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歯科技工士・岩澤 毅

白石昌則 (著), 東京農工大学の学生の皆さん (著)  生協の白石さん

2011年01月03日 | amazon.co.jp・リストマニア
ひとつの東京郊外のファンタジーか, 2011/1/3

By 歯職人

 特別に企てられた話でなく、生協職員の組合員との一つのコミュニケーションの「ひとことカード」への「お答え」を通した小さな誠意とその積み重ねが、ネットという助っ人と学生の大学への思い入れをジャンプ台にして、ネット参加者にある種のファンタジーとして周辺の人々に受け入れられ、2005年にブレイクした「生協の白石さん」の書籍化です。
 白石さんの「お答え」には、大学生という幼さを持ち、同時に学業と将来に不安を抱えた世代に接する大人の節度と教育者とは異なる支援者の手作りの温かみが感じ取れます。
 組合員である学生に「発見」され、「伝えたい」と思われる力を秘めた白石さんの「お答え」には、過剰な作為が無くそれが安心を生んでいる。
 白石さんは現在、NHKラジオ第1放送の番組「渋マガZ」(毎週日曜日 19:20-21:55)に、「生協の白石さん」に倣った形式の「こたえて!生協の白石さん」と題するコーナーを持っている。

http://www.amazon.co.jp/gp/product/4062131676/ref=cm_cr_mts_prod_img 

ブログ がんばれ、生協の白石さん!
http://shiraishi.seesaa.net/
渋マガZ
http://www.nhk.or.jp/shibuz/
こたえて!生協の白石さん
http://www.nhk.or.jp/shibuz/shiraishi/index.html

生協の白石さん

白石昌則 東京農工大学の学生の皆さん
講談社 (2005/11 出版)

149p / 19cm / B6判
ISBN: 9784062131674
NDC分類: 049
価格: ¥999 (税込)

詳細
あなたは、白石さんをご存じですか?
今、一番旬の話題はコチラ。東京の西、多摩地区にある東京農工大学。この学校の生協で働く職員、白石さんが今、各メディアの注目を集めています。『ひとことカード』という質問、要望コーナーで行われる楽しいコミュニケーション。どんな問いでも一生懸命に答えてくれる白石さんの姿は共感を呼び、白石さんはテレビ、新聞などで取り上げられるとんでもない人気者になってしまいました。この白石さんと学生たちのやりとりの記録が、満を持して本になります。本には厳選された「ひとことカード」と、白石さん自身による解説が収録。単行本『生協の白石さん』、お見逃しなく。

『生協の白石さん」現象とは?
「ひとことカード」とは、学生の要望や商品の感想を生協に伝える投書コーナーです。学生生協は、学生の福利厚生面をサポートし、より豊かな学生生活を送ることができるように支援する組合。「ひとことカード」ではそうした活動の一環として学生の声を取り上げ、担当者が回答を掲示板に張り出すのですが、中にはちょっと趣旨とは少しはなれたものもあるわけです。たとえば、
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僕にまだ春が来ないのですが・・・
なんとかしてください、白石さん
お名前 鏡介
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本来は答えがたいこうした投書。しかし農工大生協の「ひとことカード」の回答を担当する白石さんは、実に意外な切り口を見せて回答します。
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そうですか。まだ春、は来ないですか。
微力な一生協職員の私として、何もして
あげる事はできませんが、成功者の多くは、
自らが成功したときのイメージを事前に
脳の中で膨らまして事に臨むと聞いた覚え
があります。鏡介さんにとっての“春”が
何かは存じませんが、活力溢れる日々を
送る内、自然と訪れるかもしれませんよ。
頑張ってください。
05年2月10日 担当 白石
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その機知に富んでいながら温かみのある回答に驚いた学生たちが、Webで白石さんの「ひとことカード」を紹介。「生協の白石さん」現象はここから始まり、白石さん応援するファンの輪は、やがてWebを飛び越え、白石さんはとんでもない人気者となってしまいました。

どんな質問にでも答えてくれる白石さん。その誠実な回答ぶりからは笑いとともに人柄の暖かさと誠実さが伝わってきます。こうした白石さんについて、農工大学生協専務理事、小林亘氏はこう語ります。

私一人の勝手な思いこみかもしれないが、白石さんに寄せられるちょっと風変わりな意見や要望を見ると、「これはひょっとすると“私のことに注目して欲しい(私の存在を認めて欲しい)”というメッセージではないだろうか」と感じる。そして、そのようなメッセージが送られてきた時、私も含めて多くの“大人”は、日常の忙しさの中で見過ごしたり、現状にある彼・彼女を見て、ある先入観で接してきているのではないだろうかという反省の思いを抱くのである。
家庭においては子と親、学校においては生徒と先生、職場においては部下と上司の関係でも同じことがいえるのではないだろうか。家庭では、子供が学校での出来事を聞いてもらおうと話しているのに、親はついつい日頃気になっている「忘れ物していない?」「宿題はしたの?」などとばかり答えたり、学校では、成績やスポーツが出来る子以外なかなかスポットライトが当たらずその他大勢の一人になっていたり、会社では、過去の失敗や成績からのみ評価されて、いろいろな提案をしても取り上げてもらえなかったり……。だからこそ、どのような質問や意見に対しても率直に受け入れて、きちんと答えてくれる白石さんの回答に接して感じた、“こんなことにもまじめに答えてくれた”という驚き、“しっかり受け止めてくれた”ことに対する喜びが、支持や共鳴を生んでいるのではないかと思っている。              
(単行本「生協の白石さん」巻末解説より)

白石さんと学生のやりとりからは、一見ふざけたようにみえる投書にも、その背景にはなにか切実なものがあることが浮かび上がります。現代に生きる人々にちょっとした元気と、そして楽しい気分を与えてくれる白石さんの言葉。よろしければぜひ、本となった「生協の白石さん」を手に取ってみてください。

厳選された全108のひとことカードを収録。
また白石さんによる書き下ろしエッセイ計9ページつき。
解説:岡田有花(ITmedia記者)/小林 亘(農工大学生協専務理事)

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