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歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 「身分法」用例の澱(おり) 2

2006年01月19日 | ごまめ・Dental Today
 当部会は、保健師助産師看護師(以下「看護師等」という。)の行政処分に関する意見の決定に当たり、過去における当部会の議論等を踏まえつつ、昨今の社会情勢や社会通念の変化に対応して、当面、以下の考え方により審議することとする。
1  行政処分の考え方
 保健師助産師看護師法第14条に規定する行政処分については、看護師等が、罰金以上の刑に処せられた場合等に際し、看護倫理の観点からその適正等を問い、厚生労働大臣がその免許を取り消し、又は期間を定めてその業務の停止を命ずるものである。処分内容の決定においては、司法処分の量刑を参考にしつつ、その事案の重大性、看護師等に求められる倫理、国民に与える影響等の観点から、個別に判断されるべきものであり、かつ、公正に行われなければならないと考える。
 このため、当部会における行政処分に関する意見の決定に当たっては、生命の尊重に関する視点、身体及び精神の不可侵性を保証する視点、看護師等が有する知識や技術を適正に用いること及び患者への情報提供に対する責任性の視点、専門職としての道徳と品位の視点を重視して審議していくこととする。

2  事案別の考え方
(1)  身分法(保健師助産師看護師法、医師法等)違反
 保健師助産師看護師法、医師法等の医療従事者に関する身分法は、医療が国民の健康に直結する極めて重要なものであるとの考え方から、定められた教育課程を修了し免許を取得した者が医療に従事すること及び免許を取得していない者が不法に医療行為を行うことのないよう規定している。また、不法に医療行為を行った際の罰則についても、国民の健康に及ぼす害の大きさを考慮して量刑が規定されているところである。
 行政処分に当たっては、司法処分の量刑の程度に関わらず、他者の心身の安全を守り国民の健康な生活を支援する任務を負う看護師等が、自らに課せられた基本的倫理を遵守せず、国民の健康を危険にさらすような法令違反を犯したことを重く見るべきである。
(2)  麻薬及び向精神薬取締法違反、覚せい剤取締法違反及び大麻取締法違反
 麻薬等の違法行為に対する司法処分は基本的には懲役刑(情状により懲役及び罰金)であり、その量刑は、不法譲渡、不法所持した麻薬等の量、施用期間の長さ等を勘案して決定されている。累犯者についても重い処分となっている。
 行政処分に当たっては、麻薬等の害の大きさを十分認識している看護師等が違法行為を行ったこと、麻薬等を施用して看護業務を行った場合には患者の安全性が脅かされること、さらに、他の不特定の者へ犯罪が伝播する危険があること等を重く見るべきである。
(3)  殺人及び傷害
 本来、人の生命や身体の安全を守るべき看護師等が、殺人や傷害の罪を犯すことは、看護師等としての資質や基本姿勢が問われるだけではなく、専門職としての社会的な信用を大きく失墜させるものである。特に、殺人を犯した場合は基本的に免許取消の処分がなされるべきである。
 ただし、個々の事案では、その様態や原因も様々であり、行政処分に当たっては、それらを考慮に入れるのは当然である。
(4)  業務上過失致死傷(交通事犯)
 交通事故による致死傷等に対する司法処分では、警察等への通報や被害者を救護せずそのまま逃走した事犯の場合、厳しく責任を問われている。
 元来、看護師等は人の心身の安全を守るべきであるにもかかわらず、適切な救護措置をとらなかったり、通報もしなかったということは悪質であり、行政処分に当たっては、看護師等としての資質及び適性を欠くものでないかどうかを十分に検討し、相当の処分を行うべきである。
(5)  業務上過失致死傷(医療過誤)
 看護師等の業務は人の生命及び健康を守るべきものであると同時に、その業務の性質から危険を伴うものである。従って看護師等に対しては、危険防止の為に必要とされる最善の注意義務を要求される。看護師等が国民の信頼に応えず、当然要求される注意義務を怠り、医療過誤を起こした事案については、専門職としての責任を問う処分がなされるべきである。
 ただし、医療過誤は、様々なレベルの複合的な管理体制上の問題の集積によることも多く、一人の看護師等の責任に帰することができない場合もある。看護師等の注意義務違反の程度を認定するに当たっては、当然のことながら、病院の管理体制や他の医療従事者における注意義務違反の程度等も勘案する必要がある。
 なお、再犯の場合は、看護師としての資質及び適性を欠くものでないかどうかを特に検討すべきである。
(6)  わいせつ行為等(性犯罪)
 人の身体に接する機会が多く、身体の不可侵性を特に重んじるべき看護師等がわいせつ行為を行うことは、専門職としての品位を貶め、看護師等に対する社会的信用を失墜させるだけではなく、看護師等としての倫理性が欠落している、あるいは看護師等として不適格であると判断すべきである。
 特に、看護師等の立場を利用して行った事犯や、強姦・強制わいせつ等、被害者の人権を軽んじ、心身に危害を与えた事犯については、悪質であるとして相当に重い処分を行うべきである。
(7)  詐欺・窃盗
 信頼関係を基にその業務を行う看護師等が詐欺・窃盗を行うことは、専門職としての品位を貶め、看護師等に対する社会的信用を失墜させるものである。
  特に、患者の信頼を裏切り、患者の金員を盗むなど看護師等の立場を利用して行った事犯(業務関連の事犯)については、看護師等としての倫理性が欠落していると判断され、重くみるべきである。

[006/446] 156 - 参 - 内閣委員会 - 4号
平成15年03月26日

○阿部正俊君 ありがとうございました。
 じゃ、余り時間もないし、できるだけ早く法案が、基本法が出、かつ実際の実行が
十八年度辺りから動き出していくということを是非希望したい、期待したい、こんな
ふうに思います。
 それで、基本理念ともかかわることなんですが、私、三十年間働きましたけれど
も、余り国家公務員法とかあるいは人事院規則とか実は拝見したこと余りなくて、ど
うも仕事が、目の前の仕事を片付けるのが精一杯だったみたいなことでやってきたの
でございますが、改めて国家公務員法を読み、かつ人事院規則その他を眺めてみます
と、私どうも気になる言葉が一つありまして、実は余りこだわるといかぬなというふ
うに御注意も受けたのでございますが、実は身分法というか、国家公務員という身分
という表現があるんですね。
 御存じだと思いますが、国家公務員法の七十五条、例えば。これは見出しがまず
「身分保障」となっていまして、身分だそうです。仕事をするための条件じゃなくて
身分だそうでございまして、身分保障。中身は、読んでみますと七十五条「職員は、
法律又は人事院規則に定める事由による場合でなければ、その意に反して、降任さ
れ、休職され、又は免職されることはない。」と、言ってみれば不利益処分をしませ
んというふうなことを身分保障と言っているわけですね。
 何かこう身分といいますと、非常に私は何か感覚がずれているのかもしれませんけ
れども、もう一つしっくりこない感じがするんです。
 ある意味じゃ、身分というのはよく使われているんですね、国家公務員法にも。
「身分を示す証明書を携帯し、」だとか、あるいは「休職者は、職員としての身分を
保有するが、職務に従事しない。」。当たり前みたいな話ですけれども、「身分を保
有する」というのは何なのかということですよね。だから、多分民間流に言えば、雇
用契約は継続するけれども職務に従事しないというのが休職だという、こういう表現
になるのかなと思いますけれども、あえて「身分を保有する」というような意味は何
なのかということですね。
 同時に、例えばこの国家公務員法におきまして、人事院規則の上でも人事院規則一
一―四、「職員の身分保障」という人事院規則が決められているわけでございます。
これは今言った、要するに、休職の場合の取扱いだとか、その他、言わば職務と昇給
の、支給その他の関係を決めているものでございまして、言わば、民間流に言えば、
雇用契約の上でのそういう職務と給与等の条件ということが書いてあるんではないか
と。特に不利益処分を中心にどうするかということが書いてあると、こういうことだ
と思うんですけれども。
 何か、私はあえてこだわるつもりもありませんが、どうも従来、天皇の官吏とか官
僚だとかいう特定の何か集団を、入るのが身分ということなのかな、それが国家公務
員なのかなという感覚がどこか基本のところにあるような気がしてしようがないんで
す。国民の受け止めもどうもそういう面があるんではないかと。
 そういうことが、少しこれからの改革、新しい公務員像とマッチするのかしないの
か。新しい公務員像にはそこを私は突き破っていかなきゃいかぬのじゃないかなとい
う気がするんですけれども、そうだとするならば、今言った身分という言葉はできれ
ばやめてもらいたいと思うし、少なくとも身分保障というふうな表現というのは、ど
うも誤解といいましょうか、新しい公務員像にふさわしくないんじゃないかなという
気がしますけれども。
 あえて聞きますと、したがって国家公務員というのは特別な地位のある人の集団を
いうのか、それとも公的な業務、いろいろあると思うんですが、多種多様です、それ
を担当する者、普通の会社でいえば職員ですよね、それが公務という職務だというこ
とでございまして、そういう者を公務員というのかということ。そのどちらなのかと
いうようなことをできればお聞きしたいし、昔のように官僚だとか官吏といったよう
な表現ありますけれども、どうも今まで、身分というふうなことに何かふさわしいと
いうか、そういう感覚で見てこられてきたような面があるんじゃないかなと思います
けれども、この辺につきまして、行革担当石原大臣、どんなお考え方なのか、お聞か
せいただければ有り難いと思います。

○国務大臣(石原伸晃君) ただいま委員が、戦前の官吏とか官僚とかいう言葉と身
分というものが象徴しているようなこの公務員像が突き破るべき改革でなければなら
ないという御意見であったと拝聴させていただいていたわけでございますけれども、
私も、あくまでやはり国家公務員の皆さんというものは国民のために必要な業務をす
る者であって、官吏、官僚といったような特別な地位、すなわち身分であってはなら
ないと考えております。
 国家公務員を天皇の官吏から、先ほど来委員が、憲法十五条に規定されておりま
す、「全体の奉仕者」ですか、というふうに転換すべく国家公務員法というものが制
定されたと私は考えているんですけれども、そんな中で職階制というものが導入され
るとなっておりましたけれども、現在では、この職階制というものを私も調べてみた
んですけれども、なぜか実現、機能しておりませんで、採用試験区分や、Ⅰ種、Ⅱ
種、Ⅲ種といったようなものや、採用年次、君は何年入省と、おれは一年上だと、そ
ういうことで、過度に重視した、硬直的といいますか年功序列というんでしょうか、
そういう給与、処遇が見られてきてかなりスティックしてしまったんじゃないかなと
思っております。
 今回は、先ほど来の委員の御指摘のとおり、こういう身分的なものを突き破るべ
く、職階制というものは、機能していないんですけれども、廃止して、新たに能力等
級制を導入いたしますと。これによって官職の内容、その求める能力と職員の職務を
遂行する能力を常に的確に把握する。
 今までは、どちらかというと、阿部委員はこれだけの能力があるからこの役職だみ
たいな形でなってきたわけですけれども、適材適所の人事配置というものを行えるよ
うに、より客観的に行えるようにしていって、国家公務員の皆様方の人事管理という
んですか、こういうものを明確にして実現をしていきたいと、こういう考えにのっ
とって取り組ませていただいているところでございます。

○政府参考人(佐藤壮郎君) 私も、身分というのは何となく特権的なニュアンスが
あるものですから、何かいい言葉があれば変えた方がいいんではないかと思っており
ますけれども、身分保障といったときの身分は、公務員のある一定の地位というふう
にお考えになったらいいと思います。
 例えば、本省局長級の地位とか本省の課長級の地位、それを国家公務員法ではそう
いう地位を保障するというのが身分保障の意味なんですが、何に対して保障するかと
いうのが実は非常に重要なことなんですが、これは基本的には公務員の人事管理は成
績順位に基づいていなければならないという基本的な理念に立っているわけでござい
まして、例えば恣意的な情実人事が行われるようなことがあると困る、あるいは一部
の政治的な思惑によって人事が乱されるのも困る、そういうことに対して、今言った
ようなそういう地位を保障しましょうというのが身分保障の意味でございます。
 したがいまして、これは必ずしも国家公務員、特別のあれではないと思いますけれ
ども、やはり国民全体に対する奉仕者として、特に成績主義というのは非常に重要で
あるということを申し上げたいと思います。

国会議事録検索システム
http://kokkai.ndl.go.jp/


http://www.tkcnf.or.jp/19ao/kaityou1703.html問題提起】
■税理士法の改正を望む
 ――税理士法第3条1項および第2条2項について――


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