『蟹工船』の次に読むべき小説, 2008/7/6
By 歯職人
スターリン個人の資質のみで主義や集団・時代が変質するわけも無く、その風土や歴史、主義主張の内容こそが解明されなければならないソ連邦とその同盟者の暗黒の時代。しかし個人名が冠されることで、今だ解明されざるスターリン時代。
その過酷な時代を作り上げた同時代人あるいは共犯者の群れと、その時代状況の中毅然と生きた一人の踊り子が、この小説の主要な登場人物です。
舞踊教師オリガ・モリソヴナの輝きとその「反語法」が醸し出す魅力が、30数年の時を超えて米原万里の調査の原動力となり、小説第一作と結実している。
米原万里のプラハ体験と旧ソ連圏への幅広い見聞と人脈を背景としながら、小説は個人の営みであり、個人の執念の結晶化されたものであると再確認させる小説と言えよう。
『蟹工船』の次に読むべき小説と記したい。
(オリガモリソヴナノハンゴホウシュウエイシャブンコ )
集英社文庫
オリガ・モリソヴナの反語法
ISBN:9784087478754 (4087478750)
531p 15cm(A6)
集英社 (2005-10-25出版)
・米原 万里【著】
[文庫 判] NDC分類:913.6 販売価:780(税込) (本体価:743)
1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。
老女だが踊りは天才的。
彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。
だが、その行動には謎も多かった。
あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。
苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。
感動の長編小説、待望の文庫化。
By 歯職人
スターリン個人の資質のみで主義や集団・時代が変質するわけも無く、その風土や歴史、主義主張の内容こそが解明されなければならないソ連邦とその同盟者の暗黒の時代。しかし個人名が冠されることで、今だ解明されざるスターリン時代。
その過酷な時代を作り上げた同時代人あるいは共犯者の群れと、その時代状況の中毅然と生きた一人の踊り子が、この小説の主要な登場人物です。
舞踊教師オリガ・モリソヴナの輝きとその「反語法」が醸し出す魅力が、30数年の時を超えて米原万里の調査の原動力となり、小説第一作と結実している。
米原万里のプラハ体験と旧ソ連圏への幅広い見聞と人脈を背景としながら、小説は個人の営みであり、個人の執念の結晶化されたものであると再確認させる小説と言えよう。
『蟹工船』の次に読むべき小説と記したい。
(オリガモリソヴナノハンゴホウシュウエイシャブンコ )
集英社文庫
オリガ・モリソヴナの反語法
ISBN:9784087478754 (4087478750)
531p 15cm(A6)
集英社 (2005-10-25出版)
・米原 万里【著】
[文庫 判] NDC分類:913.6 販売価:780(税込) (本体価:743)
1960年、チェコのプラハ・ソビエト学校に入った志摩は、舞踊教師オリガ・モリソヴナに魅了された。
老女だが踊りは天才的。
彼女が濁声で「美の極致!」と叫んだら、それは強烈な罵倒。
だが、その行動には謎も多かった。
あれから30数年、翻訳者となった志摩はモスクワに赴きオリガの半生を辿る。
苛酷なスターリン時代を、伝説の踊子はどう生き抜いたのか。
感動の長編小説、待望の文庫化。