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歯科技工士・岩澤 毅

二木 立【著】 地域包括ケアと福祉改革

2018年01月05日 | amazon.co.jp・リストマニア
第2期安倍政権の医療・社会保障政策の最新動向を包括的に分析

投稿者歯職人2018年1月5日

 日本福祉大学学長を2017年3月末まで務められた二木立氏による第2期安倍政権の医療・社会保障政策の最新動向を、地域包括ケアと地域医療連携、および福祉改革に焦点を当てつつ、包括的かつ複眼的に分析した書籍です。
 考え抜かれたであろう本書の帯には、「地域包括ケアから「地域共生社会」へ?/安倍政権の医療・福祉改革を丸ごと分析」とあります。
 本書の「第5章 私の行ってきた研究の視点と方法」の「第2節 私の行ってきた研究とその方法──60歳以降の研究の「重点移動」と著書「量産」の秘密」にまとめられているが、著者の二木氏は医療経済・政策学の研究者として、その方法論を明らかにし、更に時の医療経済・政策への時評を継続し行い論文としてまとめ書籍としている。
 本著作では、序章「今後の超高齢・少子社会を複眼的に考える──医療・社会保障改革を冷静に見通すための前提」の「第1章地域包括ケア政策と地域医療構想の展開」「第1節地域包括ケアシステムから「全世代・全対象型地域包括支援」へ」と「第2節 「地域包括ケア研究会2015年度報告書」を複眼的に読む」が、特に第2期安倍政権の医療・社会保障政策の特徴を理解するために重要と思われる。
 「地域包括ケア」の概念の由来と変遷、内容の変化を解き明かす下りは、推理小説を読むような謎解きを感じる。
 「第4章 保健医療分野のパラダイムシフト論とオプジーボ亡国論の検証」は、マスコミ的な話題になり、ややもすれば医療経済・政策学に俗論が混入しかねない際に警告を発する二木節の真骨頂といったところです。
 少子高齢社会に対する過剰な恐れを抱くこともなく、正面から対する上で必要な論点を含む一冊と思います。

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地域包括ケアと福祉改革

二木 立【著】

価格 ¥2,700(本体¥2,500)
勁草書房(2017/03発売)
サイズ A5判/ページ数 240p/高さ 22cm
商品コード 9784326700981
NDC分類 498.13
Cコード C3047

内容説明

第2期安倍政権の医療・社会保障政策の最新動向を、地域包括ケアと地域医療連携、および福祉改革に焦点を当てつつ、包括的かつ複眼的に分析。

目次

序章 今後の超高齢・少子社会を複眼的に考える―医療・社会保障改革を冷静に見通すための前提
第1章 地域包括ケア政策と地域医療構想の展開
第2章 福祉改革の展開―「新福祉ビジョン」から「『我が事・丸ごと』地域共生社会」へ
第3章 第2期安倍政権の医療・社会保障費抑制政策
第4章 保健医療分野のパラダイムシフト論とオプジーボ亡国論の検証
第5章 私の行ってきた研究の視点と方法

著者紹介

二木立[ニキリュウ]
1947年生。1972年東京医科歯科大学医学部卒業。代々木病院リハビリテーション科科長・病棟医療部長、日本福祉大学教授・副学長等を経て現在、日本福祉大学学長(2017年3月末まで)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

出版社内容情報

「新福祉ビジョン」から「我が事・まるごと」地域共生社会へ。地域包括ケアシステムの実態、変容、今後を包括的に分析する。現在全国の自治体・地域で地域包括ケアシステムの構築・推進・具体化が図られているが、法的定義がわかりづらいために「地域包括ケアシステムとはなにか」が各地で混乱している状況がある。本書では地域包括ケアシステムの法的定義を示した上で、最新の医療・社会保障制度改革の動向を、包括的・複眼的・実証的に分析する。

はしがき

序章 今後の超高齢・少子社会を複眼的に考える──医療・社会保障改革を冷静に見通すための前提

第1章 地域包括ケア政策と地域医療構想の展開

 第1節 地域包括ケアシステムから「全世代・全対象型地域包括支援」へ

 第2節 「地域包括ケア研究会2015年度報告書」を複眼的に読む

 第3節 地域包括ケアシステムと地域医療構想──医療経済・政策学の視点から

 第4節 改めて,2025年に「必要病床数」は大幅減少するか?

 第5節 地域医療構想をめぐる論点または留意点



第2章 福祉改革の展開─「新福祉ビジョン」から「『我が事・丸ごと』地域共生社会」へ

 第1節 厚労省プロジェクトチーム「新福祉ビジョン」をどう読むか

 第2節 「ニッポン一億総活躍プラン」と「地域共生社会実現本部」資料を複眼的に読む

 第3節 『平成28年版厚生労働白書』をどう読むか?

 第4節 「地域力強化検討会中間とりまとめ」をどう読むか?──「新福祉ビジョン」との異同を中心に

 コラム1 『社会福祉研究のフロンティア』書評

 コラム2 『ソーシャルワークにおける「生活場モデル」の構築─日本人の生活・文化に根ざした社会福祉援助』書評



第3章 第2期安倍政権の医療・社会保障費抑制政策

 第1節 「骨太方針2015」の社会保障費大幅抑制方針

 第2節 財政審2015年「建議」の医療・社会保障費抑制要求とKPIの危険性

 第3節 2016年度診療報酬改定の狙いとその実現可能性・妥当性を考える

 第4節 公正取引委員会の「混合介護の弾力化」提案の背景・意味と実現(不)可能性を考える──混合診療解禁論との異同にも触れながら



第4章 保健医療分野のパラダイムシフト論とオプジーボ亡国論の検証

 第1節 高齢社会における保健医療分野の3つのパラダイムシフト論の真贋の検討──「保健医療2035」を中心に

 第2節 國頭医師のオプジーボ亡国論を複眼的に評価する──技術進歩と国民皆保険制度は両立可能



第5章 私の行ってきた研究の視点と方法

 第1節 私の医療政策の分析・予測の視点と方法

 コラム3 医療改革を考える際の3つの座右の銘

 第2節 私の行ってきた研究とその方法──60歳以降の研究の「重点移動」と著書「量産」の秘密



初出一覧

あとがき

事項索引

人名索引

二木 立[ニキ リュウ]
二木 立(にき りゅう)
1947年生. 1972年東京医科歯科大学医学部卒業. 代々木病院リハビリテーション科科長・病棟医療部長, 日本福祉大学教授・副学長等を経て, 現在:日本福祉大学学長(2017年3月末まで). 著書:『保健・医療・福祉複合体』(医学書院, 1988), 『医療経済・政策学の視点と研究方法』(勁草書房, 2006), 『民主党政権の医療政策』(勁草書房, 2011), 『TPPと医療の産業化』(勁草書房, 2012), 『安倍政権の医療・社会保障改革』(勁草書房, 2014), 『地域包括ケアと地域医療連携』(勁草書房, 2015)等.

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