歯科技工管理学研究

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歯科技工士・岩澤 毅

ただいま/お気に入り! 『歯科人へのぬり薬』

2018年03月07日 | 日本歯技


日本歯技 2018年3月号

ただいま/お気に入り!

『歯科人へのぬり薬』

 皆さんがご存知と思われる歯科技工業界の最大手企業、和田精密技研株式会社の創業者・和田弘毅さんが、『日本歯科新聞』に2001年1月23日号から毎月1回掲載されているコラム「さじかげん」を、2016年時点で再編集した一冊です。

 私は今だ従業員を雇用したことがない者ですが、全く違う世界の方がどんな物の考え方をし、現在があるのかとの興味から本書を手にしました。

 新聞連載コラムという字数の限られた土俵と毎月の締め切りという過酷な条件を乗り越えられ継続されているだけで、すでに驚愕なのですが、本書は、1.歯科医療への処方薬/2.技工哲学への処方薬/3.経営者のたしなみ処方薬/4.スタッフ教育への処方薬/5.成功への処方薬/6.心とカラダの健康処方薬とテーマ別に章立てされることにより、読者は新たな理解の手がかりと凝縮した時間を得ることができたのではないでしょうか。

 1934(昭和9)年、香川県生まれの著者が、歯科技工の産業としての勃興期、歯科医療が上り坂を高速で駆け上がる時代に、企業経営者として得てきた経験と知見、さらに現在のいわば歯科の低迷期をどのように捉えているかを知る手がかりとなり得る一冊と言えるかもしれません。

 「後書きに代えて」では、日技理事を経験された三好博文さんが、本書出版の経緯と著者の人となりを簡潔に記されている。

 ここ数年、「自分史」等、記録を残す動きが出ている。将来に続く営みとして、何より貴重なものと思います

秋田県歯科技工士会  岩澤 毅


『歯科人へのぬり薬』
和田弘毅 (著)
出版社: 日本歯科新聞社
発売日:2016年10月/B6判/160p
1,800円+税




https://www.amazon.co.jp/%E6%AD%AF%E7%A7%91%E4%BA%BA%E3%81%B8%E3%81%AE%E3%81%AC%E3%82%8A%E8%96%AC-%E5%92%8C%E7%94%B0%E5%BC%98%E6%AF%85/dp/4931550452/ref=sr_1_17?ie=UTF8&qid=1520422769&sr=8-17&keywords=%E5%92%8C%E7%94%B0%E3%80%80%E6%AD%AF%E7%A7%91

歯職人 5つ星のうち5.0
歯科技工業界の開拓者からの思いのこもった言葉 2018年1月12日

 本書は、歯科界唯一の週刊新聞『日本歯科新聞』(株式会社日本歯科新聞社、昭和42年8月創業、代表取締役水野純治)に平成13(2001)年1月23日号から毎月1回掲載されたコラム「さじかげん」(現在も継続中)を再編集し、2016年10月発行されたものです。
 著者の和田弘毅さんは、昭和9年香川県生まれ、歯科技工士となり、その時々の先端技術の獲得に果敢に挑戦し、創業された和田精密技研株式会社を業界トップの企業に育てたのみならず、多くの優秀な歯科技工士を育てられた方です。
 連載コラムのタイトルの「さじかげん」が示すように、人間の機微、人の心のひだを熟知した著者の歯科と人間を見つめ考える視点が提示されている。特に「3 経営者のたしなみ処方薬」「4 スタッフ教育への処方薬」は、業界から常に注目されるトップ企業の創業者だからこそ書ける、書かなければならないという信念が行間から読み取れるようだ。「6 心とカラダの健康処方薬」は、超高齢社会を迎え、特に歯科という生きる上で必須の「口」に関わりを持つ歯科の立場から、「口福」という新しい熟語を好む著者らしい心とカラダに関する経験と思いが述べられている。
 成功した経営者が、ライターに依頼し「自伝」「自分史」を発行したなどの話を側聞する時があるが、この「さじかげん」の連載は、それとは真逆のようです。その証拠に、この長期の新聞連載には、著者の和田さんが事情等により執筆できなかった時の代打の執筆者を明示れている。
 この時代に歯科の世界で生きる方たちに、手に取っていただきたい一冊です。



http://www.shien.co.jp/act/d.do?id=8071&review=true

技工業界の巨人のコラム集
2018/01/12(金) — 読者によるレビューです
レビュアー: 歯の職人

和田精密技研株式会社の創業者・和田弘毅さんの『日本歯科新聞』に平成13年1月23日号から毎月1回掲載されたコラム「さじかげん」を再編集した一冊です。
自社を業界トップの企業に育てた著者による歯科医療と歯科技工の現状分析と将来への処方箋が提示されている。ものを考える際の深み、人を育てる人間力等々、自分にとってはあまりに遠い存在であるが、良い機会を頂き、本書を読むことができた。
新聞連載とは違う一冊の書籍としてトータルに著者の考えに触れることができることは、別の味わいがある。テーマ別に章立てされ、読者にとっては新聞連載時と違い、道案内と地図が手に入った趣がある。
歯科技工の産業としての勃興期、上り坂を駆け上がる時代の空気を知ったうえで、現在のいわば低迷期を、著者がどのように捉えているかを知る手がかりとなり得る一冊ではないかと思われる。お勧めしたい一冊です。

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