでございます。それも着々再評価が進行しておりまして、現在八六、七%までいっておると思いますが、グルタチオンにつきましては確かに相当長期に、かかっております。
 と申しますのは、いろいろな理由があるわけでございますが、このグルタチオンは肝疾患に適用を持つ解毒剤でございます。したがって、肝疾患ということで薬効分ごとに薬事審議会調査会が分かれておりまして、実は九つの調査会でいろいろな角度から調査をしているというのが一つございます。それから、これも先生御案内のように、肝疾患の薬というものにつきましては薬効の評価というのはなかなか難しい面があるということで、調査会での審議の過程におきまして、これはもう一つダブルブラインドテストを実施すべきじゃないかということでかなり時間がかかっておりますが、密議の方も大分進捗をしておりまして、私どもの見通しとしましてはことしじゅうには結果の公表が得られるのではないかというふうに承知をしております。

○網岡委員 ことしじゅうということはかなりスローモーでございますが、早くやっていただきたいというふうに思います。結果を見なければ言えないことでございますけれども、今私が挙げました薬というのは、いずれも薬効評価というのは一般の薬から見ますとかなり削られたり認められなかったようなものが多い薬ばかりでございます。だからアメリカやイギリスというようなところでは使用されていないということの大きな原因だと思うのでございますが、これが不思議に日本では非常によく売られている。日本というところは薬王国なんでございましょうか、非常に不可思議な感じがいたします。
 これは先ほど局長が一万四千品目からあるから、これだけあると薬価の評価も大変だ、時間がかかってしょうがないということをおっしゃっているわけでございますが、こんなにゾロをたくさんつくっていって、そして薬価に対する市場調査をやるにしてもこれは非常な労力と時間を必要とするわけでございますけれども、一体どうでしょう。ここらあたりで、ふえる薬に対しては、いい薬は残し、評価して、外国にも通用しないような薬はこの際もう落とすという、思い切った行政改革をやらないと大変なことになるよという気がいたすわけでございますが、局長、この点どうでしょう。

○正木政府委員 薬につきましては承認審査、最初の製造承認の段階におきまして、薬事審議会で有効性、安全性というものをチェックいたしまして認めるわけでございます。その後におきまして、状況を見まして再審査という制度もありますし、また再評価という制度もございます。その時点におきます医学的、薬学的最高水準によりましてもう一度チェックをして、これが有用性が低いということになりますれば変えていくということでございます。先ほど来お話しのございました個別具体的な薬につきまして一つだけ申させていただきますと、例えて申しますと塩化リゾチームというような薬は消炎酵素剤の一種でございます。これも先生お詳しいわけでございますが、消炎酵素剤というような薬はその作用機序と個体に対する効果との関係というのがいろいろあるということで、これは非常に効く人もいるけれども効かない場合もある。再評価の際には、もちろん効く場合もあるけれども、ただ漫然と使っておって、効かないのにいつまでもということがあってはいかぬぞということで、再評価の結果その辺を注意するというようなことで、その時点時点におきます一番いい薬を、そして、むだのない効率的な使われ方をするようにというのが現在の仕組みで、そういう面で私ども審議会の意見を聞きながら努めておるというわけでございます。

○網岡委員 今御説明があったような薬は、もう一度どこかの時点で判断をされて、そして薬価収載の中にこれは入れるか入れないかということについても、先ほど申しましたような整理をして、一万四千からの薬があるわけですから、どこかに当てはまるはずです、よく効く薬があるわけですから。それで整理をしていくということをやらないとこれは大変なことになるという気がいたしま
す。くどいようですからこの問題はこれで質問を終わっておきますが、一つだけ申し上げます。
 この間、ゾロ品目に対する収載が行われましたね。ついこの間、まだ十五日くらいしかたっておりません。具体的な品目を言いますとちょっと差しさわりが出ますから私は言いませんけれども、もう既に、この間、発表になった薬価から、今契約を結ばれつつある金額は大体下は二〇%から四〇%ぐらいのラインで動いていますよ。薬価が決まってまだ十五日もたっておらぬのに、実勢価格はそういうふうな形で動いているという実態をどう踏まえておられますか。だから局長、これはそういう実態を一遍よく調査をしていただきたい。そして、薬価の改定は、こういうことを踏まえると、一体次にいつやるか、年一回ということですからね。そして、その薬価の幅についても、もうこの際一〇%台ということじゃなしに、物によってはずばり切っていくというぐらいのことをやらないといけないと思うわけでございますが、その点についてはどうでしょうか。

○吉村政府委員 御指摘のように、六月二日にゾロ品目、約千二百品日程度を載っけたわけでありますが、まだ一月もたたないうちに、今先生御指摘のような二〇%ないし四〇%の値引きが出る、こういうような状態であることもまだ載っけたばかりでございますので、その点については私ども薬価調査もやっておりません。しかし、今先生御指摘のようなことは、従来の例からいいましても十分想像のできるところでございまして、これは薬価調査とは離れて、何か薬価基準に載っけて、その後、非常にひどい事例だと私は思いますが、そういう事例があった場合には、薬価基準の収載を削除するとか、何かそういうような特別の措置を講じない限りそういう事態はなかなか改まらない。
 先ほど申されましたが、一つの薬を八十二社もみんなが競合してつくっておる、そういう事態そのものがやはりおかしいのではないか。そういう事態にメスを入れ、また薬価基準の一万四千品目についても、やはりそれぞれ評価をしていく面があると思っております。いずれにいたしましても、価格の問題については私ども今後厳正に、的確に対処するようにいたしたいと思います。

○網岡委員 ぜひやってください。次に、今度は医療問題の中でもう一つのあれがあるのでございますが、一つは、薬に重点が置かれているために診療報酬が実態に合わない安い評価になっている。私は、これも日本の医療体制の大きな問題の一つだと思うのでございます。
 具体的なことを申し上げますが、例えば入院料は三千百円です。これは非常に安いですね。例えば国民宿舎の宿泊料、四千八百円です。これと比較をいたしますと、三食で看護婦さんがついて、そして三千百円というのはちょっと安過ぎはしないかということを感じます。
 それから二つ目は往診料、これは昼間二千円、夜間四千円、JAFのロードサービスは昼間三千円で夜四千円、こういうことでございますから、これから比較をいたしましてもこれは問題にならぬ、非常に安い診療報酬じゃないかと思います。
 それから次に、全身マッサージですが、これは三百円ということになっております。普通のマッサージでいきますとこれは安いと思うのですが、普通は二千五百円から三千五百円ということでございますから、全身マッサージで三百円というのは、医療とはいえいかにも安いのではないかと思います。どうでしょうか。
 それから、初診料が千三百五十円、今は映画を見れば二千円です。ということですからこれまた安いのじゃないか。
 それから、胃の洗浄は三十分間かかるそうでございますが、それで千百円、こういうことでございます。車の洗車はわずか三分で二千五百円、こういうことでございますから、その実態からいって、これは局長、大変安過ぎはしないかという気がするわけでございます。
 それから、今日の医療がいかに薬に重点を置いているかということの端的なあらわれですけれども、例えば傷をして、傷を手当てをしたと仮定をいたしますと、お医者さんの話を聞きますと、傷口の手当てをして包帯を巻くと処置料百二十円、診察料三百八十円、締めて五百円。そして二つ目のケースは、手当てをして塗り薬を渡すと、これは処置料百二十円、診察料三百八十円、そして若干の調剤料が加わって五百七十円。それから傷口を見るだけですと、不思議な話ですが六百五十円もらえる。これは内科加算ということで、加算がついてそういうことになるようでございます。それから、薬を渡すと今度は内科加算された上に調剤料が加わって七百二十円ということになって、薬が伴った方がやはり高い、こういうことになりまして、実際の診療報酬というものが、先ほど例を挙げたように非常に安いということは問題ではないかというふうに思います。
 六月十五日に、厚生省が、技術診療についてこれは見直す、予防とか指導料について技術料を加味する、こういうことを考えられているようでございますが、歯科医の方のことも言わないとちょっと片手落ちになるといけませんので言っておきますが、金銀パラジウム合金の場合は、これはやはり物に傾いているということでございますが、大臣の御専門ですけれども、技術料がだんだんだんだん五面に包んでいくほど安くなるということなどから見まして、大きな問題があるのではないかと私は思うのでございますが、この点についてどういう処置を今後されようとしているのかという点について、御答弁をいただきましょう。

○吉村政府委員 確かに先生御指摘になりましたような点、個々の技術料をとりますと非常に安い、こういうことに相なって、これが現在の診療報酬についての一つの批判される点でございます。
 しかし、私どもが非常に悩みますところは、全体としての医療費というものが非常に高い。確かに医師の収入から考えましても、また所得から申しましても、これはかなり高い水準にございます。国際的に言っても高い水準にある。しかし、今申されましたように、個々の初診料あるいは往診料あるいは歯科の技術の点数、それから入院料等比べますと、確かに日本の場合が低い。そこで、その間にどういうつながりがあるかと聞きますと、個々の点数と全体の医師の収入、あるいは医療機関の収入の高さ、個々の診療行為の評価の低さとの間にどういうつながりがあるのかということを考えますと、それはやはり非常に量をたくさんこなすということが一つと、先ほどから御指摘になっております薬づけ医療みたいなところで、技術料の不足というものをカバーをしておる、この二つではないか、私どもはそう思うわけでございまして、少なくとも今後、現在の点数表を直していく場合には、薬を使えば総体の収入が上がる、そして余り親切な診療をしなくても、患者の数さえこなせば収入が上がる、こういうようなことは少なくとも是正をしていくべきだ、こういうことで、そういう観点から技術料の重視を志向した診療報酬の改正というものを考えていきたい、私どもはそう思っておりますし、現在の中医協におきましてもそういうことを頭に描きながら審議が行われておる状況でございます。私どもそういう方向でひとつ努力をしてみたい、こう思っております。

○網岡委員 時間があともう一時間ぐらいしかないところへ来ましたものですから、私は質問を要点だけ申し上げていくようにいたしますので、核心に触れた御答弁をいただきたいと思います。
 次に、健保法改正問題のもう一つの大きな柱であります退職者医療制度の問題につきまして、御質問を申し上げたいというふうに思うわけでございます。
 退職者医療制度というのは、これは御案内のように被用者保険のところから拠出をしていただいて、そして退職者医療制度というものをつくっていくわけでございますから、いわば人の懐を当てにしていくわけでございますね。だとするならば、やはり関係のそれぞれの保険者団体に、十分な相談と審議の時間を与えた中でやっていかなけ
ればいけなかったんじゃないだろうかということを私は思うわけでございます。経過を聞きますと、五十七年の十月二十五日に白紙諮問をされたということを聞いておるわけでございますが、これは白紙の諮問をされれば、お互いに懐の関係がありますから、やはり厚生省が国の責任でこういうふうにするんだ、こういうものを出さなければ審議が煮詰まっていかないことは大臣もよくおわかりいただけると思うのでございますが、それをあえて白紙で諮問をした、しかも審議会では何らこの問題については審議がされなかったという経緯があるわけでございますが、こういうことからいきますと、冒頭の質問と関連をいたしますけれども、やはり健康保険法の改正をする前に十分な時間をとって、金を出してもらうそれぞれの保険者に対して納得のいくような時間をとってやっていくべきではなかったかと思うのでございますけれども、どうなのでしょうか。簡単にひとつ。

○吉村政府委員 私ども五十七年に白紙諮問をいたしまして、審議会から事務当局の試案ができればそれを提出をしろ、こういうことを言われておりました。したがって、私どもとしては、白紙諮問をして以来いろいろ検討をして、その検討の結果まとまったものを社会保険審議会にかけた。ただ、かける時期が少し遅いではないか、こういうおしかりはこうむるかもわかりませんが、私どもとしてはそういうことで事務当局試案をまとめて審議会に御諮問を申し上げた、こういうように考えております。〇網岡委員 次に移りますけれども、これをやっておると、原則の線の話ですから、恐らく同じことで一日じゅうやっていくことになるだけですから、確認のことなどもございますので、次の質問に移ります。
 被保険者に一割の負担をさせることによって、そしてその金で退職者医療保険制度というものを運営していくことになるわけでございますが、大臣でございましたか保険局長でございましたか、丹羽議員の質問に答えて、今後保険負担率が、拠出の率が老齢人口の伸びに比例してだんだんふえていくわけでございますが、議員の質問に答えて、保険料は上げないということを御答弁になっているわけでございますが、私、この際確認をさせていただきたいわけでございますけれども、この料率が、事実上人口がふえていくことによって上がっていくように厚生省の資料は出ておるわけでございますが、そういうことになればどうしても拠出の割合というものはふえざるを得ないというふうに判断をするわけであります。そういうことになるのかならないのか、その辺をお答えいただきたい。

○吉村政府委員 保険料を上げないと申し上げましたのは、今年度退職者医療制度を創設するに当たりまして、一割の患者負担というものをやりますならば、保険料率を上げないで退職者医療制度ができる。退職者医療制度をつくるために保険料率を上げる必要はない、こういうことを申し上げたのでございます。
 それから、それじゃ今後保険料率はどうなるのか、こういうことでございますが、これは退職者がふえていけば保険料が上がっていくことは間違いない、こう思います。ただ、丹羽議員に、お答え申し上げましたのは、仮に上がるにいたしましても三十年後がピークになる。そのピーク時における保険料の負担率は千分の九・八になるだろう。そして、現在もし一割負担しないで退職者医療制度をつくるとすれば千分の五・七の料率が必要なわけでありますが、一割負担をしていただくことによって五・七の引き上げは必要でない、こういうことでございますし、三十年後にピーク時になりましても、現在の五・七の所要保険料率が千分の九・八になるだけで、三十年間で千分の四ぐらいの引き上げならば負担能力云々、負担ができないとかそういうような問題にはならないのではないか、こう申し上げたわけでございます。

○網岡委員 局長の御答弁でいけば、千分の四程度の上げ幅であるからそんなに大きい負担ではない、こういう御答弁ではございますが、しかし、私どもこの内容をずっと見させていただきますと、必ずしも局長が言われたようなそろばんにいくとはなかなか信用ができないわけでございます。いろいろなファクターがあるわけでございますが、もし仮に、例えば退職者医療に対して拠出をしていく場合に、例えば組合健保なら組合健保を一つ例にとりましても、組合健保の場合は全体的に言えばいいわけであります。しかし、中には財政がアップアップでやっているところもあるわけでございます。そういうところが拠出の率がだんだん高くなっていくということになれば、その保険団体は赤字ということにもなる場合もあるわけでございますけれども、そういうような問題が起きた場合、あるいは健康保険の場合でも政管健保へ五人未満以下の事業所の方々が今度入っていくことになるわけでございますが、そういうことになれば、国民健康保険の保険料を納める人の中で、この人たちは働いておるわけでございますから、納める保険料が確率としては高い方の人たちでございますけれども、これが政管健保に吸収されていくということになりますと、国民健保の面でもやはり赤字要因というものが生まれてくる可能性というものが高いと思うのでございます。
 そういうようなことを考えていきますと、この退職者医療制度というものは私はやはり相当問題があると思うが、ちょっとその前に御質問しておきたいのですが、この退職者医療制度というものは社会保険なんでございましょうか、社会保険の性格を持っているものでございましょうか、その点をまずお答えいただきたいと思います。

○吉村政府委員 私どもは、被用者保険の性格を持った制度だと思っております。


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