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歯科技工士・岩澤 毅

地域医療再生の力 (単行本) 非営利協同総合研究所いのちとくらし (編集), 中川 雄一郎

2010年02月23日 | amazon.co.jp・リストマニア
「非営利・協同」の立場からの地域医療再生論集, 2010/2/23

By 歯職人

 中川雄一郎氏を中心とした「非営利・協同」の立場からの地域医療再生論集です。
 第1章は村口至(坂総合病院名誉院長)が、「自治体病院はどこへ行く」と題し総務省の「自治体病院改革ガイドライン」と厚労省の「非営利法人改革」を論じでいる。
 第2章では吉中丈志(京都民医連中央病院院長)が「京都における医療機関の動向から地域医療の再生を考える」と題し、京都府下の病院経営の推移を民医連の立場から詳しく述べている。
 第3章では、前沢淑子氏(東京社会保障推進協議会事務局長)が「東京における開業医と住民運動の連携」と題し、石原都知事の下での地域の医療政策の変化が述べられている。
 第4章では、石塚秀雄(都留文科大教員)が「佐久総合病院と地域医療」と題し、若月俊一医師と佐久総合病院の活動が詳述されている。
 私は本章の佐久総合病院の年表で、1980(昭和55)年に存命中の若月俊一の銅像が建立されていたことを知り、驚きを覚えた。本章では労働組合の役割や、協同組合の歴史が述べられているが、「実質的創立者」の「銅像建立」が並立する文化もまた「文化」であり歴史なのであろう。
 第5章では、坂根利幸氏(公認会計士。税理士)が、「明日の見えない医療機関経営―経営論点と処方箋」と題し、病院経営の論点を提示している。
 本書全体で、非営利・協同総合研究所の立場からの地域医療の実践報告であり現状認識の表明と言うことなのであろう。

JA長野厚生連・佐久総合病院
http://www.valley.ne.jp/~sakuchp/index.htm

佐久総合病院・若月俊一名誉総長合同葬
http://www.valley.ne.jp/~sakuchp/news/no100/bigboss/02owakarekai/owakarekai.htm

チイキイリョウサイセイノチカラ
地域医療再生の力

中川 雄一郎【監修】 非営利・協同総合研究所いのちとくらし【編】
新日本出版社 (2010/01/25 出版)

237p / 19cm / B6判
ISBN: 9784406053334
NDC分類: 498.021
価格: ¥2,100 (税込)

詳細
「崩壊」の構造を変える。
『日本の医療はどこへいく』第二弾。

■ 「医療崩壊」に立ち向かう力は「地域」にあった
住民に日夜向かい合う地域の医療機関の実情を、病院経営問題も含め多面的に分析し、その中に再生へのさまざまな胎動を見いだした一冊。「非営利・協同」を掲げた医療機関、医師会を含む幅広い医療人が、地域の患者の姿を見つめながらすすめる丁寧な努力から、医療と政治に、今何が求められているかが見えてきます。

第1章 自治体病院はどこへ行く
第2章 京都における医療機関の動向から地域医療の再生を考える
第3章 東京における開業医と住民運動の連携
第4章 佐久総合病院と地域医療
第5章 明日の見えない医療機関経営―経営論点と処方箋
結びにかえて―地域医療と「非営利・協同」


著者紹介
中川雄一郎[ナカガワユウイチロウ]
非営利・協同総合研究所いのちとくらし副理事長、明治大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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