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歯科技工士・岩澤 毅

スティグリッツ早稲田大学講義録 グローバリゼーション再考 (新書)

2007年02月18日 | amazon.co.jp・リストマニア
スティグリッツ早稲田大学講義録 グローバリゼーション再考 (新書)
藪下 史郎 (著), 荒木 一法
新書: 200ページ
出版社: 光文社 (2004/10/16)
ISBN-13: 978-4334032722
ASIN: 4334032729

神の見えざる手など、存在しなかった, 2007/2/18

レビュアー: 歯職人

 経済学と聞くと、パブロフの犬の如く「神の見えざる手」と反応してしまう貴方、お読み下さい。
 アメリカ合衆国一国がドル紙幣を印刷し、アメリカ財務省証券を発行できる。この当然すぎるカラクリの基盤の上に世界は暮らさなければならない。
 本書は、「非対称情報下の市場経済」の研究者J・E・スティツグリッツによる早稲田大学での講演とその解説です。
 90年代、熱病の様な「グローバリゼーション」と「市場原理主義」の波が通過する中、タイや韓国をはじめとした、「IMF危機」が何故発生したのか?経済学には何が足りなかったのか?
 J・E・スティツグリッツ氏の経済学・「非対称情報下の市場経済」が、主にIMFの90年代の政策と活動をを素材に、危機が作り出された仕組みが解き明かすことを通して説明されます。
 第一部は、スティツグリッツ氏の講義録の本体。
 第二部は、荒木一法氏による講義解説。
 第三部は、藪下史郎氏によるJ・E・スティツグリッツ氏の経済学の解説 。
 全体に平易な表現であり、読みやすく仕上がっています。
 「まえがき」「あとがき」とも、明快な本書発行の目的が説明されており好感を持ちます。
 「開かれた政治経済制度の構築」に向けた政治経済学的アプローチへの入門書との位置づけの一冊です。
 『講義録』とのタイトルが、明治の時代を思い起こさせますが、編集者の狙いなのでしょうか。

目次

第1部 スティグリッツ講義録(グローバリゼーションの功罪
国際金融機関の役割
IMFはその使命を果たしてきたか ほか)
第2部 スティグリッツ講義解説(グローバリゼーションの功罪について
国際金融機関の役割について
IMFの失敗と経済危機の原因について ほか)
第3部 スティグリッツの経済学とグローバリゼーション(新古典派経済学
非対称情報の経済学
グローバリゼーション下の政府の役割 ほか)

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