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歯科技工士・岩澤 毅

新地方自治法 (新書) 兼子 仁 (著)

2006年12月12日 | amazon.co.jp・リストマニア
新地方自治法 (新書) 兼子 仁 (著)
新書: 218ページ
出版社: 岩波書店 (1999/09)
ASIN: 4004306337

 冷静な主権者になるための地方自治法入門書, 2006/12/12

レビュアー: 歯職人

 本書は、1999年の地方自治法の大改正の市民向け解説書である。
 地方自治体の「平成の大合併」より住民の眼に見える形で、地方分権の初歩の姿が顕になってきている。
 しかし、分権の推進に対する揺り戻しもまた大きなエネルギーを秘めているようだ。
 地方分権の進展に伴い、権限を増した知事とその周辺主導による官製談合の摘発が続いている。
 国政・地方を問わず選挙に挑む組織政党を背景としない立候補者にとって、定められたポスターを掲示することすら過大な事業となる。過去、青島幸夫氏が候補者本人が選挙ポースターを掲示するパフォーマンスを披露したことがあったが、主権者である有権者が候補者の能力・人柄をよくよく見定め選択するのは無論であるが、選挙自体と当選後の活動に特定の則を超えた利害を持ち込む勢力の跋扈を許さないために、「選ぶ民主主義」から「創り出す民主主義」への質的転換が求められていると思われる。
 北海道夕張市の財政破綻が明らかになり、主権者として監視すべきであった、有権者として防ぐべき投票行動をすべきであった住民に対する「当事者責任」の負担が、行政サービスの低下、「自治体崩壊」として重く圧し掛かろうとしている。
 2006年「分権改革推進法」の成立により、新たな分権への動きが法制の上でも始動したこの時期、本書を紐解いて頂きたい。

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