厚労省事務次官による医療制度改革の理念の提示, 2008/8/14
By 歯職人
著者は、2008年春まで厚生労働省事務次官を勤めた東大法学部卒のキャリア官僚です。
本書は、団塊の世代という最大のボリュームが老後を迎え、年金を受給し、医療費を増大させ、介護需要を高める時代を目前とし、厚生労働省がどの様な社会を目指したかを知る助けとなる一冊です。
後期高齢者医療制度が、戦中・戦後の世代を狙い撃ちしたかの誤解があるが、本来の目標が、「団塊の老後」にあることが本書の行間から伺える。
著者らの目指そうとする計画は、「都道府県単位」の医療・介護の自律的需給調整がキーワードとなる。
しかし、霞ヶ関で考えるこの計画は、設置者の異なる医療機関に支えられる日本において実効性を伴うのか?医療機関・医師の集約を地域が担えるのか?
医師需要に関し、「医師は足りているのか」はたまた「地域と診療科目の偏在か」については、大臣が不足と結論付けたが、本書は偏在の立場にある。
本書の注目すべき点として、厚生労働省が地域における保健予防・医療実践に学ぶ立場を示している点にある。
地域における保健予防・医療実践と国家の長期の医療政策に関する計画・医療制度設計を結びつけ、国民の理解と納得そして負担のあり方に関する更なる議論を進める際に、本書は消化すべき一冊であろう。
(ニホンノイリョウセイドカイカクガメザスモノ )
日本の医療制度改革がめざすもの
ISBN:9784788708600 (4788708604)
178p 19cm(B6)
時事通信出版局;時事通信社〔発売〕 (2008-06-10出版)
・辻 哲夫【著】
[A5 判] NDC分類:498.13 販売価:1,995(税込) (本体価:1,900)
医療制度改革のポイントとは?“安全・安心で質の高い医療を確保”、“予防、治療、ケアを総合的・計画的に改革”、“新たな高齢者医療制度の創設”―年金、介護、医療の各制度を一体的に改革する!
序章 医療制度改革の理念と構図(日本の受療の実態と医療費;医療制度改革の基本戦略)
第1章 生活習慣病予防の戦略的展開(生活習慣病対策の論理;生活習慣病対策の展開)
第2章 医療提供体制の再編成―医療機能の分化・連携と在宅医療の推進(医療費適正化と医療提供体制のあり方との関係;医療機能の分化・連携;療養病床の再編成と在宅医療の推進)
第3章 医療費適正化計画と医療保険改革(医療費適正化計画のめざすもの;医療費適正化計画と医療保険改革との関係)
第4章 医師不足問題と人を診る医療・歯科医療・看護(医師不足問題の構造と対応;人を診る医療・歯科医療・看護の重要性)
辻哲夫[ツジテツオ]
1947年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、厚生省(当時)に入省。老人福祉課長、大臣官房審議官(医療保険担当、健康政策担当)、保険局長、厚生労働事務次官等を経て、2008年4月から田園調布学園大学教授。厚生労働省在任中に医療制度改革に携わった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
By 歯職人
著者は、2008年春まで厚生労働省事務次官を勤めた東大法学部卒のキャリア官僚です。
本書は、団塊の世代という最大のボリュームが老後を迎え、年金を受給し、医療費を増大させ、介護需要を高める時代を目前とし、厚生労働省がどの様な社会を目指したかを知る助けとなる一冊です。
後期高齢者医療制度が、戦中・戦後の世代を狙い撃ちしたかの誤解があるが、本来の目標が、「団塊の老後」にあることが本書の行間から伺える。
著者らの目指そうとする計画は、「都道府県単位」の医療・介護の自律的需給調整がキーワードとなる。
しかし、霞ヶ関で考えるこの計画は、設置者の異なる医療機関に支えられる日本において実効性を伴うのか?医療機関・医師の集約を地域が担えるのか?
医師需要に関し、「医師は足りているのか」はたまた「地域と診療科目の偏在か」については、大臣が不足と結論付けたが、本書は偏在の立場にある。
本書の注目すべき点として、厚生労働省が地域における保健予防・医療実践に学ぶ立場を示している点にある。
地域における保健予防・医療実践と国家の長期の医療政策に関する計画・医療制度設計を結びつけ、国民の理解と納得そして負担のあり方に関する更なる議論を進める際に、本書は消化すべき一冊であろう。
(ニホンノイリョウセイドカイカクガメザスモノ )
日本の医療制度改革がめざすもの
ISBN:9784788708600 (4788708604)
178p 19cm(B6)
時事通信出版局;時事通信社〔発売〕 (2008-06-10出版)
・辻 哲夫【著】
[A5 判] NDC分類:498.13 販売価:1,995(税込) (本体価:1,900)
医療制度改革のポイントとは?“安全・安心で質の高い医療を確保”、“予防、治療、ケアを総合的・計画的に改革”、“新たな高齢者医療制度の創設”―年金、介護、医療の各制度を一体的に改革する!
序章 医療制度改革の理念と構図(日本の受療の実態と医療費;医療制度改革の基本戦略)
第1章 生活習慣病予防の戦略的展開(生活習慣病対策の論理;生活習慣病対策の展開)
第2章 医療提供体制の再編成―医療機能の分化・連携と在宅医療の推進(医療費適正化と医療提供体制のあり方との関係;医療機能の分化・連携;療養病床の再編成と在宅医療の推進)
第3章 医療費適正化計画と医療保険改革(医療費適正化計画のめざすもの;医療費適正化計画と医療保険改革との関係)
第4章 医師不足問題と人を診る医療・歯科医療・看護(医師不足問題の構造と対応;人を診る医療・歯科医療・看護の重要性)
辻哲夫[ツジテツオ]
1947年兵庫県生まれ。東京大学法学部卒業後、厚生省(当時)に入省。老人福祉課長、大臣官房審議官(医療保険担当、健康政策担当)、保険局長、厚生労働事務次官等を経て、2008年4月から田園調布学園大学教授。厚生労働省在任中に医療制度改革に携わった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)