2011年11月18日発行
すべての
歯科技工士の皆様へ
~伝えたい、わたしたちの思い~
16-18
社団と連盟の峻別の定式化とニチギデータセンターの必要性
平成23年3月11日に開催された日技第94回代議員会において、いわゆるNDC(ニチギデータセンター)に関連する議案等の否決等により、日技会務の執行に一時的混乱がありました。これらの背景等に関連した説明をいたしたいと思います。
1.事業体問題
一つの論点として、公益法人の周辺に事業体を持つことの是非が問われました。
各地の資格者団体は、様々な関連団体を持っています。代表的な例を挙げれば、医師会、歯科医師会の関連団体として警察医師会、青色申告連合会、国民健康保険組合、学校法人等々かあります。
団体が、団体と会員の利便と役割を果たすために工夫し、適法な手続きで業務遂行と様々な役割分担・機能分担を行うことは普通のことです。また、地域や関係行政・社会からの要請あります。
現在、各都道府県歯科技工士会にも、それぞれに対応した歯科技工士連盟が置かれています。一部には事業組合等もあります。
各都道府県歯科技工士会等がその必要性に応じで、任意団体であれ、組合であれ、事業体であれ、それぞれの時代に工夫して立ち上げたものです。会員の納得を得て、適法に関係する法律等の手続きを踏んだ設立であれば何の問題も無いでしょう。
2. NDCの設立の背景
NDCの設立には、次の大きな二つの背景があります。
長年に渡り、日本歯科技工士会をはじめ多くの資格者団体が、公益法人としての社団法人と政治活動を主に担う○○連盟(旧政治連盟)の二本立ての活動スタイルをとってきました。この二本立ての活動スタイルに対して、一部団体等にみられた逸脱や弊害等や、社会意識の変化等もあり、近年、行政から「公益法人の活動と政治団体の活動の峻別」の明確化が求められてきました。
更に、新公益法人制度改革に伴い、都道府県団体が中央団体会費等を会員から収受し中央団体に送金する。このような会費収受システムが否定されました。
これら二つの問題等を同時に解決するためにも、NDCは構想されました。
公益法人の活動と政治団体の活動の峻別について
1.公益法人の作成するパンフレット等において、公益法人が徴収する費用の中に政治団体の会費を記載していた事例
2.公益法人のFAX、封筒等を用いて会員に対して政治団体の会費納入を依頼していた事例。
3.公益法人と政治団体の会費の振込先を公益法人名義の同一の銀行口座としていた事例
4.公益法人名義の領収書において、公益法人の会費の会費を併せて記載していた事例。
5.公益法人が、政治団体の会費を特別会費等の名目で、同法人の会費と一緒に徴収していた事例
6.公益法人の事務所が、政党の入党申込書の送付先となっていた事例
6.公益法人が地方公共団体から減額された賃料で借りた建物の一部に、に政治団体の事務所が置かれていた事例
「社団と連盟の峻別」については、両団体があたかも一部分も関係し交わってはいけないような誤解等もあるようですが、日本歯科技工士会では、「事務連絡」の内容を良く吟味し、活動を点検し、会員の皆様からの会費の収受に関し改良を加えるべき点があると認識しました。更に新公益法人改革に伴い、都道府県歯科技工士会を介した日技会費の収受システムは改善を加えるべきとの結論に到達しまた。
オール歯科技工士組織は、都道府県歯科技工士組織の代表の皆様や関係団体と様々な観点から検討を重ね、新たな会費収受システムとしNDCの設立が必要との結論を得たのです。
3.歯科技工士組織の各団体が会費を会員から別個に徴収すれば
図 『新たな収受はステム』による会費等の流れ
現在、私たちの会費は、都道府県歯科技工士会が、日技会費、日技連盟会費、日本歯科技工学会会費、県内支部会費、県歯科技工士連盟会費を会員から一括し徴収し、日技に送金しています。(一部に、都道府県内支部が会員から集金し、都道府県歯科技工士会に収めるスタイルもあります。)
全国団体関係の会費は、総合会費と呼ばれ、その納入率が各県技の日技代議員会での議決権にも影響する形が長年続いてきました。しかし、これは解消しなければならない形です。県歯科技工士会が、他団体の会費を代理徴収する、或いは他団体の会費を県技の口座(会計)を通過させることは、出来るだけ早く解消されるべきことです。
会費に関しては各団体が責任を持って、会員から納付を受けるべきものです。これが筋論です。
その上で「しかしながら」、各団体が会員から個別にその会費を徴収するとすれば、各団体の事務費・管理費は増大します。各団体と会員の間で、個々に銀行引落の契約をするとすれば、銀行への委託料金が各団体数×会員数だけ掛り増しになります。実質的にオール歯科技工士組織が、事業展開する資金が大幅に目減りします。
各団体がNDCに会員の会費引き落とし業務を委託する。会員は自分の銀行口座からの、各団体への会費引き落としを、NDCと契約する。NDCが各団体に、引き落としできた会費をまとめて送金する。このようにすれば、銀行手数料が格段に節約できるわけです。100円を集金するために、75円を使うことは出来ません。銀行手数料等を極力最小化する工夫は、オール歯科技工士組織としては当然の工夫であり、一つの知恵です。
4.業務の安定的遂行のための対応
NDCを設立するという工夫は、各団体の日常業務の重複を避け、安定的遂行を考えた対応です。その上でオール歯科技工士組織として、NDCの経営の透明性の確保と経営責任の担保が重要となります。
この重要な問題に対し、日本歯科技工士会第95回代議員会(平成23年6月18日開催)に対し、日技理事会は第11号議案として「運営審議委員会規程」を提案し、賛成多数で議決頂きました。
この規程は、株式会社ニチギデータセンター(NDC)の定款に基づき設置するNDCの事業運営等の審議、検証並びに株主への提言、助言を行う等に関する事項を定めたもので、全国の地域組織(都道府県歯科技工士会)の代表者がこの審議の担い手です。
5.おわりに
事業体としてのNDCの母体組織であるオール歯科技工士組織は、その経営の透明性の確保と、その資本(株式)の管理の問題、役員の選任の問題、利益が発生した場合の配分の問題、管理責任の問題の担保のために、既に述べたように代議員会の決議を得た運営審議委員会規程を制定しました。NDCの取締役及び監事は、オール歯科技工士組織から役職者が「充て職」として選任されることになりました。
先に具体例として挙げた様に、全国の資格者団体は、営利企業、組合、任意団体と各種団体の経営に長年の経験を積んでいます。NDCはこれから本格稼働する会社ですが、NDCの一方の母体組織である日本歯科技工士会は、組織運営に関し他団体を含めそれらの経験に謙虚によく学び、誤りないNDCの運営に関与し、会員に分かり易く情報を周知いたして参ります。
すべての
歯科技工士の皆様へ
~伝えたい、わたしたちの思い~
16-18
社団と連盟の峻別の定式化とニチギデータセンターの必要性
平成23年3月11日に開催された日技第94回代議員会において、いわゆるNDC(ニチギデータセンター)に関連する議案等の否決等により、日技会務の執行に一時的混乱がありました。これらの背景等に関連した説明をいたしたいと思います。
1.事業体問題
一つの論点として、公益法人の周辺に事業体を持つことの是非が問われました。
各地の資格者団体は、様々な関連団体を持っています。代表的な例を挙げれば、医師会、歯科医師会の関連団体として警察医師会、青色申告連合会、国民健康保険組合、学校法人等々かあります。
団体が、団体と会員の利便と役割を果たすために工夫し、適法な手続きで業務遂行と様々な役割分担・機能分担を行うことは普通のことです。また、地域や関係行政・社会からの要請あります。
現在、各都道府県歯科技工士会にも、それぞれに対応した歯科技工士連盟が置かれています。一部には事業組合等もあります。
各都道府県歯科技工士会等がその必要性に応じで、任意団体であれ、組合であれ、事業体であれ、それぞれの時代に工夫して立ち上げたものです。会員の納得を得て、適法に関係する法律等の手続きを踏んだ設立であれば何の問題も無いでしょう。
2. NDCの設立の背景
NDCの設立には、次の大きな二つの背景があります。
長年に渡り、日本歯科技工士会をはじめ多くの資格者団体が、公益法人としての社団法人と政治活動を主に担う○○連盟(旧政治連盟)の二本立ての活動スタイルをとってきました。この二本立ての活動スタイルに対して、一部団体等にみられた逸脱や弊害等や、社会意識の変化等もあり、近年、行政から「公益法人の活動と政治団体の活動の峻別」の明確化が求められてきました。
更に、新公益法人制度改革に伴い、都道府県団体が中央団体会費等を会員から収受し中央団体に送金する。このような会費収受システムが否定されました。
これら二つの問題等を同時に解決するためにも、NDCは構想されました。
公益法人の活動と政治団体の活動の峻別について
1.公益法人の作成するパンフレット等において、公益法人が徴収する費用の中に政治団体の会費を記載していた事例
2.公益法人のFAX、封筒等を用いて会員に対して政治団体の会費納入を依頼していた事例。
3.公益法人と政治団体の会費の振込先を公益法人名義の同一の銀行口座としていた事例
4.公益法人名義の領収書において、公益法人の会費の会費を併せて記載していた事例。
5.公益法人が、政治団体の会費を特別会費等の名目で、同法人の会費と一緒に徴収していた事例
6.公益法人の事務所が、政党の入党申込書の送付先となっていた事例
6.公益法人が地方公共団体から減額された賃料で借りた建物の一部に、に政治団体の事務所が置かれていた事例
「社団と連盟の峻別」については、両団体があたかも一部分も関係し交わってはいけないような誤解等もあるようですが、日本歯科技工士会では、「事務連絡」の内容を良く吟味し、活動を点検し、会員の皆様からの会費の収受に関し改良を加えるべき点があると認識しました。更に新公益法人改革に伴い、都道府県歯科技工士会を介した日技会費の収受システムは改善を加えるべきとの結論に到達しまた。
オール歯科技工士組織は、都道府県歯科技工士組織の代表の皆様や関係団体と様々な観点から検討を重ね、新たな会費収受システムとしNDCの設立が必要との結論を得たのです。
3.歯科技工士組織の各団体が会費を会員から別個に徴収すれば
図 『新たな収受はステム』による会費等の流れ
現在、私たちの会費は、都道府県歯科技工士会が、日技会費、日技連盟会費、日本歯科技工学会会費、県内支部会費、県歯科技工士連盟会費を会員から一括し徴収し、日技に送金しています。(一部に、都道府県内支部が会員から集金し、都道府県歯科技工士会に収めるスタイルもあります。)
全国団体関係の会費は、総合会費と呼ばれ、その納入率が各県技の日技代議員会での議決権にも影響する形が長年続いてきました。しかし、これは解消しなければならない形です。県歯科技工士会が、他団体の会費を代理徴収する、或いは他団体の会費を県技の口座(会計)を通過させることは、出来るだけ早く解消されるべきことです。
会費に関しては各団体が責任を持って、会員から納付を受けるべきものです。これが筋論です。
その上で「しかしながら」、各団体が会員から個別にその会費を徴収するとすれば、各団体の事務費・管理費は増大します。各団体と会員の間で、個々に銀行引落の契約をするとすれば、銀行への委託料金が各団体数×会員数だけ掛り増しになります。実質的にオール歯科技工士組織が、事業展開する資金が大幅に目減りします。
各団体がNDCに会員の会費引き落とし業務を委託する。会員は自分の銀行口座からの、各団体への会費引き落としを、NDCと契約する。NDCが各団体に、引き落としできた会費をまとめて送金する。このようにすれば、銀行手数料が格段に節約できるわけです。100円を集金するために、75円を使うことは出来ません。銀行手数料等を極力最小化する工夫は、オール歯科技工士組織としては当然の工夫であり、一つの知恵です。
4.業務の安定的遂行のための対応
NDCを設立するという工夫は、各団体の日常業務の重複を避け、安定的遂行を考えた対応です。その上でオール歯科技工士組織として、NDCの経営の透明性の確保と経営責任の担保が重要となります。
この重要な問題に対し、日本歯科技工士会第95回代議員会(平成23年6月18日開催)に対し、日技理事会は第11号議案として「運営審議委員会規程」を提案し、賛成多数で議決頂きました。
この規程は、株式会社ニチギデータセンター(NDC)の定款に基づき設置するNDCの事業運営等の審議、検証並びに株主への提言、助言を行う等に関する事項を定めたもので、全国の地域組織(都道府県歯科技工士会)の代表者がこの審議の担い手です。
5.おわりに
事業体としてのNDCの母体組織であるオール歯科技工士組織は、その経営の透明性の確保と、その資本(株式)の管理の問題、役員の選任の問題、利益が発生した場合の配分の問題、管理責任の問題の担保のために、既に述べたように代議員会の決議を得た運営審議委員会規程を制定しました。NDCの取締役及び監事は、オール歯科技工士組織から役職者が「充て職」として選任されることになりました。
先に具体例として挙げた様に、全国の資格者団体は、営利企業、組合、任意団体と各種団体の経営に長年の経験を積んでいます。NDCはこれから本格稼働する会社ですが、NDCの一方の母体組織である日本歯科技工士会は、組織運営に関し他団体を含めそれらの経験に謙虚によく学び、誤りないNDCの運営に関与し、会員に分かり易く情報を周知いたして参ります。