歯科技工管理学研究

歯科技工管理学研究ブログ
歯科技工士・岩澤 毅

岩澤毅 歯科技工士需給のミカタ

2017年06月19日 | 日本歯技


2017/06/19

歯科技工士需給のミカタ


岩澤 毅


『世界がもし100人の村だったら』という物語が、2001年頃から世界で流行しました。世界を一つの村に例え、人種、経済状態、政治体制、宗教などの差異を比率はそのままにして、人口を100人して説明しているものです。

 10万人都市と100万人都市では、大きく様相が異なります。しかし、男女比や高齢化の進展度、一人当たりの公園面積など、「比率」という考え方を導入することにより、二つの都市の比較が可能になります。また、年々の変化を追うことも出来ます。

 歯科技工士の需給を考える場合は、歯科医師との関係、人口との関係等を指標として測ることが出来ると思います。例えば、歯科技工士数と歯科医師数の比率(歯科技工士/歯科医師)は、0.331です。人口に対する歯科技工士の構成比は、0.0271です。この比率を年齢層毎に算出することで変化を観察できます。歯科技工士数と歯科医師数の比率(歯科技工士/歯科医師)は、25歳~64歳で0.289~0.376の範囲にあり、総数の0.331を中心に-0.042~0.045の幅の中にあります。歯科技工士と全就業者の比較では、50歳以上では歯科技工士が上回り、34歳未満では、歯科技工士が下回ります。30歳以上~49歳未満では、ほぼ同等です。50歳以上59歳未満では、補綴を主なものとした歯科医療の時代の影響があるかと思われます。

 平成28年の歯科医師・歯科技工士国試合格者比率は、0.497です。歯科技工士数と歯科医師数の比率0.331を上回っています。

 平成27年の発表では、平成10年の医療保険での算定回数を100とした時の各補綴物の算定回数は、クラウン63.5% ブリッジ76.7% 局部義歯58.2% 総義歯51.7%です。

「歯科技工士不足」と言う場合は、四つの視点から考える必要があると思います。1.歯科技工士養成所・学校経営上の「志願者」「受験者」「入学者」不足 2.歯科技工所経営上の求職者不足、若手不足、年齢を問わない不足 3.歯科診療所にとっての委託局面での歯科技工所(士)の不足 4.日本の歯科医療を支える上で、将来にわたり過不足なく、歯科補綴需要を満たし、歯科技工士が世代交代し、歯科医療と歯科技工の質を保つ上での数の不足。

 日本歯科医師会は、「歯科医師需給問題の経緯と今後への見解」(平成26年10月)で、「今後の新規参入歯科医師数、約1,500名。総歯科医師数、82,000名を上限とする」としています。歯科医療需要は、人口減少という大きな変化と少子化に規定されながら、う蝕等の改善に伴い、歯の形態回復を中心とした治療は減少し、機能回復や疾患等の予防に対する需要が増加すると予想されています。将来にわたり過不足なく歯科需要・歯科補てつ需要を満たし、歯科技工士が、途切れることなく世代交代し、歯科医療と歯科技工の質を保つための歯科技工士養成が課題と思います。関係当事者が個別の利害のみにとらわれず、俯瞰的視点から歯科技工士需給を理解しなければならないと考えます。






http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=247468
歯科医師の資質向上等に関する検討会 歯科医師の需給問題に関するワーキンググループ

回数 開催日 議題等 議事録/議事要旨 資料等 開催案内
第5回 2016年4月12日
(平成28年4月12日) ○論点整理について 議事録 資料 開催案内
第4回 2016年1月29日
(平成28年1月29日) ○歯科医師の需給問題に関することについて 議事録 資料 開催案内
第3回 2015年11月18日
(平成27年11月18日) ○歯科医師の需給問題に関することについて 議事録 資料 開催案内
第2回 2015年6月3日
(平成27年6月3日) ○歯科医師の需給問題に関することについて 議事録 資料 開催案内
第1回 2015年2月24日
(平成27年2月24日) ○歯科医師の需給問題に関することについて
○その他 議事録 資料 開催案内

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-isei.html?tid=240484

歯科医師の資質向上等に関する検討会

回数 開催日 議題等 議事録/議事要旨 資料等 開催案内
第4回 2017年5月22日
(平成29年5月22日) ○歯科医師の資質向上等に関する事項について - 資料 開催案内
第3回 2016年11月25日
(平成28年11月25日) ○歯科医師の資質向上等に関する事項について 議事録 資料 開催案内
第2回 2015年10月8日
(平成27年10月8日) 〇歯科医師の資質向上等に関する事項について
議事録 資料 開催案内
第1回 2015年1月16日
(平成27年1月16日) ○検討会で議論する事項及び論点について
○その他
議事録 資料 開催案内


公益社団法人日本歯科医師会「歯科医師需給問題の経緯と今後への見解」(平成26年10月)
http://www.mhlw.go.jp/.../05-Shingikai.../0000071236.pdf
13ページ
年間新規参入歯科医師数は 1,500 名程度を上限と考える。
平成 18 年厚生労働省医政局歯科保健課がまとめた「今後の歯科保健医療と 歯科医師の資質向上等に関する検討会 中間報告書」には、今後の方針として、 「歯科医師養成数は、歯学部定員削減と歯科医師国家試験合格基準との方策 によらざるを得ない。仮に、現時点で歯科医師数の伸びをゼロとし、新規参入 歯科医師の 9 割が稼働すると仮定すると、新規参入歯科医師数を約 1,200 人程 度とする必要がある。この人数は、平成18 年度の歯学部の募集人員2,667人、 平成 18 年国家試験合格者数 2,673 人何れに対しても 45%に相当する。」 と、報告している(資料:1-②)。またその後の報告書で平成 37 年には 9,000 ~18,000 人程度過剰が見込まれることが書かれていることも考慮すべきであ る。


21世紀にふさわしい歯科改革提言
2016年10月1日発行
発行所 東京歯科保険医協会
著者 東京歯科保険医協会政策委員会
http://www.tokyo-sk.com/pdf/teigen01.pdf
26ページ
第5章 緊急に改善を要する歯科の課題と提言
5)歯科医師需給ギャップの改善のため早急な対応と歯科医師養成の改善について
①歯学部の統廃合をすすめ地域偏在をなくし、歯科医師の新規参入は1,200名に削減(現行の45%)すること。
②卒後臨床研修期間を2年制とすること。
③卒前・卒後教育制度の見直しをすること。


https://www.nagasaki-shika.com/オープンスクール/

長崎歯科技術専門学校の学生募集停止について



この度、長崎歯科技術専門学校は、平成30年度以降の学生募集を停止することに

なりましたのでお知らせします。
 

 本校はこれまで、歯科医療の現場に即応できる人材育成を根幹に据え、「教育」「研究」「臨床」の三本柱を基本として、多くの歯科技工士を輩出してきました。また、広報面においても様々な努力を重ねて参りましたが、少子化等社会環境の変化により、入学者数の低迷が続き、このような状況の下、誠に苦渋の決断ではありますが、平成30年度以降の学生募集を停止することといたしました。

 H29年度入学生を含めた全ての学生が卒業するまで、これまでどおり学習支援をするとともに、国家資格取得と就職活動支援に万全を尽くす所存です。また卒業生への対応についても、今後支障がないように万全な体制を構築してまいります。


 突然のお知らせとなりましたが、何とぞご理解を賜りますよう衷心よりお願い申し上げます。


平成29年6月25日


一般社団法人聖和会

長崎歯科技術専門学校

理事長 赤司 範俊

校長 森本 雄久


http://www.aishi.ac.jp/folder/post.html
愛歯技工専門学校

学生募集の停止と閉校のお知らせ



ご関係の皆様には、日頃より本学の教育にご支援を賜り、感謝を申し上げます。

さて、弊校は大正14年の開校以来、皆様にご愛顧頂いて参りましたが、諸般の事情により平成30年度以降の学生の募集を終了し、平成31年3月をもって閉校する運びとなりました。

突然の学生募集の終了でご迷惑をおかけしますことを深くお詫び申し上げる次第でございます。

略儀ではございますが、まずは書中をもちまして学生募集終了のお詫びとご挨拶を申し上げます。
 皆様の今後のご健勝とご発展を心よりお祈り申し上げます。


 平成29年7月

公益財団法人 愛世会 愛歯技工専門学校

学校長 岡野 京二

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