幕末維新の気風と明治社会建設の速度と深度を伝える自伝と全仕事解説, 2010/9/19
By 歯職人
一万円札の肖像画の福澤諭吉先生である。「今日からは英語だ」の福澤諭吉先生である。一万円札の肖像画同様、社会人の常識として先生の存在は知っている。しかしながら、向き合うことのなかった福澤諭吉の著作に向き合ってみた。
本書は、福澤諭吉ご本人による、幕末維新の気風と明治国家建設の速度を伝える自伝と全仕事解説である。
口述筆記を利用し元稿を作ったとのことであるが、福澤の語り口が生き生きとして名人・上手の噺家が楽屋で世間話をするような風情で、読む者にとって、語りに登場する各地・各時代の人物と風俗が身近にに受け入れられる。NHKの大河ドラマなどで描かれる幕末維新の世情が、「福澤諭吉の見て感じて、尚且つそこにいた幕末維新」として語られる。
特に福澤周辺の人士の青春群像が活劇の如く楽しめる。酒、異性、食、学問、、将来、青春の悩みと若さの暴発と発散は時代を超えて笑いを誘う。ヴィジュアリスト手塚眞氏の父である漫画家故手塚治虫氏の曽祖父の名前がポロリと露出し、手塚漫画の『陽だまりの樹』を思い出し驚きが重なる。
勿論、福澤と読者は時代も違い、言葉遣いも大いに違う。本書は、決して読み易くはない(注とルビが優れている)。しかし、教科書の中の登場人物が同時代人と後世の人に伝えたかった世界への入口としては、適した一冊です。
『福澤全集緒言』は、各時代の福澤の関心と仕事の重心の所在を書名から追うに際して指標になるものと思われる。
福澤自身が語る福澤の歴史と仕事の話に耳を傾けてみるのも、福澤とその時代を理解する上で必要なことと思います。
福澤を知るために一冊選べと問われれば、挙げたい一冊です。機会があれば紐解いて頂きたいものです。
手塚良仙(良庵)
http://www2.ocn.ne.jp/~norimi/tekijyuku-h1.html
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4766416260/ref=cm_cr_mts_prod_img
フクオウジデンフクザワゼンシュウショゲン
福翁自伝・福澤全集緒言
福澤 諭吉【著】 松崎 欣一【編】
慶應義塾大学出版会 (2009/05/30 出版)
549,19p / 17cm
ISBN: 9784766416268
NDC分類: 289.1
価格: ¥1,680 (税込)
詳細
時代を超えて読み継がれる自伝文学の白眉、『福翁自伝』。
心血を注いだ著述・翻訳活動に対する思いを綴った『福澤全集緒言』。
次世代に託した福澤の「遺言」ともいえる最晩年の2著作を収録。
福翁自伝(幼少の時;長崎遊学;大阪修業;緒方の塾風;大阪を去て江戸に行く;始めて亜米利加に渡る;欧羅巴各国に行く;攘夷論;品行家風;老余の半生)
福澤全集緒言
著者紹介
松崎欣一[マツザキキンイチ]
1939年生まれ。1963年慶應義塾大学文学部史学科(国史専攻)卒業。1965年同大学大学院文学研究科修士課程修了。1965~2005年慶應義塾志木高等学校教諭、1996~2005年慶應義塾福澤研究センター副所長。慶應義塾名誉教諭、慶應義塾福澤研究センター顧問、(社)福澤諭吉協会常務理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766416268/
福翁自伝 福澤全集緒言
福澤 諭吉 著
松崎 欣一 編
全書判(B6判変型)/並製/582頁
初版年月日:2009/05/30
ISBN: 978-4-7664-1626-8
(4-7664-1626-0)
Cコード:C0010
定価:1,680円 (本体:1,600円)
[コンパクト版で読む福澤諭吉の本]
新字・新かなを使用した読みやすい表記、わかりやすい「語注」「解説」による編集。
自伝文学の白眉
「門閥制度は親の敵(かたき)で御座る」。
臨場感あふれる筆致で描く、痛快な人生。
時代を超えて読み継がれる自伝文学の白眉、『福翁自伝』。心血を注いだ著述・翻訳活動に対する思いを綴った『福澤全集緒言』。次世代に託した福澤の「遺言」ともいえる最晩年の2著作を収録。
※本書は、2003年11月、当社から福澤諭吉著作集(全12巻)の第12巻として刊行されたものです。
福翁自伝
幼少の時
長崎遊学
大阪修業
緒方の塾風
大阪を去て江戸に行く
始めて亜米利加に渡る
欧羅巴各国に行く
攘夷論
再度米国行
王政維新
暗殺の心配
雑 記
一身一家経済の由来
品行家風
老余の半生
福澤全集緒言
唐人往来
華英通語
西洋事情
雷銃操法
西洋旅案内
窮理図解
洋兵明鑑
議事院談
世界国尽
学問のすゝめ
学問のすゝめの評
童蒙教草
かたわ娘
改暦弁
帳合之法
会議弁
明治七年六月七日集会の演説
文明論之概略
民間経済録
分権論以下
解 説 松崎欣一
【編者】
松崎欣一(まつざき きんいち)
1939年生まれ。1963年慶應義塾大学文学部史学科(国史専攻)卒業。1965年同大学大学院文学研究科修士課程修了。1965~2005年慶應義塾志木高等学校教諭、1996~2005年慶應義塾福澤研究センター副所長。慶應義塾名誉教諭、慶應義塾福澤研究センター顧問、(社)福澤諭吉協会常務理事。
主な編著作に、『三田演説会と慶應義塾系演説会』(慶應義塾大学出版会、1998)、『福澤諭吉論の百年』(共編、慶應義塾大学出版会、1999年)、『江戸町触集成』(全19巻、共編、塙書房、1994~2003)、『福澤諭吉書簡集』(全9巻、共編、岩波書店、2001~2003)、『福澤諭吉の手紙』(共編、岩波文庫、2004年)、『語り手としての福澤諭吉―ことばを武器として―』(慶應義塾大学出版会、2005)など。
By 歯職人
一万円札の肖像画の福澤諭吉先生である。「今日からは英語だ」の福澤諭吉先生である。一万円札の肖像画同様、社会人の常識として先生の存在は知っている。しかしながら、向き合うことのなかった福澤諭吉の著作に向き合ってみた。
本書は、福澤諭吉ご本人による、幕末維新の気風と明治国家建設の速度を伝える自伝と全仕事解説である。
口述筆記を利用し元稿を作ったとのことであるが、福澤の語り口が生き生きとして名人・上手の噺家が楽屋で世間話をするような風情で、読む者にとって、語りに登場する各地・各時代の人物と風俗が身近にに受け入れられる。NHKの大河ドラマなどで描かれる幕末維新の世情が、「福澤諭吉の見て感じて、尚且つそこにいた幕末維新」として語られる。
特に福澤周辺の人士の青春群像が活劇の如く楽しめる。酒、異性、食、学問、、将来、青春の悩みと若さの暴発と発散は時代を超えて笑いを誘う。ヴィジュアリスト手塚眞氏の父である漫画家故手塚治虫氏の曽祖父の名前がポロリと露出し、手塚漫画の『陽だまりの樹』を思い出し驚きが重なる。
勿論、福澤と読者は時代も違い、言葉遣いも大いに違う。本書は、決して読み易くはない(注とルビが優れている)。しかし、教科書の中の登場人物が同時代人と後世の人に伝えたかった世界への入口としては、適した一冊です。
『福澤全集緒言』は、各時代の福澤の関心と仕事の重心の所在を書名から追うに際して指標になるものと思われる。
福澤自身が語る福澤の歴史と仕事の話に耳を傾けてみるのも、福澤とその時代を理解する上で必要なことと思います。
福澤を知るために一冊選べと問われれば、挙げたい一冊です。機会があれば紐解いて頂きたいものです。
手塚良仙(良庵)
http://www2.ocn.ne.jp/~norimi/tekijyuku-h1.html
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4766416260/ref=cm_cr_mts_prod_img
フクオウジデンフクザワゼンシュウショゲン
福翁自伝・福澤全集緒言
福澤 諭吉【著】 松崎 欣一【編】
慶應義塾大学出版会 (2009/05/30 出版)
549,19p / 17cm
ISBN: 9784766416268
NDC分類: 289.1
価格: ¥1,680 (税込)
詳細
時代を超えて読み継がれる自伝文学の白眉、『福翁自伝』。
心血を注いだ著述・翻訳活動に対する思いを綴った『福澤全集緒言』。
次世代に託した福澤の「遺言」ともいえる最晩年の2著作を収録。
福翁自伝(幼少の時;長崎遊学;大阪修業;緒方の塾風;大阪を去て江戸に行く;始めて亜米利加に渡る;欧羅巴各国に行く;攘夷論;品行家風;老余の半生)
福澤全集緒言
著者紹介
松崎欣一[マツザキキンイチ]
1939年生まれ。1963年慶應義塾大学文学部史学科(国史専攻)卒業。1965年同大学大学院文学研究科修士課程修了。1965~2005年慶應義塾志木高等学校教諭、1996~2005年慶應義塾福澤研究センター副所長。慶應義塾名誉教諭、慶應義塾福澤研究センター顧問、(社)福澤諭吉協会常務理事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
http://www.keio-up.co.jp/np/isbn/9784766416268/
福翁自伝 福澤全集緒言
福澤 諭吉 著
松崎 欣一 編
全書判(B6判変型)/並製/582頁
初版年月日:2009/05/30
ISBN: 978-4-7664-1626-8
(4-7664-1626-0)
Cコード:C0010
定価:1,680円 (本体:1,600円)
[コンパクト版で読む福澤諭吉の本]
新字・新かなを使用した読みやすい表記、わかりやすい「語注」「解説」による編集。
自伝文学の白眉
「門閥制度は親の敵(かたき)で御座る」。
臨場感あふれる筆致で描く、痛快な人生。
時代を超えて読み継がれる自伝文学の白眉、『福翁自伝』。心血を注いだ著述・翻訳活動に対する思いを綴った『福澤全集緒言』。次世代に託した福澤の「遺言」ともいえる最晩年の2著作を収録。
※本書は、2003年11月、当社から福澤諭吉著作集(全12巻)の第12巻として刊行されたものです。
福翁自伝
幼少の時
長崎遊学
大阪修業
緒方の塾風
大阪を去て江戸に行く
始めて亜米利加に渡る
欧羅巴各国に行く
攘夷論
再度米国行
王政維新
暗殺の心配
雑 記
一身一家経済の由来
品行家風
老余の半生
福澤全集緒言
唐人往来
華英通語
西洋事情
雷銃操法
西洋旅案内
窮理図解
洋兵明鑑
議事院談
世界国尽
学問のすゝめ
学問のすゝめの評
童蒙教草
かたわ娘
改暦弁
帳合之法
会議弁
明治七年六月七日集会の演説
文明論之概略
民間経済録
分権論以下
解 説 松崎欣一
【編者】
松崎欣一(まつざき きんいち)
1939年生まれ。1963年慶應義塾大学文学部史学科(国史専攻)卒業。1965年同大学大学院文学研究科修士課程修了。1965~2005年慶應義塾志木高等学校教諭、1996~2005年慶應義塾福澤研究センター副所長。慶應義塾名誉教諭、慶應義塾福澤研究センター顧問、(社)福澤諭吉協会常務理事。
主な編著作に、『三田演説会と慶應義塾系演説会』(慶應義塾大学出版会、1998)、『福澤諭吉論の百年』(共編、慶應義塾大学出版会、1999年)、『江戸町触集成』(全19巻、共編、塙書房、1994~2003)、『福澤諭吉書簡集』(全9巻、共編、岩波書店、2001~2003)、『福澤諭吉の手紙』(共編、岩波文庫、2004年)、『語り手としての福澤諭吉―ことばを武器として―』(慶應義塾大学出版会、2005)など。