歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

舛添 要一 (著) 厚生労働省戦記―日本政治改革原論 (単行本)

2010年05月16日 | amazon.co.jp・リストマニア
自由民主党下野物語/自民党は、如何にして政権を失いしか, 2010/5/16

By 歯職人

 自民党政権末期の七五二日間を厚生労働大臣として務めた舛添要一の回顧録・私戦記である。
 政治家の著作にありがちな自慢話は、当然のこととして含まれている。しかしながら、「小泉構造改革路線」により日本社会・社会保障全般が疲弊し政権基盤が流動化した中で、次々と政治課題として浮上する「消えた年金、後期高齢者医療制度、産科たらいまわし、薬害肝炎訴訟、新型インフルエンザ、ハケン切り」等々に対し、安倍・福田・麻生の官邸内部、自民党内の厚生労働族議員、厚生労働官僚、現在は政権にある民主党政治家等々の動向、マスコミの生態、そしてそれらの総和としての「踊る厚生労働行政」を記録したレポートとして価値を持つ一冊です。
 戦後そして明治維新後の堆積した政治と行政の負の遺産と「お任せ民主主義」更に「お手軽民主主義」による悪癖が、露になった時期の日本の厚生労働に係る「膿」とその対処がスケッチされる。
 本書から希望を読み解くならば、患者・被害者等の当事者が政策形成・提言能力を高める萌芽が描かれている点である。旧来の「告発型被害者運動」に収斂されない、「日本的民主主義」の限界を突破するものとして賞賛したい。
 著者の自民党在籍中の雑誌連載稿に加筆した、離党後の出版でありその異同を知ることも一興と思われる。
 同時代に厚生労働行政に関心を寄せた方々に、一読をお勧めしたいと思います。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4120041182/ref=cm_cr_mts_prod_img

コウセイロウドウショウセンキ ニホンセイジカイカクゲンロン
厚生労働省戦記―日本政治改革原論

舛添 要一【著】
中央公論新社 (2010/04/25 出版)

306p / 19cm / B6判
ISBN: 9784120041181
NDC分類: 498.1
価格: ¥1,575 (税込)

詳細
消えた年金、後期高齢者医療制度、産科たらいまわし、薬害肝炎訴訟、新型インフルエンザ、ハケン切り…。
民主党では対応できない。
舛添要一が大臣として政官業の癒着と格闘した七五二日間の全記録。

序章 この国の問題を凝縮したような役所で
第1章 迷走する後期高齢者医療制度
第2章 医療再生を阻む官僚と医師会
第3章 消えた年金記録問題
第4章 新型インフルエンザ
第5章 薬害肝炎訴訟とメディアの大罪
第6章 原爆症認定訴訟

著者紹介
舛添要一[マスゾエヨウイチ]
1948年、福岡県生まれ。71年、東京大学法学部政治学科卒業。東京大学政治学助教授などを経て、舛添政治経済研究所を設立。2001年、参院選の比例代表(全国)において、158万8262票を獲得として自民党トップで初当選。参議院外交防衛委員長、自民党憲法審議会会長代理、参議院自民党政策審議会会長などを歴任。07年8月、安倍晋三内閣に厚生労働大臣として初入閣。福田康夫内閣、麻生太郎内閣でも引き続き厚生労働大臣を務めた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

最新の画像もっと見る