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歯科技工士・岩澤 毅

123 参 厚生委員会-04号 1992/04/07 沓脱タケ子

1992年04月07日 | 国会議事録
123 参 厚生委員会-04号 1992/04/07  

○沓脱タケ子君 医療費が二十兆を超しているでしょう。医療費が二十兆を超すという段階になって、何や知らぬけれども帳じり合わせみたいなこんな診療報酬の改定の中身というのは、これは論めなかったら厚生省の権威にかかわると私は思います。大臣、その点では御検討をぜひいただきたいと思うんです。
 あと時間もうちょっとあるんで、同僚議員から盛んに歯科医療が出た。私もちょっと一言言いたいと思っておるんですが、実は、歯科医療の問題を私も一言言いたいというのは、昨年の三月二十六日に本委員会で、歯科は医科と比べて差別されているやないかと言って、再診料、初診料の問題を取り上げましたが、若干今度は改善された。改善されたけれども医科がまた上がったから、この開きが大きくなったというようなこともあって、私は基本的にここら辺の問題というのは解決をせにゃいかぬなと思っているんです。しかし、それだけではなしに、その問題はその問題です。
 同僚委員からも出ております入れ歯の問題というのは、これはこの高齢化社会の中で大変な問題だというのは共通の認識だと思いますよ。私も一月二十九日のNHK特集番組ちょっと見ましたけれども、あれの視聴率高かったんだそうですね。あの番組が終了してから三日間といったかな、NHKに千七百本電話がかかった。いかに国民が入れ歯の問題で深刻な悩みを持っているかということを示していると思うんです。
 もう時間の都合もありますから多くを申し上げませんが、さっきも義歯については改善をいたしましたと局長お話しになっていましたね。どの程度今回の診療報酬の改定で改善されました。――数字やからちょっと調べてください。
○政府委員(黒木武弘君) ちょっとすぐには正確な数字が出てきておりませんけれども、今回の診療報酬改定、特に初診料、再診料を中心にしますとともに、義歯関係についてもそれなりの改定をいたしたわけでございます。
 前提として、患者、老人でございますけれども、上下総義歯を七日間通院して義歯を入れた場合の想定でございますけれども、一般患者で申し上げますと五万一千四百八十円が五万三千七百円、四・三%引き上げております。老人では五万二百八十円が五万一千七百円ということで、二・八%の引き上げになっております。
○沓脱タケ子君 えらい困らせましたけれども、初診料もちょっと上がった、何やらもちょっと上がった、再診料も上がった、それ全部含めて九十二点上がっております。五万一千七百円になったのは、前回よりも九十二点上がっております。九百二十円上がったんです。
 それで、もう少し詳しく見ますと、義歯の製作料というのは千四百点です。これは調べたから間違いないです。片方が千四百点やから両方で二千八百点、これ上がっていないんですよ。据え置きですわ。
 さっきから技工士の問題が出ているように、技工士がだんだんやめていく傾向にある、技工士の人がどない言っているかといったら、もうちょっとええところがあったらかわりたい言っているのが七、八割あるんですね。どこへかわっていんのや技工士は、と聞いたら、貴金属の細工できるでしょう、技工士さんというのは。貴金属商へ転職しているというんですよ、今。こんなことになったら、これは歯科大変なことになりますよ。
 何でそれじゃ技工士の人がそういうことになをかというと、義歯の金額が保険診療が安いから、製作料の七割を技工士に渡してもまともな収入にならない、そういうことになってきているわけでございますから、これはさっきもお話があったけれども、京都大学の西村先生も言っていた。せめて二倍以上に上げたらもうちょっと手間暇かけて文句の出ない歯をつくることはできるんですよ。そういうことが私は歯科の先生方が一番望んでいることではないかと思うんです。二倍以上に上げるべきですよ、こんなもんね。四の五の言って理屈だけでは国民納得しませんわ、実際は。
 だから、そういう点で手間暇省くんです、安いからね。ようけ患者を診なんたら経営も成り立たないから、そない一人の患者にたくさん時間がかけられない。何遍も何遍もといったらもう面倒くさいなということになってくるんです。そうではなくて、やはり手間暇をかけてやっていけるだけの診療報酬というものが保障されるということが極めて大事と私は思います。そのことが技工士の給与等の改善もやれるのではないかと思うんで、これは大臣、こういう非常に広範な国民的な要求のある問題ですし、国民的な問題化している点でもありますし、次回の改定と言わずに、ひとつ緊急にこういった分野だけは思い切って決意をして二倍以上に引き上げるというようなことがやれぬですかね。一遍、大臣の御決意を伺いたい。
○国務大臣(山下徳夫君) 今お話しのように、保険の点数が低いために入れ歯に問題があるということは、これはこのこと自体が大変なことであると思います。しかし、私はそれが安いから高いからといって治療内容が上下するとは思いたくないんです。
○沓脱タケ子君 手間暇や。
○国務大臣(山下徳夫君) それは、先生はどうか知りませんが、私はもう長年にわたって入れ歯をやっていますから、同じ医師であってもでき、ふできというのがありますし、いろいろあるわけでございますから、必ずしも単価だけによって、安いから高いから悪いのいいのということではない。しかし、いずれにいたしましても十分真剣に検討すべき問題ではあります。

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