歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

宮崎学 (著) 続・突破者 [単行本]

2010年12月05日 | amazon.co.jp・リストマニア
キツネ目の男『突破者』宮崎学の15年の総括本, 2010/12/5

By 歯職人

 その容貌と個人能力からグリコ・森永事件のキツネ目の男の「最有力候補」に擬せられ、1996年『突破者』で鮮烈に物書きとしても世に出、独自の戦列を作り続けてきた宮崎学の人生の振り返り、現代を描き出す総括本である。
 15年前の『突破者』と同様に、宮崎のデオドラント「市民社会」と無縁な被差別者側に立つ鋭利な感覚に基礎を置く分析と考え抜かれた行動の軌跡が、本書に記録されている。
 宮崎は、この15年の各著作執筆の背景から、各著作をつなぐ各地の人々との出会いとそのネットワークの仕事の数々を、現在公表できる範囲内で詳細に語る。
 特に電脳キツネ目組・電脳突破党「始末記」に相当する部分は、当時の記憶を呼び覚ます。宮崎学と電脳キツネ目組・電脳突破党の存在によって浮かび上がる他の個人と組織の立ち位置、ある種の「運動」の起動装置としての宮崎の思想と行動と他との摩擦と軋轢等々、宮崎と日本のこの15年を活字を通して再認識される。
 病と手術を経た宮崎の心境の変化の有るや無やを、行間から読み取るのも本書の読み方の一興かもしれない。
 『突破者』の続編としてその書名を継ぐにふさわしい一冊である。読むべし!

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4886836860/ref=cm_cr_mts_prod_img
ゾクトッパモノ
続・突破者

宮崎 学【著】
同時代社 (2010/11/30 出版)

308p / 19cm / B6判
ISBN: 9784886836861
NDC分類: 289.1
価格: ¥1,890 (税込)

詳細
「正義」をかざすインチキ漢、脱獄計画で著者を助けた闇の将軍、どうにも手が付けられないアホ、清く正しい市民の群れ、刑務所で出会った男と女…。
奈落の闇を、著者は野蛮の声をあげて泳いできた。
孤立を怖れず、進むほかないだろう。


1 電脳突破党始末記
2 俺たちの政治
3 正義と闘う
4 風、雲を呼ぶ亜細亜の大地
5 差別の闇を裂く
6 最後に

著者紹介
宮崎学[ミヤザキマナブ]
1945年京都府生まれ。父は伏見のヤクザ寺村組組長。早稲田大学在学中は日本共産党・民青系のゲバルト部隊に属す。「週刊現代」記者を経て、実家の建築解体業を継ぐ。1996年にそれらの体験を描いた『突破者』で作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

最新の画像もっと見る