プロによる国策PRの仕事, 2014/6/8
By 歯職人
アメリカ政治と国際政治、アメリカの世論形成システムと政策形成、そり生態を冷徹に計算するアメリカPR企業を、ボスニア紛争を素材に描き出した一冊です。
著者の高木 徹さんは、NHKの報道ディレクターとして、NHKスペシャル『民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~』、『大仏破壊―バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか』、『情報聖戦~アルカイダ 謎のメディア戦略』、『パール判事は何を問いかけたのか~東京裁判・知られざる攻防~』、『インドの衝撃』、『沸騰都市』を手がけ、著書には、本書の他に、『大仏破壊――バーミアン遺跡はなぜ破壊されたか』(文藝春秋, 2005年)、『「バレンタイン流マネジメント」の逆襲』(講談社, 2006年)がある。
本作は、ユーゴスラビア紛争の一局面、セルビアにおける「民族浄化」が、どのようなプロセスを経て国際問題、殊にアメリカ政治上に『存在するものとして』浮上したかを、情報戦、PR戦として捉えた、NHKスペシャル『民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~』の活字化でありいわば増補版です。
情報の混乱、揺れ動く情勢の中、各々が正しい情報収集をすることは極めて厳しく、時間とコストのかかることである。また情報を発信すべき立場の当事者は、情報を届ける術を持ち合わせていない場合もある。またその必要性への認識も低い場合もある。
本書により、情報戦の重要性、情報戦の敗北が決定的敗北につながり、存在そのものの危機につながるセルビアの事例が詳細に検証されている。
本書で描かれる情報戦の様相は、企業間あるいは企業内部においても、その規模の大小はありながら存在すると思われる。正義は、生き残ってこその正義であり、情報戦に敗れてしまえば、そこですべてが終わってしったかの様な状態になる局面もある。
単にアメリカ政治、国際政治の情報戦として読むに留まらず、我が国にも、我々の周囲にも存在するであろう情報戦を考察する際に、参照したい一冊です。
『国際メディア戦争』(講談社新書)と合わせ、一読をお勧めします。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88-%E6%88%A6%E4%BA%89%E5%BA%83%E5%91%8A%E4%BB%A3%E7%90%86%E5%BA%97-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E5%BE%B9/dp/4062750961/ref=cm_lmf_tit_10
講談社文庫
ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争
高木 徹【著】
価格 \668(本体\619)
講談社(2005/06発売)
サイズ 文庫判/ページ数 405p/高さ 15cm
商品コード 9784062750967
NDC分類 316.839
内容紹介
銃弾より「キャッチコピー」を、ミサイルより「衝撃の映像」を!!
演出された正義、誘導される国際世論。
ボスニア紛争の勝敗を決したのはアメリカPR企業の「陰の仕掛け人たち」だった。
スパイ小説を超える傑作ノンフィクション!!
NHKスペシャル「民族浄化」で話題を呼んだ驚愕の国際情報ドラマ!
人々の血が流される戦いが「実」の戦いとすれば、ここで描かれる戦いは「虚」の戦いである。「情報の国際化」という巨大なうねりの中で「PR」=「虚」の影響力は拡大する一方であり、その果実を得ることができる勝者と、多くを失うことになる敗者が毎日生み出されている。今、この瞬間も、国際紛争はもちろん、各国の政治の舞台で、あるいはビジネスの戦場で、その勝敗を左右する「陰の仕掛け人たち」が暗躍しているのだ。――序章「勝利の果実」より
内容説明
「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか―。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞をW受賞した傑作。
目次
勝利の果実
国務省が与えたヒント
PRプロフェッショナル
失敗
情報の拡大再生産
シライジッチ外相改造計画
民族浄化
国務省の策謀
大統領と大統領候補
逆襲
強制収容所
凶弾
邪魔者の除去
「シアター」
追放
決裂
By 歯職人
アメリカ政治と国際政治、アメリカの世論形成システムと政策形成、そり生態を冷徹に計算するアメリカPR企業を、ボスニア紛争を素材に描き出した一冊です。
著者の高木 徹さんは、NHKの報道ディレクターとして、NHKスペシャル『民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~』、『大仏破壊―バーミアン遺跡はなぜ破壊されたのか』、『情報聖戦~アルカイダ 謎のメディア戦略』、『パール判事は何を問いかけたのか~東京裁判・知られざる攻防~』、『インドの衝撃』、『沸騰都市』を手がけ、著書には、本書の他に、『大仏破壊――バーミアン遺跡はなぜ破壊されたか』(文藝春秋, 2005年)、『「バレンタイン流マネジメント」の逆襲』(講談社, 2006年)がある。
本作は、ユーゴスラビア紛争の一局面、セルビアにおける「民族浄化」が、どのようなプロセスを経て国際問題、殊にアメリカ政治上に『存在するものとして』浮上したかを、情報戦、PR戦として捉えた、NHKスペシャル『民族浄化~ユーゴ・情報戦の内幕~』の活字化でありいわば増補版です。
情報の混乱、揺れ動く情勢の中、各々が正しい情報収集をすることは極めて厳しく、時間とコストのかかることである。また情報を発信すべき立場の当事者は、情報を届ける術を持ち合わせていない場合もある。またその必要性への認識も低い場合もある。
本書により、情報戦の重要性、情報戦の敗北が決定的敗北につながり、存在そのものの危機につながるセルビアの事例が詳細に検証されている。
本書で描かれる情報戦の様相は、企業間あるいは企業内部においても、その規模の大小はありながら存在すると思われる。正義は、生き残ってこその正義であり、情報戦に敗れてしまえば、そこですべてが終わってしったかの様な状態になる局面もある。
単にアメリカ政治、国際政治の情報戦として読むに留まらず、我が国にも、我々の周囲にも存在するであろう情報戦を考察する際に、参照したい一冊です。
『国際メディア戦争』(講談社新書)と合わせ、一読をお勧めします。
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%89%E3%82%AD%E3%83%A5%E3%83%A1%E3%83%B3%E3%83%88-%E6%88%A6%E4%BA%89%E5%BA%83%E5%91%8A%E4%BB%A3%E7%90%86%E5%BA%97-%E8%AC%9B%E8%AB%87%E7%A4%BE%E6%96%87%E5%BA%AB-%E9%AB%98%E6%9C%A8-%E5%BE%B9/dp/4062750961/ref=cm_lmf_tit_10
講談社文庫
ドキュメント 戦争広告代理店―情報操作とボスニア紛争
高木 徹【著】
価格 \668(本体\619)
講談社(2005/06発売)
サイズ 文庫判/ページ数 405p/高さ 15cm
商品コード 9784062750967
NDC分類 316.839
内容紹介
銃弾より「キャッチコピー」を、ミサイルより「衝撃の映像」を!!
演出された正義、誘導される国際世論。
ボスニア紛争の勝敗を決したのはアメリカPR企業の「陰の仕掛け人たち」だった。
スパイ小説を超える傑作ノンフィクション!!
NHKスペシャル「民族浄化」で話題を呼んだ驚愕の国際情報ドラマ!
人々の血が流される戦いが「実」の戦いとすれば、ここで描かれる戦いは「虚」の戦いである。「情報の国際化」という巨大なうねりの中で「PR」=「虚」の影響力は拡大する一方であり、その果実を得ることができる勝者と、多くを失うことになる敗者が毎日生み出されている。今、この瞬間も、国際紛争はもちろん、各国の政治の舞台で、あるいはビジネスの戦場で、その勝敗を左右する「陰の仕掛け人たち」が暗躍しているのだ。――序章「勝利の果実」より
内容説明
「情報を制する国が勝つ」とはどういうことか―。世界中に衝撃を与え、セルビア非難に向かわせた「民族浄化」報道は、実はアメリカの凄腕PRマンの情報操作によるものだった。国際世論をつくり、誘導する情報戦の実態を圧倒的迫力で描き、講談社ノンフィクション賞・新潮ドキュメント賞をW受賞した傑作。
目次
勝利の果実
国務省が与えたヒント
PRプロフェッショナル
失敗
情報の拡大再生産
シライジッチ外相改造計画
民族浄化
国務省の策謀
大統領と大統領候補
逆襲
強制収容所
凶弾
邪魔者の除去
「シアター」
追放
決裂