軍事合理性と情報の科学と真逆の世界を垣間見た記, 2017/8/15
投稿者 歯職人
本書の著者堀栄三さんは、太平洋戦の戦局の不利の兆しが現れ出した時期に、大本営に情報参謀として配属され、情報分析が重視されない、軍事合理性に重きを置かない世界で、己の最善を求めて行動した記録です。
戦後、自衛隊において統幕情報室長を務め、旧軍の過ちと向き合い、今日の基礎を築かれた。
あくまで客観的に記述しようとする姿勢に好感が持てる。太平洋戦争に対しては、数多くの研究がされているが、読み継がれるに値する一冊と言えるのでしょう。
文春文庫
大本営参謀の情報戦記―情報なき国家の悲劇
堀 栄三【著】
価格 ¥648(本体¥600)
文藝春秋(1996/05発売)
サイズ 文庫判/ページ数 348p/高さ 16cm
商品コード 9784167274023
内容説明
「太平洋各地での玉砕と敗戦の悲劇は、日本軍が事前の情報収集・解析を軽視したところに起因している」―太平洋戦中は大本営情報参謀として米軍の作戦を次々と予測的中させて名を馳せ、戦後は自衛隊統幕情報室長を務めたプロが、その稀有な体験を回顧し、情報に疎い日本の組織の“構造的欠陥”を剔抉する。
目次
陸大の情報教育
大本営情報部時代
山下方面軍の情報参謀に
再び大本営情報部へ
戦後の自衛隊と情報
情報こそ最高の“戦力”
出版社内容情報
大本営情報参謀から戦後に自衛隊情報室長を務めたプロが、体験を通して情報に疎い日本陸軍及び日本の組織の構造的欠陥を告発する