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歯科技工士・岩澤 毅

官のシステム (単行本) 大森 彌 (著)

2006年11月26日 | amazon.co.jp・リストマニア
官のシステム (単行本) 大森 彌 (著)
単行本: 281ページ
出版社: 東京大学出版会 (2006/09)
ASIN: 4130342347

行政優位国家の解剖学~官僚は何に従って生き残るのか, 2006/11/26

レビュアー: 歯職人

 明治維新の性格を、「市民革命」と定義するのかはさて置き、第二次世界大戦の敗戦を経てもその遺伝子を伝え続けた日本の官僚制。
 本書は、「大部屋主義」を一つのキーワードとして提出し、その特質に迫る。官僚の生理、官僚の育成システム、組織運営、それらは今だ国民の選択を経ることなく国家の骨格を形成している。
 戦後の出発点でもある「民主化」と遥かに離れた、日本の中央官僚(国家公務員公称を「全国公務員」への主張あり)の振付師としての振る舞いに対抗すべきヒントが行政学の大森により提示される。
 振り返れば、細川連立政権、橋本自自政権等に影響力を及ぼした小沢一郎等の潮流による行政改革、先進県知事による地方分権・情報公開の潮流が、日本の国家システムに及ぼした改革の種を、国民が今どの様に選び直すのか、選択の時が迫っていることを本書により知ることが出来る。
 気づくことなく中央官僚の用意したシナリオに生きるのか?政治を選び直し、官僚のDNAに手を入れるのか?
 本書は、選択の為のヒントに満ちている。

序章 官たちの世界
1章 持続した官のシステム―立ち枯れた職階法
2章 変わらぬ大部屋主義の職場組織
3章 規格化された組織とその管理
4章 定員削減のメカニズム
5章 日本国所管課の活動
6章 分権改革と省庁の対応
終章 官のシステムのゆくえ

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