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歯科技工士・岩澤 毅

松浦 玲 (著) 勝海舟 (中公新書 158 維新前夜の群像 3)

2010年10月25日 | amazon.co.jp・リストマニア
松浦玲の海舟論の原点, 2010/10/25

By 歯職人

 1953年のいわゆる荒神橋事件の関係者である松浦玲の1968年の著作である。松浦には、別に筑摩書房より2010年出版した決定版としての『勝海舟』がある。
 松浦は本書で、勝海舟を「幕府内開明派」と位置づけ、その事績をこの一冊の新書にまとめた。2010年の現在にも読み継がれる一冊である。
 松浦が、勝海舟の対談等の記述の大雑把さに翻弄されながらも、事実の確定作業に苦労する過程等にも伴走できる著作である。
 下級の幕臣にして幕臣を超えた構想力のある勝の人を見出し育てる能力、人を引き付ける感染力と魅力、時代と人の心と思惑が揺れ動く中、火中の栗を敢えて拾う時代の立ち位置を確認できる一冊です。
 勝海舟は幕末維新の登場人物の中で、貧乏と不遇が似合う一人である。
 
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勝海舟
維新前夜の群像3

松浦玲 著

明治維新の成就には、倒幕と志士たちとならんで、幕府内開明派の存在が必要であった。旗本の家に生まれた勝海舟は、海軍の技術を身につけつつ、官僚として成長し、咸臨丸で太平洋を横断したり、神戸に海軍操練所を開くが、その幕府批判の姿勢のために幕府から処罰される。しかし、再び登用されてついに江戸幕府倒壊に立会った海舟の生涯は、新しい近代統一国家への構想と幕臣としての地位との矛盾に悩みながら、なお大きく歴史を転換させた。

書誌データ
初版発行日1968/4/25判型新書判ページ数208ページ定価693円(本体660円)ISBNコードISBN978-4-12-100158

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