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歯科技工士・岩澤 毅

メディア・バイアス あやしい健康情報とニセ科学 (光文社新書)

2009年01月03日 | amazon.co.jp・リストマニア
メディアが非科学・歪曲報道する理由(わけ)

 第3回科学ジャーナリスト賞受賞の松永和紀さんによる、メディアと科学の関係論である。
 京大学院農学研究科修士課程修了後、毎日新聞記者となり科学の作法と報道機関の生態を知る著者による「メディア・バイアス」の出来る理由解明本といった趣である。
 本書のテーマである日本の読者・視聴者が育てた新聞・テレビの科学報道の欠落は、日本の読者・視聴者が科学報道に求める質が、その程度であると言えよう。
 松永による「科学報道を見破る十カ条」が示されているが、「あやしさ」と「ニセ科学」を求め踊らされる消費者と商売の道具として「あやしさ」と「ニセ科学」を利用する事業者の相互依存関係の解消が望めない現状では、「メディア・バイアス」の存在を前提に身を守る術を獲得しなければならないとの事なのだろう。



メディアバイアス アヤシイケンコウジョウホウトニセカガク コウブンシャシンショ
光文社新書
メディア・バイアス―あやしい健康情報とニセ科学

松永 和紀【著】
光文社 (2007/04/20 出版)

259p / 18cm
ISBN: 9784334033989
NDC分類: 361.45

価格: ¥777 (税込)

詳細
世界に氾濫するトンデモ科学報道。
納豆ダイエット捏造騒動を機に健康情報番組の問題点は知られるようになってきたが、テレビを批判する新聞や週刊誌にも、あやしい健康情報が山ほどある。
そこには、センセーショナルな話題に引っ張られるメディアの構造、記者・取材者の不勉強や勘違い、思い込み、そして、それを利用する企業や市民団体など、さまざまな要素が絡んでいる。
本書では、さまざまな具体例をもとにメディア・バイアスの構造を解き明かし、科学情報の真贋の見極め方、リスク評価の視点を解説する。

第1章 健康情報番組のウソ
第2章 黒か白かは単純すぎる
第3章 フードファディズムの世界へようこそ
第4章 警鐘報道をしたがる人びと
第5章 添加物バッシングの罪
第6章 自然志向の罠
第7章 「昔はよかった」の過ち
第8章 ニセ科学に騙されるな
第9章 ウソつき科学者を見破れ
第10章 政治経済に翻弄される科学
第11章 科学報道を見破る十カ条

著者紹介
松永和紀[マツナガワキ]
1963年長崎市生まれの東京育ち。京都大学大学院農学研究科修士課程修了(農芸化学専攻)。毎日新聞社の記者として10年勤めた後に退職し、フリーの科学ライターとして活動を開始。得意分野は農業、食品、環境など。日経BP社のサイト「Food Science食の機能と安全」で2004年4月より「松永和紀のアグリ話」を連載中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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