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歯科技工士・岩澤 毅

『日本歯技』2014年1月号 反射鏡

2014年01月01日 | 日本歯技


『日本歯技』2014年1月号

○昨年のNHK大河ドラマは、幕末から明治にかけての時代を背景に、同志社女子大学の創立者である新島八重を中心に描いた『八重の桜』だった。綾瀬はるかさん演じる新島八重の凛々しさが際立った会津編は、幕末の京都における政治情勢を丁寧に描き、会津藩主・松平容保が京都守護職に就任し、倒幕派の志士の取り締まりや政変において佐幕派の中核として矢面に位置付けられ、維新・新政府側の怨嗟の的となり、戊辰戦争と過酷な会津戦争、鶴ヶ城篭城戦に至る過程が描かれた。「白河以北一山百文」というという侮蔑表現を生み、宮城県を中心とする東北のブロック紙「河北新報」の紙名の由来となった。「白河の関」が持つ重い物語の歴史的背景が、確実に全国に伝わったのではないだろうか。

○今年のNHK大河ドラマは、『軍師官兵衛』である。近年の史料研究による歴史的事実と小説等により作られた「軍師」物語の黒田官兵衛像に、どの様な調和を求め、その生涯を描くのか。黒田官兵衛と関係の深い各地では、様々な関連事業も計画されているようだ。各地の関係者にとっては、ご当地に伝わる物語こそが期待する黒田官兵衛であろう。大河ドラマ関係者が描く新たな官兵衛像に期待しながら、チャンネルを合わせていきたい。

○世も平成であり、徳川時代や幕末は遥か彼方の昔話の様でありながら、その物語や文物が現代に生きる私たちに及ぼしている影響が、ふと顔を見せる場面がある。住民の気質や食文化が,旧藩時代に築かれたものである場合が往々にある。全国に様々に関わる時、そんな視点も持ち合わせることも必要かもしれない。

○大河ドラマ・ファンにとっては、一年がタイトルや出演者と共に記憶される。翻って、歯科技工士の記憶に、今年は何が刻まれるのか。小欄が、どの様な反射を、書きとめる事が出来るのか。時に凹面鏡、凸面鏡となり、平面鏡となり、歯科技工士にとっての時を刻んでいきたい。本年も宜しくお願い致します。

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